カッコ悪いのは。

戦うことなんて出来ないと

君はそう言って逃げ出した

弱虫だと思った。

けどそんなことはなかった。

戦わないことも強さなのだと

君がいなくなって始めて気づいた。


自分が悪いわけでもないのに

頭を下げる君をみて

意気地無しだと思った。

けどそれは僕の方だった。

君の影に隠れて

守られていることにも気付かずに。


カッコ悪い姿で笑う

不器用で頑固で誰よりも強い君。

弱虫なのは

意気地無しなのは

カッコ悪いのは

全部僕だった

怖くて、許せなくて、
一歩を踏み出せないでいる

強くなりたい
ただそれだけ


世界は思ったより不親切で
うまく行かないこともたくさんある

君は

世界を見捨てて逃げた裏切り者

と呼ばれたかもしれない

けど僕にとっては間違いなく光で

憧れで、

カッコ悪いヒーローなんだ。

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