2つの醤油
醤油の食レポをしようと考えて1か月以上がたつ。
今回は記憶を頼りにその時のことを書いていこう。
なぜ筆者が醤油の食レポをしようと思ったのかというと,さる7/21,筆者が寿司屋に言ったことから話は始まる。
この日は参院選選挙があり,自分は両親とともに選挙に行った後どこか行くかということになったのだ。本当は投票率とか政治のこととか社会的なことを語れたらいいのだが本筋からだいぶずれてしまうので今は割愛させていただく。
そして家族とともに安い回転ずしのお店に行ったのだ。そこで自分は驚くべき光景を見るのである。醤油が何種類もあるのだ。回転ずしには何回か行ったことがあるのだがまじまじと見るのはその時が初めてだったかもしれない。何回も来ている店のはずなので,自分がいかに日ごろ周囲に関心を持っていないかが分かる。
自分は生まれた地域の関係で,濃い口の関東醤油がなじみのある醤油である。
じっさいいろんな料理で自分が口にしている醤油は間違いなくこれである。
しかし筆者はここで出会ってしまった。九州で頻繁に食されているとされる甘口刺身醤油。
刺身醤油というくらいなのだからまあ刺身をご飯に載せた鮨に合わないわけはないだろうくらいの軽いノリで食べてみた結果。
うん,筆者は舐めていた。
肉とは違う魚のあっさりした感じに対しこの醤油は口の中で横に広がる感じがした。結果魚の味が口の中に残る時間が長くなり魚の持ち味が舌に反映されている感じがしたのだ。
これに対しいつもの関東風醤油は口の奥に広がる感じがするのだ。刺身醤油が口の中に味を残すとしたら,関東醤油は口の奥に香りと味を先導し胃袋の満足感につなげる感じである。
その場で余韻を残す刺身醤油と胃袋という名の観客に味を届ける関東醤油,といったところか。味,香りの持っていき方が醤油一つでここまで違うのが衝撃であった。そして不思議なことにどちらも食事を楽しむための調味料としても機能は果たしているのだ。やり方が違うだけで「食べやすく,楽しめるようにする」という目的は一緒なのだ。
全く違う方法を使っているように見えても意図している事柄が同じことは往々にしてあるものである。醤油一つがこのような結論に結びついているとは。
おそるべし,刺身醤油。
また自分が何か頑張った後に刺身醤油と関東醤油で寿司を食べたいと思った筆者なのであった。