2018年1月~:国際結婚は、予想もしない面白いイベントが、突発的に日々の中に起こってくるので楽しい
外国人と結婚するということは、いろんな気づきがあります。
私たち夫婦はベトナムで結婚したので、私が外国人という立場でした。手続きがめちゃくちゃ大変で、しかも文章は全てベトナム語なので、サポートすることもできず、ただずっと座って、指定されたところにローマ字でサインをしていました。
一方でベトナムでの結婚が成立すると、今度は在ベトナム日本国大使館にいって結婚したことを報告する必要がありました。これも、外務省のホームページを見ながらひとつひとつ見慣れない書類と格闘して突破しました。息子がベトナムの病院で生まれたときも、出生届を大使館に出さねばならず、とても苦労しました。
私たち夫婦はベトナムで結婚したので、夫婦別姓で結婚が成立しています。私の苗字は山田ですが、妻の苗字はLEです。息子の苗字は山田で、ベトナム名のパスポートには、それぞれ LE と CHE のミドルネームが入っています。日本の戸籍や住民票でも、妻の名前はアルファベット表記で、別姓です。この日々をすごしながら、日本の夫婦別姓議論を見ていると、不思議な感覚になります。
日本の市役所で、この息子のパスポートを5年のタイミングで更新するときがあったのですが、ベトナム表記のためにミドルネームを入れるというだけでずいぶんすったもんだしました。結局は私たちの言っていることが正しかったのですが、無駄に3時間くらいかかりました。
また、妻に聞くと「私は本当は山田になりたかった」と言っています。理由は「なんか、かっこいい感じがする」からだそうです。たぶん我々が「スミス しょう」とか「しょう ハサウェイ」とかが、なんか聞き馴染みがある外国感があってかっこいいと思うのと似た感じかもしれません。「ブルゾン ちえみ」的な感じです。知らんけど。
妻とすごしていると面白いことが沢山おきます。
ベトナムで生活していたころ「しょうさんが飲んだプロテインの空容器がもったいないから、私はキムチを作ってみる」といきなり言いだし、どこからともなく大量の唐辛子を調達し、キムチを作ったことがありました。結果は容赦ない強烈な辛さで口に入れると身の危険を感じる刺激物が爆誕し、結局容器ごとさよならすることになりました。とにかく自分で作れそうなものは一回作ってみるというチャレンジ精神があります。
瀬戸川を散歩していたら、大量のミシシッピアカミミガメが甲羅を干すために、石の上で日向ぼっこをしていました。「あの亀を捕まえて食べたいから100均にいって網を買おう」と言い出しました。日本では勝手に動物を捕まえて食べると、たぶん何かの犯罪になるし、どんな病気をもっているかわからないからやめようというと、「だからあんなに鳩が多いんだね、ベトナムだったら食べるのに」と納得していました。人間以外の全ての生き物は、基本食べられるでしょというおおらかさがあります。
ディズニーランドに行ってみようと誘っているのに、最初私は別に行きたくないと全然乗り気ではありませんでした。こんなに旅行が好きなのに不思議だなぁと思いながらも、私が行きたいのでとにかく一回行こうと連れて行ったら感動してくれました。そのとき言った言葉が「なんでしょうさんが、子ども向けのネズミがそんなに好きかわからなかったけど、ここにきて意味がわかった」と言いました。妻にとってミッキーマウスは純粋に「ネズミ」だったのです。確かにね、マウスだし。
子どもが生まれて、乳幼児のとき、外に出る際は必ずニンニクと果物ナイフをもち、口紅で息子の額に赤い印をつけて出ました。「小さいときはお化けに狙われやすいから、気を付けたほうがいいよ」と教えてくれました。それがどのタイミングで持たなくてよくなるのかは2人子どもを育てましたが結局今もわからずじまいです。いつのまにか息子も赤い印をつけられなくなっていました。
家電を買うと、そのときの便利さを表す表現が「私が子どものころは、洗濯といったら水をくむところから大変だった」というスケールの体験談がでてきます。日本で言うと戦前を生きたおばあちゃんの体験談を聞いている感覚になります。ネットフリックスを見たときの感想が、村で一番お金持ちの家に、村に一台のテレビと、村に一台のビデオがあって、ビデオのうち子どもむけのものがなぜか日本の戦隊もので、「子どものときはずっと友達とそれを見たのだけど、私はレッドをやりたかったのに女だからずっとピンクをやらされて嫌だった。今はいつでも好きなときにこれが見れるのか」という体験談でした。
お金の概念も独特で、妻は「とにかく土地か金(ゴールド)」という方針です。まぁこれはベトナムにいったときに、銀行の定期預金の金利が5%とかつく世界観をみてきたので、毎年そのレベルでインフレが起きて通貨価値が相対的に下がっていく世界に住む人々にとっては正しい感覚なのかなぁと思います。日本では「土地と金が上がり続ける」を前提とした意思決定はちょっと危ないので、ベトナムのお金の管理は妻に任せて、日本のお金の管理は私が行っています。
このように、狙って起こせない価値観の相違が、突然ひょこっと日常生活に表れてくるのが、めっちゃくちゃ面白いです。
なるほどなーそうやって認識しているのかということがわかると、いろんな人がいるよねと、多様性を認められるようになります。きっと妻も私を見ながら「不思議だなー」と思っていることが多いと思います。
これからも、日々驚きながら楽しくすごしていきたいものです。
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