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村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 Die Pilgerjahre des farblosen Herrn Tazaki
もうすぐイヴですね♪自分用のクリスマスプレゼントとして村上さんの小説と洋書とオーディオブックを購入しました。村上さんの小説はクラシック音楽がよく登場するのですが、今回入手した「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」は、リストの「ル・マル・デュ・ペイ」(「巡礼の年」第一年の「スイス」曲集8番目)が物語の大事なモチーフとして取り上げられています。
ル・マル・デュ・ペイとは「Le Mal Du Pays」というフランス語で、ホームシックとかメランコリーという意味でつかわれますが、詳細には「田園風景が人の心に呼び起こす、理由のない哀しみ」という意味だそうです。この曲は繊細な心象風景を描くようにリストを弾く、ロシアのピアニストであるラザールぺルマンの演奏を小説ではおすすめしています。
灰田が多崎つくるの部屋に置いていった「巡礼の年」の箱入りレコード。
主人公つくるは、このレコードの「Le Mal Du Pays」を聴くたび、「シロと灰田を鮮やかに思い出すことになる。時には彼らが今も自分のすぐそばにいて、密やかに呼吸しているようにも感じられる」のだそうです。
確かにどことなく哀しいメロディで昔の懐かしい人を思い出すような曲想ですね。私もメランコリックになりたいとき、繰り返し聴いて愛でたいです♪
●Liszt: Le mal du pays / Lazar Berman
https://www.youtube.com/watch?v=0n3S1xCVLvk
注)2018年12月22日の過去投稿記事です。