ラクロ「危険な関係」Les Liaisons dangereuses
18世紀フランスの恋愛書簡小説であるラクロの「危険な関係」が好きで、翻訳本を繰り返し読んできました。
あらすじは、稀代の策略家メルトゥイユ侯爵夫人が自分を捨てた某伯爵への復讐のため、伯爵との結婚の予定がある修道院あがりのセシル令嬢を、同志ヴァルモン子爵に誘惑させて、セシルを身ごもらせてしまう。一方、ヴァルモンは貞淑で信心深い貴婦人トゥールヴェル法院長夫人の征服を企て成功するが、メルトゥイユ夫人との賭け(ゲーム)にすぎなかったトゥールヴェルへの恋愛が真実への愛と変わっていく。というような内容です。
この小説は映画監督のイマジネーションを掻き立てるのか、時代設定を変え、いろんな国で、映画が作られ上演されています。
その中から、グレン・クローズがメルトゥイユ侯爵夫人を、マルコヴィッチがヴァルモンを演じた「危険な関係」(1988)を取り寄せて鑑賞しました。衣装がロココでとても豪華。原作に割と忠実で最後までハラハラ鑑賞することができました♪他人の恋愛をもてあそんで楽しんでいるメルトゥイユ夫人の悪女な表情、獲物を狙うヴァルモンの男性的な色気、貞節なトゥールヴェル夫人がヴァルモンの執拗なアプローチにより陥落してヴァルモンと結ばれた後の恍惚とした表情が、とても美しかったです。セシルは最初こそヴァルモンを拒否していたものの、だんだん小悪魔的にコケティッシュに変貌して可愛かったです。
とても好きな小説なので、また、ほかの映画も観てみたいです。
注)2018年5月26日過去投稿記事です。