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邪悪なエネミーを作ろう!

今日は13日の金曜日!不吉な日ですね!
皆さん邪悪なエネミー、作ってますか?

13日の金曜日がなぜ不吉かというとキリストが磔になったからとか、ユダが最後の晩餐で13人目の席に着いたからだとか何やら色々と説があるそうです。
あとはもちろん欠かせないジェイソン!鉈を手にしたホッケーマスクの怪物!

そんな13日の金曜日なので、それにちなんで邪悪なエネミーの作り方についてのお話をしようと思います。
まずはサイコロを振ってエネミーの方向性を決めることができる表とその具体例をご用意しました。
次に自己流での邪悪なエネミーの作り方について日頃どんな風に考えて作っているかを考えました。
個人的な感想ですが、エネミーはシナリオにおける花形です。
エネミー無くしては物語(シナリオ)は始まらないと思うのです。

PCが奮起する動機になったり、PLに印象づけられると楽しいとは思いませんか?


邪悪分類

サイコロを振ってエネミーの動機と手段を決定できる表と、その具体例をご用意しました。
サイコロを振るなり、お好みの項目があればそれをチョイスするなりするとよいでしょう。グーグルの検索に「サイコロを振る」を入れて検索すると、簡単にサイコロが振ることができます。
邪悪なエネミーを作る一助になれば幸いです。

また、ここに書いてあるのはあくまで一例であり、「ここには書いてないけどこういうのもあるんじゃない?」と思われることも多々あるでしょう。
そういうところからエネミーを考え出すというのも楽しいと思います。


動機表

1:傲慢
2:強欲
3:嫉妬
4:憤怒
5:色欲
6:怠惰

七つの大罪から暴食を抜いた6つから動機をご用意しました。
ここにおける大罪の解釈は、元々の意味と異なる自己流のものであることを前置きします。(特に色欲)
七つの大罪は七つの罪源とも呼ばれるとのことで、良くないことに繋がる感情や欲望を示します。
エネミーはどういった欲を特に強く抱えているかを考えてみましょう。


1:傲慢

○○は取るに足らない。

傲慢を動機として持ってくるならば「自分には(他の者にはできない)こんなこと(悪事)ができる」という自己顕示欲の強いエネミー、あとは「自分がこんなこと(悪事)をしていても止められないだろう」という挑発的なエネミー。
あとは救済など聞こえの良い崇高な目的を掲げておいて、自身の行う悪事を「必要なことだ」と肯定するなどが考えられます。

傾向
・他者を見下している。
・他者が自分に従うのは当然。
・自分は間違っていない。
・自分はすばらしい。
・たとえそれが誰かにとっては大事でも、自分にとって取るに足らないという理由で潰せる。

攻撃対象
・自分が見下している者。
・自分に従わない者。
・自分に対して対等に振る舞う、あるいは上から命令する者。
・自分に対して間違いを指摘する者。
・自分に忖度しない者。
・自分のプライドを傷つけた者。


2:強欲

○○が欲しい。自分のものにしたい。

なにか手に入れたいものがある。それが悪事をなす動機の核です。
後述する悪事の【盗み】と相性がよいでしょう。

傾向
・際限なく、より多くを欲する。
・自分が得をしたい。他者の損や手段を気にせず。
・欲しいものが得られないことに耐えられない。

攻撃対象
・自分が欲しいものを持っている者。
・自分が欲しいと思うものを得ようとした時に邪魔な者。


3:嫉妬

○○が妬ましい。
何かを妬んだことが悪事をなす動機です。
妬んだ相手の邪魔をすることが悪事の主な目的となるでしょう。

傾向
・他者がうらやましい。
・自分は幸福でない。
・妬んだ人を蹴落としたい。
・妬んだ人が不幸になって欲しい。

攻撃対象
・自分より秀でている者。
・自分より目立つ者。
・自分を愛して欲しい者に愛されている者。


4:憤怒

○○が許せない。

邪悪なエネミーにするならば、怒りで目が曇り、見当違いな方向に相手を歪め見るタイプにするのが扱いやすいでしょう。
あいつは自分を見下している。
あいつは自分を妬んで陥れた。
あいつは怠惰で、すべきことをしなかった。
あいつの自分への怒りは不当であり、自分のあいつへの怒りは正しいものだ。
そういった他者の悪いところへの糾弾が原動力です。

