マーケティングチームとBizOpsのシナジーの作り方
こんにちは!DIGGLE株式会社、BizOpsの中山です。
今回は入社から半年間の振り返りとして『マーケティングチームとBizOpsのシナジーの作り方』について書いていきたいと思います。
私はDIGGLEに入社以来、「マーケティングチームに所属するBizOps」という立ち位置でした。BizOps界隈ではあまり聞かないですし、「マーケ組織の中にいる、マーケター以外の存在」というのは、そもそもわりと珍しいのではないでしょうか。
「マーケチームと密にコミュニケーションを取りたいが、マーケの経験がない(から、どうもうまくいかない)」や、逆に「マーケ業務しか経験がないが、他のチームともっと連携を深くしたい(けどなかなか難しい)」というのは、どの組織でも起きやすいお悩みかと思います。私のこの半年の経験が、これらに向き合うための何らかのヒントになれたらいいな…と願いながら、以下3つのポイントにまとめてみます。
Point 1:業務解像度の向上
まずは当然も当然のことですが、BizOpsがマーケティングチームに深く入り込むことで、マーケティング業務の全体像をより深く理解できるようになります。
専門用語(インプレッション、CTR、CPM…)やフレームワークなどが「知識として頭に入っている」ことと、「誰が、どのタイミングで、何を使っているのかまで知っている」のとでは、コミュニケーションの取りやすさが格段に変わりました。
さらに、マーケチームが目標として追っている数字の裏に、どんな工数がかかっていて、どんな苦労があるかを目の当たりにすることで、元々はセールス畑にいた私でも、マーケチームのやりがいや苦労を腹落ちさせることができたのは、個人的に貴重な収穫だったと思っています。(オペレーション構築上必要な要素であるのはもちろんのこと、ささいなことですが、「この業務の〇〇って、しんどくないですか?」と能動的に聞けるかどうかは、信頼関係構築において大事だと考えているので。)
一方、マーケチーム視点で考えると、BizOpsは「忌憚のない意見を言いやすい存在」になると思います。マーケチームと連携する筆頭といえばセールスチームですが、目標の性質上、どうしても摩擦が起きやすくなる一方で、「マーケチームの業務に理解がありながら、全体最適を目指しているBizOps」という存在は、「信頼できるバランサー」の役割を担うことができます。(現状はまだ、「そうなれることを目指している」段階ですが…!)
結局、マーケチームもセールスチームも目指すのは売上最大化でありつつ、社内調整のコストは極力減らしたいですし、「どちらのチームのパフォーマンスも最大化すること」がBizOpsの目指すところ&取れる手段なので、Win-Win-Winが達成できる構図を作ることができます。
ただ、BizOpsの知識や理解がセールス業務に偏っていたなら、このバランスは形骸化してしまいます。なので、BizOpsという名称・役割でなくとも「マーケ業務への解像度が一定担保されていて、コミュニケーションが取りやすい存在」を探す or 短期留学方式(所属が難しい場合は兼務など)を取り入れながら人材育成を行うことが、組織間の衝突解消の糸口になるかもしれません。
Point 2:データ整備効率化
マーケティング領域では、オンライン施策の発展や施策数の増加に伴い、データが加速度的に複雑化していきます。手あたり次第にやればいいというものではないですが、スピード感をもって新しい施策を始めることは重要ですし、その施策で得られる各種データは言うまでもなく自社の財産です。
そんな環境下で、BizOpsがマーケチームの中に入り、MA・CRMの情報連携を設計することには、以下の価値があると感じました。
・CRM情報の精度向上:BizOpsがデータ設計を理解することで、顧客データの一貫性が保たれ、信頼性が向上する
・CRM設計の合理化:マーケティングデータの性質を理解している、かつ、後続のセールス視点もフラットに考慮できるBizOpsが議論に加わることで、たとえば「項目(プロパティ)を増やすかどうか?」などの判断が合理的かつ迅速に行える
・他データとの接続性向上:セールスやカスタマーサクセスといった、ビジネスプロセスが進んだ先にあるデータとスムーズに接続することで、マーケティング施策の効果検証がしやすい環境を整えられる
マーケティング業務・データについての理解が弱かったり、施策のスケジュールがわかっていないと、突発的なデータ流入に耐えられず、せっかくの財産価値を棄損してしまいます。toB領域、特に、いわゆるエンタープライズと呼ばれる規模の企業に対してアプローチをするケースにおいては、マーケ施策の結果得ることができた一人のキーマンのデータが運命を大きく左右することもありえます。仮に、なんらかのデータの処理誤りがあって、ターゲット企業にキーマンの情報が正しく紐づいていなかったら……考えるだけで涙が出ますね。
くやしいことに、私の力不足で、まだ現時点ではすべてをやり切れてはいないのですが、マーケティング活動をよりデータドリブンに運営し、成果を最大限活用できるようにするため、今後も注力していく所存です。
Point 3:全社横断施策の運営
私は自社の一人目のBizOpsでありながら、BizOpsという肩書きで仕事をするのは人生ではじめての挑戦です。なので、「ミッションの一つではあるけれど、入社してすぐに、自分ひとりの力で全社横断の施策を立ち上げ・推進することは結構難しいだろうな……」と入社前は漠然と想像していました。
しかしながら、マーケチームに配属になったことで、カンファレンスや展示会など、会社全体のリソースを活用するイベント施策(=組織間連携を強化する絶好の機会)の事務局側の業務に携われることになりました。マーケチームと一体になって機能し、組織をまたいだ横のコミュニケーションの活発化を企図して動くことで、私自身が各組織のメンバーと広く接点を持てたのはもちろん、全社を巻き込む時に必要なタスクや留意点の理解を一気に深めることができました。
ここで得た知見は、今後の全社横断施策の推進に役立てていくことができますし、私がその動きを加速することで、今度はマーケチームにとって、BizOpsを「組織間調整のリソース」として頼れる存在としてもらえる……そんな関係を実現していきたいと思っていますし、この点も、互いのWin-Winが実現できる要素だと思っています。
こうして振り返ってみると、入社半年間でとても濃密な経験をさせていただいた一方で、もっとやりたいこと・やり切りたいことはたくさんあるのが現状です。「シナジーの作り方」というタイトルの記事ながら、まだまだ道半ばだということも自覚しています。が、それでも、マーケチームとBizOpsの密な連携が、新しい価値を生み出す起点になると確信を抱くことができた半年間でした。
引き続き、このシナジー最大化を目指して、来年ももっと頑張っていきたいと思います!
お読みいただきありがとうございました。
次回、アドベントカレンダー16日目の投稿は、小田峻さんです。お楽しみに!