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2月④ 京都迎賓館~伝統の技にふれる~
2月最後のお出かけは、女子3人でぶらり京都へ!行く先は車の中で考えるということでとりあえず出発!まだ行ったことのないスポットを検索する中で京都迎賓館が急浮上。公式サイトではガイドツアーの予約に空きはなく電話で当日枠に余裕があることを知り、京都御苑駐車場に向かうことに。迎賓館が京都御苑内にあることをその時初めて知った・・(^_^;)
京都迎賓館 受付
御苑駐車場にはスムーズに到着し受付へ。12:30からのツアーチケットを購入(2000円/1人、所要時間90分)手持ちの大きめな荷物はロッカーへ入れるよう指示があり、開始までの待ち時間にはイメージ動画を視聴。イヤホンが一人ずつに配布され、わたしたちは10人足らずのグループで迎賓館入口へ案内される。迎賓館は御苑内にあるが宮内庁ではなく内閣府の管轄らしい。
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正面玄関
館内は意外にも写真撮影はOK!だが動画とフラッシュは禁止。
説明担当のガイドさん1名と列の後ろにもう1名がつき、さっそく迎賓館敷地内へ入る。玄関横でスリッパに履き替えた後、空港と同じようなセキュリティチェックを終えようやく正面玄関へ。
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入口から見学者用の絨毯が敷かれているが、玄関前の石は山口県産の板石で一枚一枚たたき加工がしてあるとのこと。来客時には扉を開けた向こう側には大きな生け花が飾られているはずだと思う。。
聚楽の間
玄関を入って右側のスペース。待合的な場所。
窓はなく光はないが天井が工夫されていて和風照明がいい感じ。
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夕映えの間
両サイドに山の風景画がある落ち着いた印象の広間。絵画ではなくつづれ織りで作られた織物。京都から望む愛宕山と比叡山がモチーフ。絨毯は緞通手織り。二つの花瓶や蒔絵と螺鈿の飾り台がありそれぞれ人間国宝の作品。2008年G8京都外相会合に使用されたそうです。
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絨毯が敷かれていないフロアにはわたしたちは一歩も踏み込んではいけないが、その床はたとえ賓客がヒールで歩いてもへこまないらしい。そのぐらい堅い材木を使用しているとのこと。ケヤキだったかなぁ。(違うかも・・)
藤の間
広くて華やかな大広間。まずは壁一面の華やかな緞帳(?)に目を奪われる。でも緞帳ではなくこちらもつづれ織りの技法で作られた織物。日本画家の下絵をもとに製作された壁面装飾で39種類もの草花が織りこまれているそう。
照明は美濃和紙で作られた凧をイメージしたもので上下したりと何通りもの調光が可能。床の緞通は壁面の藤が散っている様を表現されているらしい。
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そして驚かされたのは広間の鴨居が長くて中間に柱がないこと。これが可能なのは上から吊るようにしているからとの説明。すごすぎる技術。ゆえにこの障子溝の数!
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桐の間
いわゆる和室。漆塗りのつややかな12mにもおよぶテーブルは美しい。畳は中継ぎ表で一枚一枚の中心部分に中継ぎしたラインが見える。
椅子やふすまには日本国政府の紋章「五七の桐」が使用。
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そして桐の間一番の見どころはこの部屋から眺める庭園だと思った。
外国からの賓客の背丈も考慮して鴨居までの高さを通常の日本建築より高くしてあるとのこと。ただそうなると落ち着かないというか景色がしまらない。そのためにその分、庇屋根を長く出して視界を低く見せる工夫がなされているらしい。計算しつくされた庇の出幅が絶妙。庇を支える丸太は北山杉。
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庭園
今度は外に出る。池にかかる廊橋は吉野杉の船底天井になっていて四隅にある虫の透かし彫りが心にくい。
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船舟(わせん)
ここから船に乗って池から庭園を眺めることもできる。タイ国王ご夫妻が訪日の際に乗船されたらしい。見学はここまで。
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その他
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建物、庭園、調度品、飾り物の至るまで日本中から集めた最高の材料を使い、それぞれの匠たちの手によって考え作られた日本の伝統の技と美の結集そのものだった。ガイドさんの説明のおかげでより深くそれを知ることができた。日本ならではの細部にわたる心遣い、心にくい演出、粋な計らい、いわゆるおもてなしは海外の賓客にはどのように伝わるのだろう。。
そして入館前のイメージ画像で華道の家元が「おもてなし」という言葉は「裏がある」ということ。それは裏で一生懸命にやるから表が何事もなくうまくいくというような話だったと思うが、その言葉が妙に心に残った。
晴れ予報だったのに迎賓館を出ると雨だった。御苑内の中立売休憩所で
大好きな亀屋良長さんの「烏羽玉」を発見。かわいらしい春バージョン💛
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