非IT人材の救世主!「ノーコード/ローコード」とは?
皆さまこんにちは。2020年に新卒として株式会社コンピュータマネジメントに入社し、Webマーケティングを担当している入社4年目のMです。
最近、Webサービスやアプリケーションを簡単に作る方法として、「ノーコード」や「ローコード」が注目を集めています。
ざっくり言うと、プログラミングの知識に詳しくなくてもWebアプリケーションを手早く開発できる手法のことですが、それ以上のことはあまり知らない、という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ノーコード・ローコードとはそもそもどのようなものか、どんなメリットがあるのか、どのような利用シーンに向いているのか、などについて詳しく説明していきたいと思います!
ノーコード・ローコードとは?
ノーコードとは?
ノーコードとは、プログラミングを一切行わずにWebサービスやアプリケーション、システムなどを開発できる手法です。
通常は、プログラミング言語でソースコードを記述(コーディング)しないと開発を行えませんが、ノーコードはドラッグ&ドロップやマウスクリックといった簡単な操作のみで直感的に開発を進められるため、プログラミングに関する専門知識がない非IT人材でも簡単に開発を行える点が特徴です。
なお、ノーコードツールは最初からテンプレートや使える機能が決まっている関係で、自由に機能を拡張することはできません。
そのため、小規模なアプリケーションや、単純機能のシンプルなアプリケーション開発に向いています。
ローコードとは?
プログラミングが一切不要なノーコードに対し、ローコードは必要最低限のソースコードを記述しながら開発を行う手法のことです。
ゼロからプログラミングを行うよりも、ずっと少ないコード量で開発できることから、ソフトウェア開発のハードルが低く、短い期間で素早く開発を行えるのが特徴です。
また、利用できる機能が最初から限定されているノーコードと比べて、ローコードは再利用可能なオープンAPIなどを利用することで、機能をさらに拡張することができます。
ノーコード・ローコードの主な違い
主な違いは、「コーディング量」と「開発の自由度」にあります。
ノーコードは、名前の通りコーディングが一切不要なため、プログラミングの知識がなくても素早く直感的なシステム開発を行えますが、ローコードの場合、量は少ないとはいえ、全くコーディングを行わないわけではないので、多少なりとも専門知識が必要となってきます。
そして、ノーコードはあらかじめ用意されている機能しか利用できませんが、ローコードは利用できるAPIや構築した環境次第で、比較的自由に機能の拡張を行えます。
kintoneはノーコード?ローコード?
業務アプリを簡単に作成できるクラウドサービスであり、現在テレビCMでも盛んに放映されているサイボウズ株式会社の「kintone(キントーン)」は、使い方によってノーコードにもローコードにもなり得るツールです。
標準機能の範囲内でのみ使い、コーディングを全く行わなければ「ノーコード」ですが、JavaScriptをカスタマイズし、標準機能だけでは実現できない処理を追加しようとするのであれば「ローコード」になります。
ノーコード・ローコードが注目されている理由
IT人材の不足
ノーコード・ローコードツールが注目を集める理由の1つに、深刻化するIT人材不足があります。
経済産業省の委託で、みずほ情報総研株式会社が2021年に行った「我が国におけるIT人材の動向」によると、日本では東京のIT関連企業にIT人材が集中してしまっており、IT業界以外のユーザー企業にIT人材があまりいない、という結果が出ています。
つまり、IT人材を確保できていない多くの一般企業と、IT人材が揃っているIT企業の間では、ITリテラシーに大きな差が生じていることになり、今後ますますIT人材不足が深刻化すると予想されるなか、ITに関する専門的な知識が少なくても業務効率化を進められるノーコード・ローコードツールへの注目度が高まっているというわけです。
DXの活性化
DXの取り組みが活発化している点も、ノーコード・ローコードツールが注目を集める要因の1つとなっています。
近年、社会や顧客ニーズの目まぐるしい変化に対応し、企業の競争優位性を確立するため、DXの必要性が急速に高まってきています。
DXを推進し、業務効率化や生産性向上を実現するには、ITシステムの活用によるデジタル化が必要不可欠ですが、IT人材不足により足踏み状態になっている企業も少なくありません。
そうした中、専門知識を持たない非IT人材でも扱いが比較的簡単なノーコード・ローコードツールが注目を集めているのです。
内製化への動き
IT人材不足やDXの活発化と関連し、システム開発・運用の内製化を検討する企業が増えたことも、ノーコード・ローコードツールが注目されるようになった要因の1つです。
システム開発・運用を内製化する方向に舵を切る企業が増えてきたきっかけとして、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」があります。
このレポートでは、日本企業のDX化が進まなければ、2025年以降で年間最大12兆円の経済損失が生じるとされる「2025年の崖」問題が提起されました。
この最悪のシナリオを回避するためには、レガシーシステム(=古い技術や仕組みによって長年運用が続けられた結果、老朽化やブラックボックス化が問題となっているシステム)からの脱却が不可欠です。
しかし、今のように既存システムの刷新をIT企業に委託してばかりでは、DXの推進が困難になってしまうことから、ノーコード・ローコードツールを活用して、少しでもレガシーシステムからの脱却を急ぐ企業が増えてきているのです。
クラウドサービスの普及
クラウドサービスが普及したことも、ノーコード・ローコードツールが注目を集める理由の1つです。
従来、システム導入といえば、自社サーバーで構築から運用までを手がけるオンプレミス型が主流でしたが、近年はインターネットを介して利用するクラウド型のシステムが普及しています。
多くのクラウドサービスがビジネスシーンで浸透したことで、クラウドサービスの1つであるノーコード・ローコードツールも、広く受け入れてもらいやすくなりました。
ノーコード・ローコードが向いているケース
規模がそれほど大きくない開発
ノーコードやローコードが向いているケースは、比較的小規模なシステムの開発です。
ノーコード・ローコードツールは、通常のプログラミングが必要な方法と比べると開発の自由度が低いため、規模が大きく複雑なシステムの開発には向いていません。
ルーティーンワークの自動化や入力チェックなど、特定の処理に特化したシステムの開発に使うことで、ノーコードやローコードのメリットを活かし、業務効率化につなげましょう。
スピード性を重視する開発
スピードが求められる開発においても、ノーコード・ローコードツールの活用が向いていると言えます。
コードを1から作る通常の開発では、要件定義やテストも含めて1年近くの長期プロジェクトとなることも珍しくありません。
一方、ノーコード・ローコードツールを利用した開発は、コーディングにかかる時間が短く済むことから、通常のシステム開発と比べて大幅なプロジェクト期間の短縮が見込めます。
そのため、ベンチャー企業の立ち上げ時など、早急に新しいシステムを開発・導入したいケースでは、ノーコードやローコードツールを活用すると便利です。
テスト段階の開発
「少しだけ試してみたいことがある」「一部だけ機能を変更してみたい」など、アプリケーションのテスト開発を行いたい場合も、ノーコード・ローコードツールが適しています。
ノーコード・ローコードツールを活用してアプリケーションを試しに作り、仮説検証を行うことで、ユーザーがより使いやすいシステムへとブラッシュアップを図ることができます。
まとめ
今回は、ノーコード・ローコードの概要やメリット&デメリット、注目されている背景、向いている利用シーンなどをご紹介しました。
DXをさらに加速させる可能性を秘めており、非エンジニアやプログラミング初心者の人にとってはとてもありがたいノーコード・ローコードツール。
IT利活用のハードルを下げるという意味でも、どんどん広まっていってくれると嬉しいですね!
それでは今回はこの辺で。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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