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本州縦断3100kmの挑戦で出会ったあたたかな人々(東京都世田谷区)

2023年、観測史上最も暑い夏に、私は本州を縦断(下関から青森を往復)する3100kmフットレースに挑戦していました。制限時間は1500時間、62.5日間の長い旅路です。真夏の灼熱の中、私の体力は限界に達していました。気温は38℃、路面温度は53℃にまで上昇し、足元の靴底が焦げる音がするほどでした。そんな中、干からびたミミズや野生動物の死骸が目に映り、命の危険と隣り合わせの状況でした。

伴走してくれていた友人も、熱中症で倒れ、緊急搬送されてしまいました。それ以来、私は一人で背負ったリュックと共に、ゴールを目指すことにしたのです。

灼熱地獄の中での危機

道中、様々な自然の脅威に襲われました。青森での折り返し後、秋田県の洪水の中90kmを走り抜け、富山では土砂崩れを避けて山道を進み、ついには兵庫で歩けなくなるほどの肉体の損傷を経験しました。そして、ついに3000kmを突破した島根で、事件が起こりました。

あと100kmでゴールという東津和野に差し掛かった時、私は脱水症状に陥りました。頭はガンガンと痛み、めまいがし、手足は痙攣を起こし、倒れ込んでしまいました。そんな中、現れたのは、このレースの日本チャンピオンでした。

チャンピオンからの救いの手

彼は私の様子を見て、すぐに熱中症だと判断。冷水を飲ませ、体温を下げるためにアイスを渡してくれましたが、手が震えて持つことができません。それでも、彼は私の意志を尊重し、「あと少しだから」と具体的な励ましで私を支えました。彼の「おせっかい」がなければ、私はこのレースを続けることすらできなかったかもしれません。

支えられたからこそ走れた

2日後、私は無事に下関へとゴールしました。1397時間をかけて、女子史上初の3100kmフットレース完走を果たしました。振り返れば、道中でいただいた多くの「おせっかい」にどれだけ助けられたことか。

おにぎりやお茶を差し出してくれた見知らぬ人々。ちょっと涼んでいけと言ってくれた方々。その温かな「おせっかい」が、私を前へ進ませてくれたのです。

「走った」のではなく「走らせていただいた」という気持ちに気づいた時、涙が止まりませんでした。

今後、私も誰かにこの恩返しができるよう、「おせっかい」という形で人々に力を与えていきたいと、心から思っています。


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