傾向
・人のやったことが許せない。
・自分のやることは正義の鉄槌だ。
・自分は正しい。
・悪い者に対しては徹底的に。

攻撃対象
・自分が怒りを燃やしている相手。
・怒りを燃やしている相手を庇おうとした者。

5:色欲

○○を愛している。

色欲の意味からはかけ離れますが、ここでは「愛する・愛されること」を主に、人間関係などの精神的な繋がりを動機とすると定義づけます。
恋愛、友情、親子愛、慈愛など。
愛の名の下に悪事をなす。当人にとっては悪事を「良いこと」「正しいこと」と認識して行うなどエネミーが考えられます。
ヒロインのツラをしていたが実はエネミーみたいなこともできるでしょう。

傾向
・愛する人のために。
・愛する人のためなら、自分が手を汚しても。
・愛する人に自分を見て欲しい。
・愛されたい。
・自分を守って欲しい。

攻撃対象
・愛する人を傷つける者。
・愛する人の側にいてほしくない者。
・自分が愛されるのに邪魔な者。


6:怠惰

○○が面倒だ。

大きく2つのパターンが考えられます。
一つ目はやるべきことを放棄する。
二つ目は何か面倒なものを排除することで本命の目的を達成しやすくする。

傾向
・疲れた。
・しんどい。
・面倒だ。
・放棄。

攻撃対象
・やるべきことをさせようとする者。
・いると面倒な者。


悪事表

1:【破壊】
2:【盗み】
3:【強要】
4:【扇動】
5:【詐欺】
6:【非常識】

では実際にどういった悪事を働くかを考えましょう。
6つの悪事の種をご用意いたしました。
【破壊】【盗み】はシナリオ中の大切なものに対する方向性の違う害し方。
【強要】【扇動】は自分で手を下さない、黒幕的なエネミーを用意したい場合にどうぞ。悪い奴がいると思ったらもっと悪い奴がいた。そんな風にシナリオに奥行きを作ることが出来ると思います。
【詐欺】【非常識】はそれ自体を悪事に据えても良いですが、他の悪事と組み合わせることで邪悪度をより上げることができる要素でもあります。
それぞれの悪事に対し、より具体的な悪事例として「キーワード」、その悪事に相対するNPCやPCに当てはめることができる「関係」を添えております。


1:破壊

○○を壊す。
キーワード:殺人、器物損害、夢や未来や希望を奪う。
関係:破壊される者(物)、破壊から守ろうとする人、大事なものを破壊され奪われた人。

大事な物事の価値を損なう行為です。
PCかNPCにとってなにか大事な人、物、概念といったものを不可逆な状態にするということです。わかりやすく、それでいて恐るべき脅威でしょう。
PCに失えば戻らないからこそ守らなくてはならない、という目標を与える事ができるでしょう。悪事を過去に起きたこととするならば、悪事を起こしたエネミーに対する報復を主題にできます。


2:盗み

○○を奪い我が物にする。
キーワード:強盗(無理矢理奪う)、窃盗(ひそかに奪う)、誘拐、心を奪う。功績を奪う。
関係:奪われる者(物)、盗まれないように守る者、盗まれたものを取り戻す者。

破壊が大事なものの価値を損なう行為とするならば、盗みは価値あるものを手中に収めるという方向性の悪事です。
たとえるならば世界を滅ぼすのが破壊で、世界征服が盗み。
この悪事は「破壊」と同じようにPCに守ろうとする目標を与える事ができます。
破壊との違いは、「奪われた大事なものを取り戻す」という展開ができるということです。たとえば魔王に囚われるお姫様を救出するために戦うとか。


3:強要

○○を悪い状態にすると伝える。
キーワード:恫喝、人質
関係:強要によって従う者、強要される者にとって大事な物。

自分(強要する者)の望むことをしなければ、お前(強要する相手)にとって都合が悪くなるぞという悪事。
【破壊】【盗み】が直接的なシンプルな悪事に対して、この【強要】と次の【扇動】は間接的な悪事となります。物語に奥行きやひねりを作りたい時にどうぞ。【強要】に従う者を中ボス、【強要】する者をボスみたいな感じにするとよいでしょう。

【強要】のわかりやすい例としては人質。
言うことを聞かなければ、お前にとっての大事な人間を【盗み】の状態から【破壊】にするぞという【強要】によっていうことを聞かせようとします。
自身の目的のために、望まぬ人を巻き込み悪事を重ねるというのは邪悪ではないでしょうか。

