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【 meets dot|vol.1 】 アイディアがあるなら、じゃぁ自分でやっちゃおう。個人で始めたトータルマーケティング|前編

既存概念に捉われない新しい「何か」を生み出していくことをコンセプトに始まった【dot project】

見たことがない「何か」を見つけるために、いろんな人と会って話し、そして共有する。そんなインタビューシリーズ【 meets dot 】

vol.1 の今回のお相手はキムゲリータさん。
企業に属してデザイナーとして仕事をしながら、ウェブメディアを立ち上げ、それがいま注目を浴びているとウワサを耳に。その目的と考え方を聞きに行ってきました。
聞き手は株式会社シー・エヌ・エス、クリエイティブディレクターの竹内です。


キムゲリータさんが運営するメディア「美味しい冷凍ピザ」



5年くらい前から「巣ごもり需要」が絶対くる。と。


竹内
「冷凍ピザ専門のレビューメディア」を立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

キムゲリータ
いまも勤めている会社が、5〜6年くらい前から働き方改革の一環でリモートワークとかテレワークの導入を始めたんですよね。トライアルではあったものの、コロナになる2〜3年前からだったのでだいぶ早かったんです。
いまでこそ当たり前だけど、当時先駆けて家で仕事をするということをやり始めていて。
僕自身は外に出たい派ではあるんですけど、できれば通勤したくないとか、できれば家にいたいという人もいっぱいいるじゃないですか。その人たちがリモートワークとかテレワークとかで「家で働ける」という状況になったら、絶対家から出ないだろうな。と思ったんですよね。
「巣ごもり」ってコロナ禍のいまでこそ言われてますけど、5年くらい前から「巣ごもり需要」って絶対くるな。と。
ということは、保存が利く食品やUber Eatsのような宅配のビジネスのニーズは今後くるだろうなって、ぼんやりですけど考えていたんですよね。

左:CNS Inc. 竹内  右:キムゲリータさん

竹内
早い段階から巣ごもり需要を感じていた。ではそこからなぜ冷凍ピザになっていったんでしょう?

キムゲリータ
当時は冷凍ピザってスーパーの冷凍コーナーで、夜食とか子どものおやつくらいしかなかったんですよね。そんな中、通販で先駆けて森山ナポリというお店が冷凍ピザの懐念を覆すような美味しい冷凍ピザの通販事業をいち早く始めたんです。

これを食べたときにめっちゃ美味しいって思って。冷凍ピザって今でこそいっぱいあるんですけど、当時は「お店のクオリティじゃん」みたいな(笑

これだったら外出しなくてもいい、誰かと余計なコミュニケーションとらなくていい、ひとりひっそりと好きなようにピザを食べられるって感じがすごくいいじゃんと思って。それでガチレビューを始めたんです。
そこから1年ちょっとでコロナ禍になって、そこから冷凍ピザの商品がめっちゃ増えて。まず緊急事態宣言があって外食産業がダメージをうけて、ピッツェリアも例外じゃなくお店が営業できなくなってしまう。

また、今の冷凍技術がすごくて、窯で焼いたものをそのまま業務用の瞬間冷凍に入れると15〜20分で旨味を損なわずに固められる技術があるんですよね。冷凍なので食中毒とかの心配もない。それで普通のピッツェリアだったお店が冷凍産業にどっと流れてきて、今は食べ切れないほど世の中に存在していますね。

竹内
まだ世の中に数が少ない時に冷凍ピザをやろうと思ったのは?

キムゲリータ
ピザってお店で食べたら高いじゃないですか。安かったんですよ単純に(笑
800円くらい。別の店では最安290円の冷凍ピザを通販してたんですよね。
あと、ピザってだいたい丸くて上に乗ってるやつが違うじゃないですか。単純にそれがバーっと並んだら綺麗だな、インパクトがあるなと思ったんです。

竹内
そのあたりはデザイナー的な視点ですね。

キムゲリータ
そうですね。それで食材は決まった感じがしますね。
それに応えられるほどの冷凍ピザが市場になかったけど、今はめちゃくちゃ出てきてネタには困らない。ピザって奥が深くて定番のメニューも数多くあるんですけど、例えばマルゲリータだったらモッツァレラチーズとトマトとバジルなんですけど、そうじゃなくてお店独自のオリジナルのメニューなんかもあって、無限に近い感じでできる。育てていくメディアとしてとても面白いんじゃないかなって思ったんです。

無限に近い冷凍ピザのバリエーション




レビューは本当にガチで。ダメなところはダメって。


竹内
レビューメディアとしてのこだわりを教えてもらってよいですか?

