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少子化人口減少課題先進地域、北海道。その小規模高校のアプローチは、これから先、日本全国の小・中規模自治体にとってめちゃくちゃ大切な先進事例になりますよねって話。

いつもnoteをご覧いただき、ありがとうございます。
久しぶりに気合入れた記事を作ったので見ていってください!
TOP画像は、冬の北海道追分高等学校です。

今日も今日とて北国の雪の中で生きております、やまだしょうです。めっちゃくちゃ広い雪原にテンションがあがって写真を撮ってます。

妻が撮ってくれた写真。いい笑顔ですね。

10月に移住して、初めての冬にビビっていたのですが、正直愛知より寒さを感じていないです。愛知県は伊吹おろしと呼ばれる、北風が強くて、自転車とかに乗ろうものなら、辛くて辛くてたまらないのですが、北海道安平町はほとんど風が吹かないです。
気温は低いけれど、そもそもそんなに外でないし、建物に入ればどこもぽかぽか暖かい。家につけた小さいFF式ストーブも高火力ですごい勢いで暖まります。そして、壁に灯油の配管があって、灯油は自動供給されます。愛知県時代石油ストーブをつけようと思うと、灯油を買ってくるのも面倒だし、灯油が切れたらそれを入れるのも面倒だしってのがあったのですが、北国はその辺便利になってるんですねー。

北海道に来て、本当に幸福度が上がったなぁと思っておりまして、そんな自分を比較してみた画像をXにポストしてみたら久しぶりに沢山反応をいただきました(笑)
Facebookでは、ベトナム語で昔の髪型のほうが良かったと、ベトナム時代の友達にコメントされました(涙)

はい、ではそろそろ本題。
昨日研修に行った結果、現在地域プロジェクトマネージャーの業務の一つとして北海道安平町でやっている、追分高校の魅力化のお話しを書きたくなったので、それについて発信していきます、お付き合いください。

「少子化人口減少課題先進地域、北海道。その小規模高校のアプローチは、今後日本全国の小・中規模自治体にとってめちゃくちゃ大切な先進事例になりますよねって話。」


小規模高校・自治体ネットワークというグループが立ち上がって、その第一回目のキックオフフォーラムに行ってきた。めっちゃくちゃ楽しかった。

今日は札幌で開催された、Minority Power in Learning(小規模高校・自治体ネットワーク)フォーラムvol.1ってのに行ってきたんだけど、今までとは違う世界観の集まりに行けてめちゃくちゃ楽しかったなぁー 越境感がすんごくあった。 北海道の小規模高校をフィールドにして課題解決してくの楽しいー 追分高校可能性にあふれてる!! 安平町の皆さん、追分高校を最高にしていきましょ

Posted by やまだ しょう on Saturday, January 11, 2025

2025年1月11日(土)に札幌新陽高校という私立学校で開催された、小規模高校・自治体ネットワーク、Minority Power in Learning略してMPLのフォーラムに行ってきました。
参加者はほぼ北海道属性の人たちで、愛知県から来てまだ3カ月くらいの私はちょっとレアで皆さんの興味を引けて嬉しかったです。
あと、「安平町」というキーワードが多くの方に「あの安平町!」というニュアンスで受け止められているのを感じました。これまで安平町でがんばってきた皆さんへのリスペクトがより高まりました。

こちらの団体は参加者も募集しているみたいなので、興味ある方は私まで連絡くださったらつなぎます。

そのMPLで、現在の地域未来留学につながっていくスタートの地である、島根県の隠岐島前高等学校の10年以上に渡る魅力化ストーリーを、現在北海道大学の中村健吾さんから聞きまして、めっちゃくちゃおもしろかったんですね。

さらにこの高校がある海士町は、noteも非常に力を入れていて、元々興味があるなぁと思っていた地域でもあります。

過疎という言葉を始めて使ったのも、島根県ということで、長らく人口減少問題に直面し続けてきた島根県だからこその動きだなぁと思います。
北海道も似たような状況で、これから先どうなるの?というのは真剣に考えて手を打っていかなければならない。
先日参加した安平町で開催された社会教育(社会科教育ではないですよ!)の研修会でも、この安平町のある胆振地区だけでこの3年ほどで9校減ったという事例が出されていました。

そして、その影響をダイレクトに受けるのが、非都市圏の小さな自治体にある、小さな高校です。安平町にある追分高校もまさにその状況なわけです。

愛知県でも、地元にある高校に行くことが「負け組感のあるレッテル貼り」につながっているような現状はあるんだよなぁ。たぶん日本全国であると思う。

小さな自治体の小規模校の事例を、札幌で行われた地学協働コーディネーター研修など、この3カ月くらいいろんなところで聞きました。全体的に共通しているのが、「その町の子がそもそもその町の高校に進学しない」というやつです。