PCには強要を解く目標を与える事ができ、強要された者を助けることでPCの協力者にできるかもしれません。
またあるエネミーを倒した後、その裏に強要していた者がいたことが発覚するという流れならば物語に苦みを与える事ができるかもしれません。


4:扇動

○○は悪いことだと皆さん思いませんか?
キーワード:焚きつける、けしかける、犯人捜し、デマの流布、マッチポンプ
関係:扇動される者、扇動の被害に遭う者、扇動に対しておかしいと気づいた者。扇動に刃向かう者。

誰かを使って自身にとって都合の良い結果に導きます。先導でもあります。
最初からエネミーだと分からない狡猾な黒幕にどうぞ。

人を使って自身の目的を達成しようとするのは【強要】と同じですが、【扇動】される側は、自分が命令や強要を受けている自覚なくむしろ自発的に行動しているとさえ考えるでしょう。


5:詐欺

○○は嘘。
キーワード:嘘、ごまかし、ペテン、詭弁、偽善。
関係:嘘をつく者、嘘を吹き込まれた者

実際は違うのに利益がある、良いことなどと誰かに吹き込む。
悪事を隠すために嘘をつくなど。
様々な方向に組み合わせることができるでしょう。

例としては【扇動】と組み合わせると「他者を手助けしている風に装っていたが悪いことへと誘導していた」「良くないものに対して【破壊】や【盗み】をしなくては恐ろしいことになるだろう。恐ろしいことを防ぐという題目で自身の目的を達成する」など。


6:非常識

普通そんな○○なんてしないだろう!
キーワード:倫理観がない、不気味、人がドン引きすることを平然と、狂気的、理屈のおかしい。
関係:常識のある者。

人間は理解できないものが怖いものです。
なので常識をぶち抜いた行動をしましょう。
キーワードにあたる事柄をさも当然のように、私が常識だと言わんばかりに振る舞うことができたら邪悪度合いは増すでしょう。

個人的にちゃんと行動原理としての軸、論理があると面白くなると思います。例としては漫画『メイドインアビス』のボンドルド。度しがたい。


自己流のエネミーの作り方

『エネミー無くしては物語(シナリオ)は始まらないと思うのです』と前書きに書きましたが、これは自分のシナリオの作り方とも言えます。

・最終的にPCはエネミーと戦います。
・エネミーの目的を打ち崩すのがPCです。
・エネミーはどのような手段を取れば目的を達成できるのか。
・それをPCが防ごうとするならば何が必要か。
このような考え方で基本シナリオを考えております。

さて。じゃあ邪悪なエネミーを作ろうとした時に、何が大事でしょうか?
それは動機と悪事ではないでしょうか。

動機が薄ければ底が浅い。悪事が薄ければたいしたことない。
動機も悪事も重く濃く。これが見た者にインパクトを与える邪悪なエネミーと言えると自分は思います。
自分がシナリオを作る際は「最終的にエネミーを勢いよく倒して欲しい。あわよくばそれによって満足感を得て欲しい」という気持ちがあるため、こういうエネミーを出すことを好む節があると思われます。
なお自分の作るエネミー自体は嫌いです。嫌いを気合いで煮詰めてお出ししております。

エネミーのやりたいことが決まれば後はエネミーによって影響を受ける人々を配置します。上の表でいう「関係」の欄です。どういう被害がこれから起きるか、あるいは既に起きているかというところを配置していきます。


終わりに

拙い文章を読んでいただきありがとうございました。
様々によい(悪い)エネミーが作れるようお祈りしております。

記事本編はここで終わりです。
後は記事についての個人的所感など。

・記事の内容に悩んでいるときに「悪いエネミーの作り方」が見てみたいとい話を受けこのような記事ができました。感謝です。
・どういう感じが邪悪といえるだろうかというところからスタートし、分類するアイデアに。表にしたらお手軽エネミー作りになるんじゃないかと思ったが、考えれば考える程お手軽というのは難しいなとなりました。(アイデア投げっぱなし)
・悪事表の6つ目が中々出てこなくて苦戦してましたが、TRPGしている最中に「常識」というアビリティを見て思い付きました。ありがとう「常識」
・文章を書くって大変(怠惰)



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