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関係性はグラデーション
面白いつぶやきを見た。
自分は結婚に驚くほど興味がない人間であるのだが,人間関係には多少興味がある。
人間関係は個性の反映?
人間関係を見るとその人の人となりが分かる,と誰かが言っていた。この言葉はある意味間違っていないだろう。
逆に言えばその人の性格や能力,ペースや言葉遣いを見ると周りの人間がどんな人か想像してしまうのが人間の性なのだろう。
しかしこのつぶやきにある通り,周りを見てみると「なんでこのふたりが仲いいの?」という組み合わせを見かける。逆に一見相性よさそうなのに意外とそうでもない組み合わせもある。
つまり,既存の人間関係から人間性を想像するという帰納法は成立する。その一方でその人だけを見て,これから作るであろう,人間関係を推察する演繹法は成立しないことがあるということであろう。
三段論法の破綻
三段論法とは有名なアレである。「A=BでA=Cならば,A=B=Cである。」という有名な論説である。
人間は社会的動物といわれている。このことから一人で生きていけないことが分かるが,人間の交流が絶たれるといろいろと不便するのは昨今の騒動で誰しも想像がついていることだろう。
人には合うあわないがあるということは以前のnoteでもお話しした。
ということは周りにいる人間が自分に合う人間であればまわりを囲われているその人は合う人間であるといえよう。理論上の話だが。
実際今ネットやAIの世界で使われているその人の「おすすめ」を探る時にこの論理は使われているのだろう。ただし理論上の話だが。
但し書きを2回も付けたのは理由がある。
例えば動画サイトを見ておすすめされた動画がとてもつまらなかった,面白くなかったという経験はないだろうか。
自分にはこの経験が結構ある。相性のいいものと相性がいいものであれば相性がいいのではないのか?なぜ相性が悪いという結果が生じるのか?
人間関係が成立するときは様々な要素が絡み合って成立する。例えばその人の性格や能力以外にも話すスピード,考えていること,社会的な立場などなど。
つぶやきにもある通り,相性がいいもの同士はそこで固有の雰囲気,世界観を作り出している。そして作られた世界観は相性のいい第三者だとしても入り込めるかわからない世界観だ。
例えばだが,赤と青が合わさって紫色の世界観ができたところに青と仲がいい緑が来てしまっても溶け込めないだろう。
AさんとBさんが仲良しで,BさんとCさんが仲良しだからと言ってAさんとCさんが仲良しとは限らないのである。これが筆者には三段論法の破綻に見えてしまったのである。
グラデーションのすっ飛ばし
人と人の間には固有の世界観,色彩があることはわかった。そしてこれは混ざり合ってできるものでグラデーションのようなものである。
例えば先ほど話した赤と青が混ざるとこんな風になる。
そして青と仲のいいとされる緑とのグラデーションはこんな感じ。
どちらもそれぞれ違った色合いができているが,そんなに目がちかちかするような色合いではない。
では赤,青,緑をそれぞれ順番に並べるとどんな組み合わせになるか。それがこちら。
なかなか凄みのある色合いである。ここから青をすっ飛ばすとどうなるか。
もう平和とはいいがたそうな色味である。
厳密には色には明度や彩度もあるので先ほどのたとえはざっくりしたものだ。それを加味しても人間関係で起こっているのも似たようなものなのかもしれないと思った。
せっかくいいグラデーション(=人間関係)を築けているひとどうしでも間にいる人をすっ飛ばしたり,当人同士で作られる世界観を無視したりすると失敗する可能性が高い。
演繹法は出会いを見つける一助になるかもしれないが,結局のところ一助になるだけで本当に合うかどうかの決定打にはならない。
まとめ
結局相性は一緒に接してみないとわからないのが人間なのだろう。なぜなら人間の本質も個性もぱっと見で分かるようにできていない。第一印象で75%はわかっても25%はわからないのだ。
自分にとって相性がいい人が仲のいい人と一緒にいい色合いが作れるかと思いきやそうでもない。逆にこの人絶対に合わないだろうなと思った組み合わせが絶妙にマッチする。
おそらくその意外性が人々の交流,文化,世界観を面白くしてきたのだろう。
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つぶやきからこれだけ書けるものなのだなあ。
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