【短い物語】 ウェイトリステッド
久しぶりに寿司を食べようと中嶋さんを誘って回転寿司屋に行くと、車を降りるなりエントランスあたりに待ってる人々が見えて、途端に寿司を食べる気分が失せてしまった。
もう時間的に他の店を探す余裕は無かったから、胸の奥に引っ込んだ寿司の気分をかろうじて手繰り寄せて、ドア横のウェイトリストに〝ナカジマ〟と書いた。
僕はこういうときに連れの名前を書く。
飲食店で待つことを中嶋さんが嫌がるタイプなのかは知らない。僕は嫌がってないようにふるまっているけれど、中嶋さんもそうかもしれな