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スタートアップのCTOを半年やって思うこと


とあるスタートアップのCTOをはじめてそろそろ半年ぐらい経とうとしてます。スタートアップは成長しつづけなれば消える宿命にあります。現在進行形でがんばっているうちに記事を書いてみようと思います。

CTO をやってみようと思うまで

とあるきっかけでフリーになり、そこからは企業でがんばって働くテックリード的な人をサポートする仕事をずっとしていました。

いろいろ提案するけど何を採用するかはそこのテックリードが決めればいい、自分はサポート役というスタンスでやってきました。そんなスタンスで3年ぐらいつづけていました。

調査、勉強して提案するとのが仕事だったので、気がつくと自分が技術採用するならこの技術かな?というピースがたくさんそろっていました。

具体的には、Amplify のようなサーバレス技術、モダンなフロント技術、React Nativeのようなハイブリット開発です。

CTOは技術より覚悟なのではないか?

自分がジョインする前の O: は過渡期にありました。理想としているプロダクトと現実に大きなギャップがあるという状態になっていました。

このままやってもプロダクトが飛躍するビジョンがみえなかったので、製品を本当にやりたいことに絞る、やりたいことを実現できる技術構成に変更する、などの提案をしてみました。好意的にうけとめてもらえたので詳細にブレイクダウンしていきました。

この時はいつもノリで仕事していたので深く考えずに構想を考えていました。ただ一ついつもと違う点がありました。

いろいろあってこの会社にはテックリードがいなかったという点です。
これはちょっと困りました。

検討したが作れず無駄になりました、というのは避けたい、という思いから実現の模索しはじめました。

このときテックリードがいたら全然違う方向に話はすすんでいたでしょう。

当初は知り合いのフリーランスを集めてやろうと思っていたのですが、会社の命運を決めるような開発を柱がいない状態ですすめてうまく着地するイメージが持てませんでした。

いろいろ考えた結果、自分もリスクを背負い、最後までやりきれるようにCTOになりました。

CTOという柄ではなかったのですが十字架を背負わないとサポート役になれた自分にはできなかったので、CTOにしてくださいと自分から逆オファーしました。CTOという職に魅力を感じていたわけでもなく、収入的にはフリーでやっていたほうがよかったです。全く合理的な判断ではないです。

ただ今までサポートしてきた人が背負っていた覚悟を自分が背負ってみようとこの時は思いました。

自分がサポートしてきた人たちは素晴らしい当事者意識と覚悟をもっていました。

CTO とかテックリードというのはそうゆう覚悟と当事者意識がある人がふさわしいのではないかと思います。自分にそうゆう意識が希薄になってきたことにちょっと危機感を感じていたのもあるかもしれません。

技術は時間があって勉強する時間があればみんな詳しくなる、コードもしっかり勉強して書いていればいいコードがかける、と思っています。

ただそれだけでは、みんなをリーディングしていける存在にはなりません。

技術の採用を決断し実際に運用していく覚悟、CTOにはそれが必要だと思います。

CTOらしい最初の仕事はインフラ費用の見直し

そんなこんなでCTOになって開発以外で相談されたのは人件費以外の費用でした。つまりインフラ費用です。

アプリケーションのデザイン、開発ばかりやっていたこともありインフラはひさしぶりでした。

最初サーバの金額をきいたときになんでこんなに高いのだろう?と普通に疑問にもちました。

詳しくないからこそ感じることができる疑問というのは素晴らしいです。

こんなに高いはずがない、抑えれるはずだという前提でコストカットしていきました。実際には思ったより安くならなかったのですが(笑)

最初の仕事のおかげコスト意識に開眼しました。狙ってやったならCEOすごいと思います。

なにはともわれコスト意識の高いCTOが誕生したわけです。

月3万円ぐらいかかっていた Circle CI を無料プランに変更 
github pro をフリープランに変更
旧システムの開発、ステージングサーバの常時起動をやめて使う時だけにする
ec2, ecs などのサーバは安い light sailに変更

