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彌勒忠史「モンテヴェルディ偏愛主義」  ~ポッペアの戴冠を中心に

2017年はモンテヴェルディ生誕450周年でした。その記念に、2018年はモンテヴェルディ関連の本や演奏会が相次いでいます。

 著者の彌勒忠史さんはカウンターテナー&演出家でNHK「まいにちイタリア語応用編」でもお世話になりました。前回の著書「歌うギリシャ神話」がとても良かったので、今回のモンテヴェルディの本も期待を持って読みました。この本では、歌手&演出家である彌勒さんならではの視点で、彌勒さんが偏愛するモンテヴェルディのオペラについて語られています。

 その中でモンテヴェルディの傑作「ポッペアの戴冠」(ヤーコプス指揮)を聴いてみました。この作品は、神話ではなく、史実に題材をとられた当時としては異色の作品です。美徳ではなく、人間の真実をとらえた「徹底した邪悪な愛の勝利」を描いた近代的なドラマです。ポッペアは不倫の末の玉の輿物語で、政治顧問は自害させられ、皇后は流刑になり、ポッペアの元恋人の武将は追放されるというインモラルな内容なのですが、音楽はとても美しいです。

 特に、ポッペアとネローネの最後の二重唱がとても美しいです。もしよろしかったら鑑賞してみてくださいね♪

「ずっとあなたを見つめ、ずっとあなたに満足し、ずっとあなたを抱きしめ、ずっとあなたと結ばれ、もう苦しまず、もう死ぬこともない。わたしの命、わたしの宝よ、私はあなたのもの、私はおまえのもの。」

https://www.youtube.com/watch?v=_isL0E-4TsQ

注)2018年10月8日の過去投稿記事です。


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