オブラートに包まずかなりとがった表現も含みますが
・あんな高校に行って何になるんだ、目指すところじゃない。
・馬鹿と不良が行く高校だ。
・札幌(あるいはその地域の周辺にある都市圏)の高校を目指しなさい。
的なことを保護者が子どもに言っているという事例も良く聞きます。

ただ、これは北海道だけの話ではなくて、私のふるさとである愛知でもよくあったやつです。名古屋の高校が一番いいっていうやつ。もうそんな時代ではないのですが…。
そして、それは東京の大学が一番いいっていうのにもつながっていく、とっても根深い信仰です。

こういう状況にありながらも、町は町で「高校がなくなると衰退するから困る!」と言っているのもよく聞きます。シンプルにじゃあ町の子がその町の高校に行きたくなれば解決じゃんって話なんですが、それがかなりハードルの高い問題のようで、現在私はここに解くべき問題があるのではないかと思っているわけですね!

課題があるとテンションが上がる男、やまだしょうの本領発揮です!

日本でそこまで評価されたなかったアーティストが、海外のオーディション番組で評価されたら日本でも売れるっていうのありますよね。

とにかく明るい安村さん、いきなり再ブレイクしましたよねー。

2023年に世界的オーディション番組である、イギリス版「ゴッドタレント」に出演したことがきっかけで、日本でも再度多いに報道されるようになってます。

島根県の隠岐島前高等学校の事例を聞いていても、同じ様な構造を感じます。
★島外からの留学者が増える
→島内でも高校がやっていることが認知される
→島内の子の入学希望者も増える
というサイクルがあったようです。
もちろん、その最初の★である「島外からの留学者が増える」という一歩目が大事で、どうすればそれができるんだよってのが各校の悩みではあるのですが、少なくとも「町の子が全然入学しない学校」という現状に対して、「町の子が増えるようにする」というダイレクトアプローチはあんまり効果が無さそうだなぁと思うわけです。それができるなら、それが一番早いんですけどね。

日本全国にある中央信仰というか都市信仰というか、そういったものはもう「あるもの」として認識して、その信じられている常識をうまく使って、逆回転させていくのが町の学校のとれる戦略っぽいなと思っています。確証はありませんが、そこを攻め手にしてやっていきます。

北海道追分高等学校は、来年度地域みらい留学を中止することが決まっているが、それは正しい意思決定だと思う。

ここまでの論理だと、「じゃあ安平町にある追分高校は地域みらい留学に力を入れて都市部から学生を集めていくのか!」となると思うんですが、実は違います。
追分高校は2024年度地域みらい留学のプラットフォームに参加していましたが、2025年度は中止することが決定がされているんですね。

私が、10月に安平町に来た時には、もう地域みらい留学を辞めることは決まっていました。
まずは挑戦した、それはナイスファイト。
でも結果が出なかった、これは現状結果が出ないことが分かったということ。そうやってポジティブにとらえながら、サンクスコスト※に固執することなく撤退の判断ができたのは英断だと思います。

※サンクコスト(sunk cost)とは、事業や行為においてすでに投下した資金や労力などのうち、事業を中止・廃止しても回収が見込めない費用を指します。日本語では「埋没費用」とも呼ばれます。

地域みらい留学は本当に素晴らしい仕組みだし、今後も広がっていくポテンシャルのある取り組みです。現在は145校も参加校があり、環境を変えたい高校生にとって、多様な選択肢を提供できていることも素晴らしいです。

一方で、「選ばれる側の高校」の視点にたてば、145校の中から選んでもらわなければなりません。しかも北海道だけで33校の登録があります。33校もあれば、「憧れの北海道属性」だけで選んでもらえるような状況でもありません。

その中から選ばれる競争力があるならば、そもそももっと周辺地域からも学生が集められるだろうというのが現状ですね。本来は競争力とか、そういったものからは距離を置いていた営みだとは思うのですが、スケールが大きくなってきた中で、現状どうしても競争がはたらいてしまっているというところでしょうか。
今後の状況が変わり、追分高校の情報発信と実践の好サイクルが回っている状態になったら、再度地域みらい留学のプラットフォームで挑戦するというのは良いと思います。
地域みらい留学自体が、今後別の変化や進化をしていく可能性がありますしね。

