映画「君の名前で僕を呼んで」〈前編〉
映画「君の名前で僕を呼んで」を観ました。その思いを込めました。込めすぎて、長くなってしまったので、分割し前後編となりました。
ネタバレがありますので、お気をつけください。
前編 目次
・はじめに
・映画「君の名前で僕を呼んで」について
・映画の感想
はじめに
はじめまして、note初投稿です。
近頃noteを始めようと思い、別のテーマでnoteを書き始めていました。しかし、今の私が最も熱と愛を注ぎ込めるのはこちらだとテーマを変えました。
「君の名前で僕を呼んで」は今年のアカデミー賞授賞式をテレビで観ていると4部門ノミネートされおり、興味を持ちました。
そして、1番近くの映画館で上映終了が近づき、観に行きにくい時間になる前にと観に行ったのが、先週末のことになります。
映画「君の名前で僕を呼んで」について
誰もが胸の中にある柔らかな場所を思い出す。何ひとつ忘れたくないという想いに全米が恋をした。
17歳と24歳の青年の、初めての、そして生涯「忘れられない恋の痛みと喜びを描いた本作。男女を問わず、世代を問わず、たとえ今は忘れてしまっていても、誰もが胸の中にある柔らかな 場所を思い出すような、まばゆい傑作だ。昨年11月に全米公開されると大ヒットを記録。アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、脚色賞、 歌曲賞の4部門にノミネートされ、見事にジェ ームズ・アイヴォリーが脚色賞を受賞。いま世界中の映画ファンの注目を集めている話題作である。
映画『君の名前で僕を呼んで』公式サイトより
主人公エリオをティモシー・シャラメ、オリバーはアーミー・ハマー。監督はルカ・グァダニーノ。原作はアンドレ・アシマン「君の名前で僕を呼んで」。
アカデミー賞4部門ノミネート、脚色賞受賞など話題となり、日本語吹き替え版も公開されました。日本語吹き替えキャストはエリオを入野自由さん、オリバーを津田健次郎さんが担当されました。
映画の感想
雰囲気を端的に言うのならば「Movieではなく、Filmな映画」です。舞台も80年代北イタリアですし、フィルムの映画の時代だと思います。
ここからはもっと素で行きます。
主人公のエリオくん。趣味に音楽の編曲、読書という少し繊細な面が見える17歳です。父は美術史学の教授、母は翻訳家で彼自身も頭が良い子です。彼はただひたすらに美しい。あの美しさはあの時期しかなく、それ以前にもそれ以後にも決してないものなのです。そんな彼は前述のように川での泳ぐことが趣味なので、よく水着姿になります。そうでなくても彼は家でも上半身に何も着ていないシーンが多い。バレーボールのシーンでも彼は上半身に何も着ていない。オリバーが彼にアピールするのもうなづける。いつも短パンですし。彼が長袖を着ているシーンはかなり少ないです。私は初めてオリバーと夜を過ごした後の黒の長袖姿と赤と黒のボーダーのタンクトップにサングラス姿が特に好きです。オリバーに請われてピアノの弾くシーンでわざと違うアレンジを弾くの可愛さとその悪戯な表情とが大好きです。そんな彼が初めての恋と性の間で揺れ動き続ける。喜びと痛みの中で成長する。ありがとう、17歳。
オリバーは24歳。アメリカからエリオくんのお父さんのインターンとしてやってきます。なので、彼も非常に知的。運動神経もよく、明るく、人もいい人気者。彼も短パン姿が多い。向こうは短パン文化なのでしょうか。彼の服の着方の特徴といえば胸元を大きく開け、ペンダントがよく見えること。彼のペンダントはユダヤ系の象徴らしいですが、日本人の私にはあまり馴染みのないものでした。向こうの人なら一目でわかるものなのでしょう。エリオもユダヤの血が混じっているらしく、物語途中から彼も付けています。自信家な印象の彼ですが、エリオと夜を過ごしからこれまでエリオにしかなかった思い悩んでいるようなシーンが出てきます。それがまた年下の恋人を持つ年上故のシーンでたまらないです。
マルシア、いい。あのシーンは「休戦しよう」とエリオとオリバーが湖で握手を交わすシーンと重なって、切なかったです。オリバーと距離が近づく握手。マルシアと永遠の友情を誓う握手。エリオと特別な関係の2人それぞれとの意味合いが正反対とも言えるシーンです。
彼らはひと夏という限られた時間と知りながら、恋をし、愛を交わし、互いに特別なもので結ばれる。痛みを孕んだそれは、きっと稀有で先の長い彼らでももう他の誰とも結べないだろう特別な何か。それが私の心の何処かに刺さったのだと思います。私にもそんな記憶があるからでしょう。ほんの僅かな時間の中で何かを交わし、互いを特別なもので結んだ記憶と痛み。それはもう誰とも交わせない稀有で特別な何かで、今でも感じる何か。あの美しく透明な何か。あの愛しき記憶と痛みを思い起こされる物語が美しく儚くフィルムという永遠に収められています。
エリオがピアノを弾くシーンも多く、音楽が重要な役割を果たすことも多く、ダンスシーンなどで流れる80年代の音楽、印象的な場面で流れるスフィアン・スティーブンスの楽曲など音楽も印象深いです。
1つの記事にするには長すぎたので、続きは後編になります。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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