『アート共存思考』の可能性
これは、ごく普通の中学生が「人が生きやすい社会を子どもたちに残したい!」と考え、23年かかってやっと『アート共存思考』の可能性にたどり着いた話です。
(※『アート共存思考』とは「アート思考」と「共存」をかけあわせた私の造語です。)
はじまりは新しい家族の誕生
私が小学校6年生のときに新しい家族が産まれました。
その日から、家の中がパアッと明るくなったのを覚えています。
まるで私の世界を照らすスポットライトが、急に増えたかのようでした。
私の中学生時代は、常にこの新しい家族の成長とともにあり、「家族が大切」だけでは言い表せられないような、「どうしてもどうしても幸せでいてほしい」と誰かを思う気持ちも覚えました。
(本人がこれを見たらゾッとすることでしょう。笑)
そんな時期だったからこそ、偶然テレビで流れた「児童虐待のニュース」に、当時13歳の私は心臓をギッと握られたようなショック受けます。
悲しいニュースが「自分ごと」になった瞬間でした。
「なんとかしたい……」
このショックがきっかけとなり、私の「人が生きやすい社会を子どもたちに残す方法」を探求する旅がはじまります。
23年の探求と、やっと出会った『アート思考』
世界中にはひとの幸せを願う方々がたくさんいて、活動の対象も内容もさまざまです。
その中でも私は、人の一生に間接的に影響する「文化」や「社会体制」などの「マクロシステム」に強い関心を持つようになりました。
この図は発達心理学者・ブロンフェンブレンナーが提唱する「生態学的システム論」をもとに私が図にしたもので、さまざまな環境と作用して人の発達に影響することを表しています。
「マクロシステム」は、文化や子ども観など教科書に記載される内容にも影響を与えるシステムです。(※個人の解釈です)
……とはいっても、じゃあ何をどうしたいのか、見つかりそうで見つからないまま手探りを続けていたとき、たまたま参加したセミナーで「これだ!!」と感激する1冊の本と巡り合います。
それが、末永 幸歩さんの『13歳からのアート思考』でした。
『アート思考』とは、自分らしさのみなもと**
『アート思考』とは、ざっくりいうと自分の中にある興味をもとに、自分なりの探求を続けるプロセスのことです。
本の中で末永さんは「アート」を植物に例えています。
「アートという植物」は、「表現の花」「興味のタネ」「探求の根」の3つからできています。(途中略)単純化していえば、アート思考というのは、アートという植物のうちの地中部分、つまり「興味のタネ」から「探求の根」にあたります。
『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』より
https://www.amazon.co.jp/dp/4478109184/
『アート思考』では自分だけの視点で世界をみることが重要です。
自分だけの視点と思考、つまり自分らしさのみなもとと言えます。
(本の中では、ピカソなどの具体的なケースも紹介されていますので、お読みいただくと「なんてアートっておもしろいんだろう!もっと早く知りたかっった!」と感激されると思います。)
また、末永さんは『アート思考』は画家などの芸術家に限ったことではなく、すべての人がアーティストとして生きることができると語られてます。
私はそこに『アート思考』の面白さを感じています。
ここからは私の解釈になりますが、例えば、「赤ちゃんと納豆の出会い」。
はじめての触感に、両手をパチパチと合わせてみたり、机の上でネバネバを広げてみたりするのも、『アート思考』の探求かもしれません。
(想像するだけでOh……という感じですが……)
そして、私自身が中学生のときに「人が生きやすい社会」に興味を持ち、自分なりに探求を続けていることも、『アート思考』だといえるはずです。
(まさに『13歳からのアート思考』!)
さらには、「仕事」でも取り入れられます。
固定概念をとっぱらって「自分が何がしたいのか」から「独自の課題・問い」が生まれます。
画家などの芸術家でなくとも、私たちは自分の人生、仕事でアーティストとして生きていけるということです。
なぜ『アート“共存”思考』なのか
では、なぜ私が『アート“共存”思考』という言葉を使うかというと、私たちは皆、違う世界の見方、探求、花を咲かせる人の集まりだからです。
家庭の中、教育機関、会社、仕事のプロジェクト……人が集まれば「違い」があります。
しかし、自分とは違う他者を理解することは、とても難しいことです。
でも、自分の「らしさ」や「違い」にフォーカスしたとき、同時に「他者との共存」を意識し合えたら、きっと生きやすい社会になるのではないでしょうか。
「これが自分らしさだから」とお互いがお互いに好き放題するのではなく、共存し合える心地よいバランスを試行錯誤できる環境が増えたら……。
すぐにうまくはいかなくても、自分のらしさを尊重してくれるまなざしを浴びて生きていくことは、きっと人生に、社会に、ポジティブな影響を与えると信じています。
そんな願いから、私は『アート“共存”思考』という言葉を選びました。
『アート“共存”思考』を広げたい
私は、この『アート共存思考』を広めることで、人が生きやすい社会を子どもたちに残せる可能性があると思っています。
人が自分らしさを感じ、自分の人生のアーティストとなり、社会をつくれる……そんな社会はきっと生きやすいはず。
そして何より、ピカソが「子どもは誰でも芸術家だ」と言ったように、子どもは『アート思考』の天才です。
この思考が広まることで、マクロシステムに影響し、「子どもたちの置かれている環境」に目を向ける人が増えることを願っています。
私も、まだまだ旅の途中。
このnoteを通じて、これからも探求の旅を続けたいと思います。
感謝
素晴らしい気づきを与えてくださった末永 幸歩さんに心から感謝します。
(直接引用の許可もいただきました。本当にありがとうございます。)
ひとりでも多くの方が手にとって読んでいただけますように。