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コーチング的な関わりを用いたふりかえりとは〜勉強会の設計〜

こんにちは。コーチェットCOO兼プロダクト責任者の吉田です。

去る2022年2月18日(金)にエンジニアのためのコーチング勉強会として「ふりかえりに活かすコーチングスキル」をテーマに開催いたしました。

今日は勉強会の内容を特徴的なところファシリテーションの意図を中心にご紹介したいと思います。

全体の流れ

最初と最後に会社の説明を簡単に挟ませていただきながら、本題の勉強会としては

  • 前半はレクチャー(下記の2〜5)

  • 後半は振り返りシートを参加者の方それぞれに用意して書き出してもらうワーク(下記の6)

という大まかな2部構成で行いました。

チェックイン

まず 2)チェックイン です。

5人ずつのブレイクアウトルームに分かれていただき、一言ずつ「どんな期待をもって」勉強会に参加したかをふりかえっていただきました。
5人というサイズ感は大きすぎず、小さすぎず、という判断です。

当初の期待はどういうものか。
コーチングに興味があったという方も、ふりかえりについてよく知りたいという方もいらっしゃいました。

元の動機を明らかにした上で勉強会に臨んでいただくことは、運営側の私たちにとってもそうですが、参加するご本人にとっても時間を有意義にする効果があります。

勉強会では中盤で説明したのですが、チェックイン時にはお一人お一人の発言に対してファシリテーターが承認のコミュニケーションをとるようにしており、これはその場の心理的安全性を保つ効果もあります。

その後、前半のレクチャーパートではふりかえりについて簡単に解説をしています。

ふりかえりの悩みについて

次に、勉強会参加者の皆さんからふりかえりの悩みについてチャットであげてもらいました。

まず多かった内容は「ふりかえりの時間がとれていない」というものです。

進捗報告はしてもふりかえりってあまりしてない気がしてきました。ふりかえりをする時間が無い…。

毎日夕会を行っており、改まっての振り返りを行なえていないです。

ちゃんとした「振り返り」というものが案件が終わったタイミングになってしまっています。

他には「改善につながっていない」という声

KPTでTを出しても、次の週に振り返った時にやってなかったなということが何度かあります。

ふりかえりすることが目的になってしまって、改善とかは結局個人の裁量みたいになってますね。

Kに事実だけを出すにとどまり、なぜそれが良かったのかとかKeepするためのポイントまで深ぼれずに終わってしまうケースがあります。事実報告で終わっちゃうみたいなケースですかね。

もう一点あがっていたのは、発言が固定化されているという話です。

Pを上げる人あげない人が固定されている印象を持っています。

このように困りごとをあげてもらうときにチャットを利用したのは、1人1人順番に発声して話すというプレッシャーをかけないことを意図しています。またファシリテーターはチャットにあげてもらった意見を1つずつ順番に読み上げていくことで、「承認」を意識しています。

コーチェットでのふりかえり実例

次に、コーチェット社内で行っているふりかえりの実例をあげながら、 特に「目的を握ること」「心理的安全性を保つ」の2点について解説をいたしました。

ふりかえりのワーク

次のセクションでは、また5人ずつ(運営側スタッフは2人)のブレイクアウトルームに分かれ、参加者の皆さんが日頃行なっているふりかえりについてふりかえっていただきました。

ふりかえりの7つのステップ(出典:アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック)のうち

2.ふりかえりの場を作る
4.アイデアを出し合う

のAs Is(現在の状態)とTo Be(理想の状態)をそれぞれで書き出していただきました。
参加者のみなさんそれぞれにGoogleスライドのページを用意しています。

こちらも、まず「2.ふりかえりの場を作る」のAs Isについて5分程度の時間をとり、書き出せている方の内容についていくつか質問をしていきました。ここでファシリテーターはコーチング的な関わりを意識しています。

書いてくださっていることを読み上げて承認をしつつ、現在の状況をより具体的にする質問をしたり、事実ベースの内容であればその状況をどのように捉えているかどう感じているかを尋ねていきます。そうすることで、ではどうしたいのか、どうなっているといいと感じているのか、を考えることにつながり To Beを出しやすくなる効果があります。

一般的にどうであるか、正解がどうであるか、だけではなく「自分はどうしたいか」「自分はどうなっている状態だとうれしいと思っているか」をあげてもらうことにも意味があります。そこには自分の動機があるからです。

参加者の方が自分のチームでファシリテートの立場にたったときには「例えば?」「具体的には?」といった質問も使い勝手がよいですよ、というような話もいたしました。

質問も取り混ぜながら参加者のみなさんに「4.アイデアを出し合う」のTo Beまで書き出していただきました。

As IsとTo Beについて

実際にあげられていたものをいくつかご紹介します。

As Is「短い期間でのふりかえりの場がない」

To Be「ふりかえりの期間・目的を決める。短い期間でふりかえりをする」

As Is「良くなかったことばかり出る。自責のコメントが多い。こうしたらいいという意見はあまり出ない」

To Be 「ふりかえりの目的がふりかえることではなく、改善するべきものとして最初に目的を明確にする」

As Is「抽象度が高い。具体的な行動を話せていない」

To Be「抽象から具体でディスカッションできると良い」

今回の勉強会ではそこまでは時間をとれませんでしたが、それぞれのTo Beについて

  • そのために具体的に起こせるアクションは何か?

  • 例えば第一歩目として自分でできることは何があるか?

といったことを質問していくことで、より具体的にTo Beに向かっていくことができます。

チェックアウト

最後のチェックアウトも、チェックイン同様チャットであげてもらう形式をとりました。

ふり返りは案件の終わりだけやるものという概念が変わりました

振り返りの目的をチームメンバーに改めて認識してもらおうと思いました。心理的安全性が上がるチェックインも参考になりました。来週の振り返りに向けてアクションしたいです

理想のふりかえりの雰囲気についてチームメンバーと話してみると良いかもしれないというご意見、大変参考になりました!

個々人の振り返りだけではなく、チーム全体としてよかったことなども振り返ると良さそうだなと思いました。

等のご意見をあげてくださっていました。


以上、コーチング的な関わりを用いたふりかえりの勉強会について内容をご紹介しました。

「ふりかえりのふりかえり」に参加していただくことで、上記でご紹介したような意図も体感していただけたのではと思います。

今後も勉強会を開催することがあると思いますので、その際には是非ご参加ください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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