キムゲリータ
冷凍ピザって基本は通販なのですが、通販ってネットの情報を見ますよね?でもめちゃくちゃ胡散臭いレビューばっかりなんですよね。ここって美味しくないのにみんな1位にあげてるなって思うやつとかあるんです。
僕も始めた時にやたらオススメされてるけど食べたら別にっていうのもあるんですよね。そういう情報が山ほどあるネット上において、ここを見れば美味しいのかわかるみたいなメディアを作ることで、そういう形でも社会貢献できるかなと思ったんです。

竹内
ソーシャルグッド的な視点もあったんですね。

キムゲリータ
ありますね。本音で語るって言うところがメディアとしては1番大事にしているところですね。
かなり前の話になるんですけど、今勤めている会社でガジェットのEC通販を立ち上げるプロジェクトがありまして、iPhone 4か5が発売した時くらい。今でこそiPhoneのケースにバッテリーがついてるといった商品って珍しくないですけど当時はとても珍しい時代で。その立ち上げに僕がジョインしたんです。

普通のECサイトは商品スペックが並んでて購入ボタンがあって。という形なんですけど、そのサイトは、レビュアーさんが使ってあれこれ書いたレビューが商品ページにそのまま入っている。そんな、レビューメディアとECサイトが合体したようなサイトの立ち上げに関わったことがあって。その時に初めてインターネット上の商品レビューみたいなものに触れました。
当時そのレビューECサイトを立ち上げる時に大切にしていたのが、レビューは本当にガチで。ダメなところはダメって切って捨てるような。こことここはダメだけど、でもこういうところには使えますよねってまとめると購入されるんじゃないか。と言う仮説のもとにそれを重要視してやっていて、その時の経験とポリシーみたいなものが今の冷凍ピザのメディアにも生きています。

冷凍ピザ専門レビューメディア「美味しい冷凍ピザ」
冷凍ピザ専門レビューメディア「美味しい冷凍ピザ」




ネタで勝負。尖らせて尖らせて尖らせる。


竹内
始めた当時すでにインスタとかはありましたよね?インフルエンサーなどの影響も強くなってきた流れで「個人のメディア化」みたいなことが叫ばれ出したと思うのですが、そこでSNSではなく「ウェブメディア」を立ち上げた理由は?

キムゲリータ
SNSだと、インスタの場合は写真がバーって並んでて、詳細を見るって言うより写真を楽しむものですよね。
あと、すでに似たようなピザアカウントめっちゃあったんですよね。お店で食べたピザを撮って載せるみたいなアカウントが。そうすると区別がつきづらい、差別化がしづらい。
Twitterは単純に情報がガンガン流れていっちゃうんで、やっぱりメディア形式で1記事1商品でまとめていって、情報資産として総合的な冷凍ピザのデータベースみたいな形が理想だと思ったんですよね。
SNSはメディアに来てもらうきっかけとして使うけど、でも基盤はサイトメディアに置いておきたいなっていうところからサイトを構築しました。

竹内
例えばTwitterであれば拡散の可能性も高いじゃないですか?
でも独自で始めると知ってもらえる可能性が低い。そこはどう考えていますか?

キムゲリータ
そこはネタで勝負なところで。尖らせて尖らせて尖らせる。みたいな。

竹内
広告とかコピーの考え方と一緒ですね!

キムゲリータ
まさにその通りで。広告とかマーケティングとかと一緒で、もの珍しくて他で見たことなければ、見つけてくれた人がそこに食いつくだろうって発想です。
だから“あえて”もそうだし“必然的”に冷凍ピザがそこにあったというか、冷凍の需要伸びるような〜引きこもりの需要伸びるよな〜バーッと並んだ感じかっこよさそうだな〜という発想で、ピザはピザでも「冷凍」に特化させた。ほんと広告の考え方と一緒でしたね。

尖らせることで差別化をはかる




続く後編では、スキルのとらえ方と個人でやることへのこだわりについて深掘りします。

後編はこちら



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