米作りの夢を叶えるため棚田オーナーになった話①
🌾野菜作りの次は米作りという夫の夢
夫は公務員をしながら約30年、近所に畑を借りて無農薬野菜を作っている。自分なりに肥料を研究するなど試行錯誤して、様々な野菜作りに取り組んできた。
そんな夫は「天日干しの美味しい米が食べたい」と、時々米作りへの夢を語るようになった。
いやいや、田んぼとなるとそう簡単にはいかない。機械やなんや大掛かりになるし、家庭菜園のレベルでは無理でしょう。夢で終わっちゃうのかな。
ある日実家近くを一緒に散歩していて、小さな段々畑を見つけた。
「これくらいの田んぼやったら自分でお米作れそうやな」私は冗談まじりに話しかけた。
「機械じゃなくて、手作業で田植えとかしてるのかな」
夫はやはり米作りの夢を諦めていないようだ。
🌾滋賀県仰木で棚田オーナーの募集
ある日、Facebookで繋がった大学の先輩から、「棚田オーナーの募集要項」の画像が送られてきた。
以前先輩とリモート飲み会をした際、夫が米作りに興味を持っていると話をしていたからだろう。滋賀県民しか読む機会が恐らくないだろう、地元広報誌に掲載されていたようだ。
大津市の仰木で国の定める「指定棚田地域」で米作りの体験ができるとのこと。八王子地区と平尾地区というところ。調べると、自宅から車で1時間かからない距離。
棚田のオーナーになって年間の利用料を払い、米作りの一部を体験できる上、収穫したお米がもらえるとのことだった。
「これは応募するしかない」
私は大急ぎで「夫の米作りの夢を叶えさせてください」と熱こもったメールを送った。
八王子地区:募集区画32区画(一区画100㎡程度)、利用料 年間30,000円、収穫した玄米30kg進呈
平尾地区:募集区画40区画(一区画100㎡程度)、利用料 年間35,000円、収穫した玄米40kg 1枚500円で利用できる地域通貨5枚進呈(温泉入浴や地域の直売所で使用可)
🌾美しい棚田の風景に癒される
最初に募集のあった八王子地区は更新される方が多く、定員いっぱいとの返事。残念ながら諦めるしかないのか。
もう一箇所の平尾地区の方は、新しく耕地を広げられたようで、説明会に来てくださいと返信があった。
その数日後、八王子の方のスタッフの方から再度連絡。キャンセルが出て空きが出たとのことだった。
迷ったあげく、どちらの説明会にも参加させてもらうことにした。
3月19日平尾地区の説明会に参加。あいにくコロナ感染防止のため、スライドによる説明はなかったが、「平尾守りの会」のスタッフの方が丁寧に説明してくれた。
そして、いざ棚田へ。夫も私もワクワクした。
思っている以上に素晴らしい景色が広がっていた。その日はあいにくの天気だったが、のどかな田園風景に癒された。
3月27日八王子地区の説明会。説明会のある会館は棚田の側からかなりの傾斜のある坂を登った先にあった。
そこから見えたのは、棚田と琵琶湖のコラボレーション!澄んだ空気を胸いっぱい吸って、心から田園風景に癒された。
結局、今年は最初に申し込んだ「八王子地区」の棚田オーナーになることに。
「平尾地区」のスタッフの方に、事情を説明し今回は辞退すると連絡した。リーダーの方から「仰木の棚田を守る活動に参加されることには代わりはないので、こちらとしては嬉しい限りです」 と仰って頂いた。
スタッフの方々の温かい気持ちにも癒された。
そして、地元広報誌にあった募集要項の画像を送ってくださった先輩に感謝。素晴らしいご縁を感じた。
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