ちなみに新しく作ったCo:TEAMは Amplify でコストは20ドルぐらいです。
CI 機能もついてるのでCircleCI も Github Action も不要。毎月かかる費用は30ドル程度です。

スタートアップの即戦力の採用が難しい

フリーランスの時になんで企業は若手社員を雇うのだろう?と普通に疑問に思っていました。即戦力を集めてプロダクトをつくり終えたほうが安くすむし、システムが安定すると思っていました。

これも実際に実践してよくわかりました。

スタートアップの知名度ですでにスキルのある人を社員として採用するのはとても難しいです。そんな勝率が低いなかで採用サイトに掲載したとしても成功報酬や毎月の費用がかかります。

こうなると自分のようなフリーランスに頼らざるえないのですが、即戦力のフリーランスの単価はとても高いです。人材会社を通すことになり、かなりの金額になります。

空きも1~2ヶ月先という人が多く思ったようにはいきませんでした。さらには採用した技術が最先端すぎてフリーランスを視野にいれても即戦力はかなりみつかりずらい状況でした。

そうなると、とれる手段は多くないので、他のスタートアップと同じように育成も視野にいれていかざるえないことがよくわかりました。

あと最初CEOからTwitterでナンパとかしたらどうですか?といわれて最初苦笑いで断ったのですが、結局これもやってます。

CTOは道をひき、エンパワーメントするのが仕事なのではにないか?

若手のエンジニアを育成しながら開発をはじめました。メンバーは、これまでのスキルよりこれからどうなりたいか、ということを最重要して採用しました。

とにかく時間がなかったので育成を効率化するためにジョインする前にによんでおいてほしい情報をまとめました。

けっこうな量ですが、勉強を自主的にこなせるかどうか、というのも採用基準にいれました。

いろいろ準備しましたが、実際はじめてみると、あれもこれも教えないといけない、という状態になり、正直後悔しました。

ただ、これまでにないぐらい本気で人を教育する体験はいろいろ発見ありました。

個人的感覚ですが、即戦力を集めると初動はよいのですが開発が長引けばだんだん指揮が低下していくように思えます。

若手のエンジニアはむしろ長く続けば続くほどのっていくような感じでした。何よりも当事者意識が高いです。

新しいことを覚え実践していくのが楽しいと感じてくれているようです。そういった姿をみてると若手の成長が自分のことのように嬉しく思えます。

いろいろありましたが、数ヶ月たったメンバーはしっかりコードを書いてくれています。若手の可能性をなめていました。

そうやって育ったメンバーをもっと生かしたいと思うようになります。メンバーがモチベーションが保てるように積極的にロードマップをひいていくことをはじめました。

以前からそういったことはやっていたような気がするのですが、自分で採用した人と本気度が違います。

メンバーのポテンシャルが少しでも発揮し、長く仕事ができたらいいなと考えるようになりました。

若手の育成をえて、CTOってメンバーをエンパワーメントする仕事だと考えるようになりました。

試行錯誤ですが仕事を楽しんでもらい、やる気をひきだすことができたらいいと思います。

途中で思うこと

気軽な提案からはじまり、その後もかなり、いきあたりばったりですすんできました。

お手本がないのでこれがあるべき姿なのか未だにわかっていませんが、なんとか形になったきたかなと思います。

たった半年ですが、もう何年もやっているような感覚に陥ってます。それだけ濃い時間を過ごしてきたということでしょうか。

最終的に上場までいけるかはわかりませんが、それでもこの開発体験は今後の自分を楽しくしてくれると思います。

宣伝みたいなのですが、自分があれこれがんばっているプロダクトは下記のものです。

このプロダクトは人のモチベーションにフォーカスしてマネージメント支援するサービスです。このプロダクトのUXは自分がメンバーを支援するなかで進化してきたものでもあります。

よかったらこちらもみてもらえるとうれしいです。

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