君は僕だ。
どうして君のことを
忘れてしまったのか。
何かを恐れていた君の
前に現れた
サバイバルを生き抜くための僕。
正義感が強くて、
決して何かに屈することもない。
他人は当てにならない。
弱みを見せると付け込まれる。
だから、僕は戦う。
厳しい世界を生きている。
だから、自分にも他人にも厳しい。
そんな僕も大人になって、
いつの間にか
「とはいえ仕方ない」という
現状にいつの間にか屈していることに気がついた。
会社を辞めて、起業して
その現状も僕は克服してやった。
だけど、
どこまで行っても
僕は戦い続け、サバイバルを生きていた。
ある日、
全ては順調だったのに、
世界がコロナになって
僕もそれと同調するかのように
全てが嫌になった。
それまでやっていたことを
辞めるのは怖かった。
でも、
心の声は言っている。
もう体と心はついてきてない。
今すぐ辞めるんだ。
サバイバルを生き抜くためだった僕は
呆然と立ち尽くした。
振り返ると、
忘れていた君がそこにいた。
いつの間にか
役割を交代し、
君は僕じゃなくなって、
僕はサバイバルを生きる僕を僕とした。
でも、君は僕だ。
君は言う。
「僕はずっとここにいるよ。」
僕は眠る。
布団から起き上がれなくなって、
眠り続けた。
サバイバルに敗れた老兵のように
やがてそのまま石像になってしまうかのように
その場にただただ居るだけになった。
どれくらい経っただろう。
数ヶ月経っただろうか。
君はずっと僕のそばにいて
ある時、朝日と共に散歩に出かけようという。
朝日と君が
僕を癒し、やがて僕は歩き始めることにした。