読書記録① FACTFULLNESS
就活が終わり時間に余裕ができて、ひたすらインプットしている毎日だけど、どうやらアウトプットが大事らしいので、読んだ本の記録をつけていくことにした。レポート以外の文章を書くのは苦手だけど、練習だと思って続けたい。
本の概要
世界中のいわゆる「エリート」と呼ばれる人たちが、世界の今、そしてこれからにまつわるクイズをチンパンジー(当てずっぽう、単純な確率の例え)よりも間違えてしまう。つまり、世界を正しく見ることができていない。その理由を10の本能として紹介し、これらの本能を抑えるためにわたしたちはどうすべきか、を教えてくれる本。
全体を通して著者の多彩なエピソードとたくさんのデータが織り交ぜられているが、著者の多彩なエピソードは「著者がどれだけ世界をわかっていなかったか、本能に支配されていたか」を示し、たくさんのデータは「私たち読者がどれだけ世界をわかっていないか、本能に支配されているか」を教えてくれる。
忘れたくないこと
どの本能も思い当たるふしばかりだったけど、特に印象に残った話を3つ。
1つ目は、「平均の比較」に注意しようという話。
平均値が極端な外れ値に影響されることはよく知られているけど、これは「それって本当にそんなに差があるの?」というもの。
男女の数学の平均点には差があり、「男性の方が女性より数学ができる」というのは一般的な認識だ。しかし、得点の分布図を見てみると、8割、いや9割は被っている。つまり、「男性の方が数学ができる人が少し多く、女性の方が数学が苦手な人が少し多い」。それだけ。大半の男女の数学の出来は同じくらいだった。確かに平均はあくまでも平均で、男性の中にも数学が苦手な人はいて、女性の中にも数学が得意な人がいることくらいわかってる。それでも、なぜか私は、男女の数学の出来には差があると思い込んでいた。まさに分断本能。
2つ目は、日本でもたびたび話題になる「男らしさ信仰」の話。
男尊女卑だとか、亭主関白だとか、いろいろ主張はあるけれど、いつまでたってもなくならないこの風潮。これは「日本の昔ながらの文化」(家父長制だとか、一歩下がって着いてくる感じだとか)の名残で、だから日本は「男らしさ信仰」から抜け出せないんだろう、スウェーデンみたいな国は文化が違うんだろうと思い込んでいた。しかし、スウェーデンも昔は違った。一昔、二昔前の世代、たとえば著者の祖父は絶対に洗濯などやらない人で、祖母が家族全員分を手洗いしていたらしい。いわゆる「頑固おやじ」だ。ただ、スウェーデンは所得の増加に伴い変わった。日本だって、言われてみれば今の同世代では価値観が変わってきていると感じる場面は多々ある。それでも、私はこの価値観はなくならないと思い込んでいた。これが、宿命本能を語るエピソードで最も印象に残った話。
3つ目は、「犯人捜し本能」の話。
これはとてもシンプルで、犯人を捜したところで問題の解決にはならないよという話。割と一般的な話ではあるけれど、適用する場面がイメージしやすいからか印象に残っている。問題が起こったときに探すのは、「犯人」ではなく「原因」。たとえ誰かのミスで起こった問題だとしても、考えるべきは「その人がなぜそのミスを起こしてしまったか」だ。
Todo
上で挙げた話以外にも、10個の本能全部に普段の自分が重なる部分があった。それらが本能のせいであると知ることは大事だし、本能をどう抑えるべきかという対処法も実践していきたいものが多くあったけど、まずは「自分がどれだけ間違っているかを知り、謙虚になる大切さを認識すること」が、世界を正しく見るための第一歩なんだと思う。対処法たくさんあって、全部覚えることは難しいから、とりあえずこれだけは忘れないよう心に刻みたい。そして、自分の間違いに気づいたときに、間違いを引き起こした本能への対処法を参照していくことで、正しい世界の見方を身につけていきたい。
「自分がどれだけ間違っているかを知り、
謙虚になる大切さを認識すること」
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