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noouchi
産qレース 第五話
まさえは、常時3名程度の男性と連絡を取り合っていた。でも、どの男性とも知り合い以上恋人未満だ。
まさえの家は両親が教師で厳格な家に育った。両親とも仲がよく、家族も円満そのものだった。
小さい頃から、夢はお嫁さんで、それもお姫様のようなお嫁さんを夢見ていた。そのため、先生と呼ばれる職業やエリート公務員を狙っていた。また、まさえはバレー部のエースだったこともあり、170センチを超える身長は長所でもあり、コンプレックスであった。長身のエリートで、家庭円満にできる能力をもつ男性との出会いを求め続けていた。
最近のまさえのコレクションに、織田がいた。織田は、同じ職場の医者だ。以前、短い期間にリハビリで研修を行い、まさえと知り合った。
織田は、内科医で背が高い。それ以外は、イケメンでもなければ、口を開けばネガティブなのに、態度も横柄で、他者への配慮のなさや言葉の端々に心の醜さや狭さが垣間見れる。研修医をおえてからは、看護師を怒鳴りつけて泣かしたり、評判いい医者ではない。
その上、家庭環境があまり良くないのも、まさえがいまいち一歩を踏み込めない理由でもあった。
織田と食事をしている時、
「リハビリ部門に、最近かわいい子が入職したって聞いたんだけど、本当?みんなで飲んだりできないかな?」
まさえは織田の発言に興ざめした。同じの職場でなければ、顔も合わせたくない。しかし、邪険にできない以上は、織田の人脈に期待するのも悪くないと思った。
「明智さんかなぁ〜あんまり話したことないけど、今度みんなで飲みましょうか。」
まさえは、心の中で織田に別れを告げた。