心はもう若くない
数年前,就職目前の頃だろうか。
「まだまだ若いんだからさ。」
とある大人に言われた。
その時の筆者の反応は
「いや,もう若くないよ。」だった。
「若い」という実感がない
冒頭のことを思いついたのはこの記事を読んでからである。
筆者も世間の中では比較的若者と呼ばれる部類の人間ではある。
仕事で年配の方と接する機会も多いので若者であることはわかっているつもりなのだが,一緒に働くスタッフの方も若者が多いので自分が若いということを忘れそうになる。
冒頭の記憶は学生の頃のものだ。このころの筆者は自分よりも年下の人と多く交流しており「自分年取ったなあ。」と実感していたころである。
そんな時にまだ若いんだから…と言われてもあまり実感はわかなかった。若い人に囲まれていたのだからある意味当然ではある。
世間的には若者であるはずなのだが,もう若くないと思っている自分がいる。
「若い」ことのメリット
筆者,実は若いことにそれほどの魅力を感じていない。
若いことのメリットって何だろう?と考えるといろいろ浮かぶ。例えばこんな感じ。
・感受性が豊か。
・体力がある。
・少しくらいへましても許される。
・年配の方に可愛がられる。
・転職しやすい。
・そしてときどき本当に飛べる。(ここだけ記事より引用)
こんなところだろうか。しかし筆者が思う実際のところは
・感受性のところは生まれてこのかたごっそり抜け落ちている。
・体力は平均以下。若者だからと言って無理できる体ではない。
・へまして許されるなんて環境なんてなかった。
・若者をかわいがる年配の人なんていたっけ?邪険にする人なら大量に見たけど。
・転職活動失敗している。
・今のところ飛べていない。
とまあ筆者は若者特融の利益をほとんど享受していないことが分かる。足腰丈夫なことと保険料が安く済んでいることくらいか,現在享受できているメリットは。
ぎゃくに若さゆえに年配の方のクレームの圧が5割増しになる,意見を聴いてもらえないときがある等の不便さしか感じていない現状,若者であることの喜びはそこまで感じない。
「年をとれば若い頃はよかったと思う」という意見もあるだろう。そこは否定しない。しかし今までの人生振り返ると若い頃の方が断然しんどかった。今よりも。年を重ねて楽になったと思えることは
・精神の逃げ場が増えた。
・価値観の押し付け被害が減った。
・視野が広がって余裕ができた。
・行動範囲が昔より広がった。(体力は落ちているが。)
・尊敬できる人と交流を持てるようになった。
こんなところか。若さゆえの不便さがどんどんなくなって,このような楽さが増えていくのは個人的には悪い人生じゃないなと思えてくる。
「若い」人間でいたくない
今は不便さや利点の少なさもあっておそらく「若い人間と思いたくない。」と心の底で思っているのかもしれない。
若い人間という言葉からは自分の中でどうしても「未熟さ」「青さ」のようなものを感じてしまう。
年をとれば笑って話せるようになるといわれるが,今のところ年を取って笑って話せるようになった失敗談は筆者にはない。未熟さなんて仕事や社会で生きていく上では持っていても仕方がない気がする。
そんなわけで「若さ」というものは自分には使えない武器だということを日々実感している。だったらそれ以外の武器を身に着けるしかない。