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エッセイ

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#lGBTQ

ゲイ痴漢に遭った私の類い稀なるボランティア精神

 大学の時、痴漢(?)に遭った。2008年のことだ。  学校のある三鷹から新宿までをボーっとやり過ごし、湘南新宿ラインに乗り換えた直後のことだった。  普段は15両編成のやつに乗るのだが、その日はたまたま良いタイミングの乗り換えがなく、10両編成の高崎行きに乗った。途中の大宮で降りて乗り換えることにしたのだ。  新宿では、いつもの癖で15両編成用の印のところに立っていた。すると列車が私より50メートル以上手前で停まったので、慌てて走って一番手前のドアに入った。  椅子は全

神社でクィアがレボリューション

 私は、アメリカのどこかの大学のキャンパスを歩いていた。  複雑な細工が無数に施された古い木造の建物がいくつも並んでいる。黒い鉄の門や格子。くすみきった窓々が、夕方のかろうじて沈んでいない陽の光に赤く染まっている。私は数学の教員に会う用事があり、急いでいた。  教員のオフィスがあるのは、キャンパスの東端だった。人文学の建物からは、歩いて20分はかかる。そのあいだにある自然科学の建物、社会科学の建物、図書館にカフェテリアが付いた建物には全て中央にアーチ型の通路があったので、学

コール・ミー・バイ・ウァッダファック

 僕、と言うと、なんだか自分がサブカル男子になったような気持ちになって、少し恥ずかしい。三六歳にもなって、まだ世の中の若者側にいるような気でいる、って周りから思われそうで。  私、と言えば、すっかり染み付いた口調も相まって、オネエだからそう自分を呼ぶんだろうと、他人から分かったような顔で納得されてしまいそうでやっぱり嫌だなと思う。  俺、だなんて言えない。それは小学生の頃からずっと避けてきた言葉だ。物心ついた時から、男性になることに漠然とした恐怖や忌避感があった。女の子になり

杉田水脈の差別発言と、セクマイの自己肯定感 #ThisIsPRIDE

LGBTやクィア、性的マイノリティについてひどい物言いをするのはなにも政治家や著名人だけじゃなくて、学校の先生から親戚のおじちゃん、近所のうなぎ屋の店主などから私たちは日常的に嫌なことを聞かされている。 そうやって聞かされたことは少しずつ胸の底に沈み重なって、ちょうど川の底がよどんでいるのと同じように、普段は底のほうでおとなしくしているけれど、小さな石でもひょいと投げ入れればいとも簡単にふわぁと広がって、しばらくのあいだ私たちの心が晴れることはない。 あぁそういえば、私み

ニュー・クローゼット(エッセイ漫画)

「LGBTではないフツーのひと」に考えて欲しいと思う10のこと(2018年版)+動画あり

「LGBTではないフツーのひと」って、誰だろう? 「フツー」って、どんなことを指すんだろう。 そんなことを思いつつも、でも、「LGBT」と「フツーのひと」は分けて考えられてしまうことが多くて、日常的にもやっぱり、自分のことを「自分はLGBTではないフツーのひとだ」と思っている人はたくさんいるっていう実感があります。 この文章は、そんな人たちへのお手紙のようなものだと思ってください。 0. 基本編「10のこと」とタイトルにありますが、その前に「基本編」として地雷度の高いも