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暑くなると新規陽性者が増える??気温と新規陽性者数の相関

おそらく、日本国民の中には、こう考えて不満を感じている人が多いのではないだろうか。

「夏の楽しみが増える時期を狙い撃ちしてコロナ新規陽性者が増える」

一方、今年の7月と去年の7月を比較すると、今年は去年に比べ、暑くなるのもコロナの波が来るのも早くなっている気がする。

となると、私なりに1つの仮説が出てきた。

「暑くなるとコロナ新規陽性者が増える」

データで確認してみた。私が考えるに、「一要因になっている可能性がある」とまでは言える。

以降、私が住む福岡市に焦点を当てる。

福岡市の6月7日以降7月までの平均気温推移(7日間移動平均)は、以下のようになる(2022年は7月21日まで)。2022年の方が気温の上昇が早い。

福岡市における平均気温の推移比較(7日間移動平均)

福岡市における新型コロナウイルスの新規陽性者数(7日間移動平均)の6月7日以降7月までの推移は、以下のようになる(2022年は7月21日まで)。

福岡市における新型コロナウイルス新規陽性者の推移比較(7日間移動平均)

なるほど、2022年の方が明らかにグラフの「立ち上がり」が早い。「夏休みになると人の接触が増えるので新規陽性者数は増加する」との懸念は確かにあったが、これとは関係なく、2022年に関しては、夏休みに入る前にすでに増加傾向が定着してしまった感はある。

ここで、新規陽性者数と気温の要素を掛け合わせてみる。2022年の6月7日~7月21日、2021年の6月7日~7月で、各日の平均気温とコロナの新規感染者数とを比較してみた。

2022年福岡市での新規陽性者数と平均気温の相関(7日間移動平均)
2021年福岡市での新規陽性者数と平均気温の相関(7日間移動平均)

いずれの年も、平均気温が上昇局面に入ってからすぐに新規陽性者が増えるわけではない。しかし、上昇が一旦止まるころに新規陽性者の増加傾向が定着する。その増加のタイミングは2021年、2022年で若干異なるが、「気温が上がってからしばらく経って新規陽性者が増える」という点では共通している。

それでは、2020年はどうだったのか?気温の推移をみると、2021年や2022年とは異なり、なかなか上昇局面が定着しなくなっている。そして、7月20日前から、新規陽性者数がしびれを切らしたかのように気温の上昇とともに増加している。気温との相関は確かにみられるが、その後2年とは異なっている。

2020年福岡市での新規陽性者数と平均気温の相関(7日間移動平均)

では、なぜ「暑くなれば新規陽性者が増える」可能性があるのか?原因の1つは、やはり換気にありそうな気がする。

「コロナ 暑さ 関係」で検索したら出てきた記事の1つが以下だ。これによれば、暑くなって閉め切った環境で冷房をつけると、換気が悪くなり感染リスクが増えるとの見方が専門家からもなされている。

一般的傾向として、新型コロナウイルスが「温度が上昇すれば活発になる」とは聞いたことがない。その反対の可能性は耳にするのだが。この傾向は一般的なインフルエンザウイルスと同様である。したがって、夏に向けた気温上昇が直接的に流行を巻き起こすのではなく、冷房機会の増加→換気の減少が流行を誘発している可能性の方が強い。

この夏は海外情勢の影響で資源価格が高騰、電力料金も上昇している。そして、すでに電力不足の可能性がささやかれた。今後もささやかれる可能性がある。目先の対策と合わせ、長期的に人間とエネルギー・環境の関わり、さらに気候危機の流れの中に、新型コロナウイルス等感染症対策を含めて考える時が来ているのではないか。

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