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収集癖

中学生の頃の僕の部屋は漫画にまみれていた。

16歳で東京の実家を出てオーストラリアに来る直前には、僕の部屋にある漫画の数は600冊以上まで膨らんでいた。実家を出るにあたり、そのほとんどは古本屋に持ち込んだ。しょうがないこととは言え、身を切るような思いでせっせと集めた漫画たちを段ボール箱に詰め込んだように記憶している。漫画収集はその頃の僕の情熱だった。

漫画ほどではなかったが、少しづつCDを収集し始めたのもは中学校高学年の頃だったように思う。ヒップホップをしっかりと聴き始めたのがあの頃だったから、主にヒップホップのCDを買っていた。

そんなわけで、ヒマさえあればお小遣いやお年玉を片手にブックオフの105円(今も105円なのか?)コーナーで漫画やCDを漁っていた中学生時代。一日に何軒かのブックオフや古本屋をハシゴしたりなんかもしていた覚えがある。

と、むかし収集していたもののことを思い出し、自分には収集癖があるのかもしれないと思い至ったのはつい最近のこと。当時は何も思わなかったけれど、これは僕の癖(ヘキ)のひとつなのだろう。なにせ気付けばなにかを集めたい気持ちが高まっているのである。

だんだんと増えていくコレクションを眺める満足感。いや、幸福感。はたまた、優越感か。とにかく気持ちがいい。

そして収集にはもうひとつの醍醐味があると考えている。それは「掘る」こと。要するに、探す作業である。これがまた楽しい。

ブックオフに行く時は、何かイイCDや漫画や本がないか105円コーナーの棚を隅から隅までチェックしていく。この作業が「掘る」というやつ。一枚一枚CDを確認していくなかで掘り出しものを見つけた時は僥倖。

もちろん目ぼしい物が見つからない日だってある。そんな日でも「掘る」作業は楽しい。「掘る」という行為は、ただ欲しいものを見つけて買うのとは少し違うのである。明確な欲しいものを探すのではなく、ガレキの山から宝物を探す作業といった感じ。

大抵の欲しいものはクリックひとつで手に入る時代だけど。欲しいものを確実に買うよりも、自分で目ぼしいものを掘り当てるほうが断然楽しい。そして自力で掘り当てたものを収集していくことには充実感がある。

そんなわけで、自分がいま収集してみたいものを考えてみた。

本。CD。DVD。レコード。カセットテープ。漫画。雑誌。ランニングシューズ。スニーカー。テニスラケット。Tシャツ。キャップ。マグカップ。

ザッと書き出しただけでこんなに出てくる。じゃあ、実際に集められるのかというと。もちろん全部は無理。家にスペースも無ければお金もない。

そしてなにより、嫁に嫌がられる。

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