で、じゃあ今何するの?って話をしていきます。


大きなことを一気に変えるのは難しいので、小さな範囲で、できるところから変えていくと、たぶん将来的に大きな変化を起こせるはず。

ということで実践編です。

 ①情報発信の改善
12月から北海道教育委員会がnoteの公式アカウントの運用を始めまして、北海道立の学校の全てにも、note Pro のアカウントが配付されました。

めちゃくちゃいい動きだなぁと思っておりまして、追分高校もnoteの発信を強化していきましょう!と現場の先生とお話ししております。
その結果追分高校の note は開設後1か月というショートスパンで見た現状では、中々いいところまで作りこめていると思います。

ここから、芋づる式に情報発信を改善していって、「何をしているのかがわかる学校」にしていきたいですね。

②アイデンティティの創発
追分高校の情報発信の改善をするのと同時進行で、その発信する情報の核である、「追分高校とは(我々とは)何なのか」という自己定義をしていかなければなりません。このあたりをこれから現場の先生と一緒に進めていきます。
これができると、広報のキーワードやキービジュアルができてくるので、一気に発信が届きやすくなりますね。楽しみです。
その流れでパンフレットや各種SNSをそのキーに寄せていく形になっていくと思います。

③安平町民との協創
これは地域プロジェクトマネージャーの大切な仕事でもありますから、しっかりやっていきたいです。1月22日に教育タウンミーティングと題して地元追分地区の皆さんと教育についてお話しする機会を教育委員会で作っています。

追分地区のいろんな場所に配って回りました!
皆さんお店に貼ってくれたり置いてくれたりと協力的です!

主な内容は追分地区の義務教育のことにはなると思いますが、こういう機会があるということは、それを今後追分高校に広げていけるという可能性があるということなので非常に良いです。やってる事実があることが価値だと思って続けていきます。

④学校運営協議会
コミュニティスクールとかCSとか言われるやつですね。安平町には早来地区、追分地区、そして追分高校の3つがあります。私はこの全てに参加することができそうなので、これも大切な機会です。
また、近々長野県の大町市立美麻小中学校の視察もさせていただけることになっているので、しっかり地域学校協働本部についても学んできたいです。

⑤総合的な探究の時間を核としたカリキュラム作り
追分高校は元々選択授業をカリキュラムの中に大胆に位置付けていて、3年生の授業の半分が選択授業という形をとっています。これは「生徒が自分の興味関心にそって授業を選べる」という文化が位置づいているということです。総合的な探究の時間もそういった生徒の主体性や自発性がものすごーーーく大切なので、探究が核として位置づいていく土壌はあると思っています。
町としても、支援を強化していくために専門員の募集を行い、より追分高校との連携を強化しようという動きがあります。

⑥地理的な変化
安平町の西側のお隣、千歳市にはラピダスという超巨大プロジェクトが動いていて、今後千歳市に半導体関係の労働者が急増する見込みがあります。

さらに安平町の南側のお隣、苫小牧市にはソフトバンクのデータセンターが作られる予定です。

こういった大都市圏が二つも隣接している安平町は、道外募集の前に打てる手がたくさんあります。今後この二つの大プロジェクトによる千歳苫小牧付近への移住は増えるでしょうから、このポジティブな変化の波にうまく乗って、都市圏信仰の逆回転を目指すことが、具体的な戦術になります。つまり、千歳苫小牧で色々活動してみることが必要です。

こういういろんなことをピュアに、大胆に発していくことが、越境者としての自分の役割のような気がしている。

北海道安平町に来て、郷に入っては郷に従え的なスタンスはしっかりともちつつも、同時に「これって何でですか?」というピュアな問いは大切にして伝えていきたいなと感じています。
そして、全く人脈も無いところに飛び込んでいるので、私の後ろにはどこかとの利害関係とか、どこかの代弁者という文脈が無いので、いろんな人にフラットに受け止めてもらえているというのも強みです。

多くの人が、変化の必要性をひしひしと感じています。それにもかかわらずどうすれば変化できるのか、どういう変化が望ましい方向性なのかということがわからず、リスクをとることができずにいます。
本来は現状リスクをとらないことがリスクです。そしてそれを継続すれば消滅することは目に見えているので、リスクとって失敗しても、プラスマイナスゼロなはずなんです。成功するまで続ければ成功します。どれだけ失敗しても、景品が倒れるまで打ち続けてもいい縁日の射的のようなものです。だったら弾を打ちながら考えるしかありません。

学校教育という専門性、学校広報を担ってきたという実務力、外国で生活してきたという環境適応力、いろんな場所を渡り歩いてきた人脈、全てを活かします。
この少子化人口減少という課題先進地域で、課題解決をしていきたいと、強く心に思った2025年1月のフォーラムでした。

さぁ、やっていきましょう。


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