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【特別版】ギャラトリオデッキ【試案】
今回は構築記事、なのですが少々特殊な由来になっており
知り合いの方とのお話の中でデッキ構築の話になり、
会話で収めるのは難しいのでこの形になりました。
テーマは【ウミトリオex×ギャラドスex】。
同じ水エネルギーを扱うポケモンexながらも
1つに合わせるとなると課題の多い組み合わせです。
データ上で用意したため実際の感触が分かりませんが、
試作の過程として共有します。
▷リスト
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前提として
ex2種が鍵であるためアタッカーとして活かすこと
いわく「キングラーV」も重用している様子
構築のハードルが上がりすぎるのも考えもののため、採用するカードには余裕を残しておく
以上の点から必ずしも必要とは言い切れない
値の張る「ACE SPEC」などの採用は保留としており、
方向性は決めつつも改造の余地を残しています。
▷概要
対戦の流れに合わせてどのような動かし方をするのか、
入れていない採用候補となるカードと共に見ていきます。
①初動
まず、最初に目指すことに関わるのが「ギャラドスex」、
このデッキのテーマとなるexのうちの片方です。
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SVシリーズの中でも初期に誕生したポケモンexで、
特徴はやはりわざ「タイラントテール」。
条件つきながら360もの最大級の攻撃力を叩き出し、
その火力はHP300以上の2進化exやVMAXのポケモン、
つまりほぼ全てのポケモンを一撃で倒すほどの超火力。
このポケモンを活かす上での課題は単純明快、
「タイラントテール」の要求するエネルギーの確保です。
何はともあれこの大量のエネルギーを付けないことには
そもそも攻撃をするという話が始まりません。
幸いそのうち2つはタイプを問わない無色枠であるため、
「ダブルターボエネルギー」を使うことで少しだけ
簡単になりつつ、デメリットもほとんど影響しません。
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それでも最低残り3つの水エネルギーが必要であり、
時には「ダブルターボエネルギー」が無い場合も覚悟して
5個の水エネルギーの用意も可能な手段が必要です。
そこで元々採用されていたカードが「キングラーV」。
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「あわふらし」はすぐに使える1エネのわざで、
コイントスという運にこそ結果を左右されるものの、
直接山札から5枚の水エネルギーを付けられる大技。
「コイキング」にエネルギーを集め「ギャラドスex」に
繋げる準備はもちろん、余りそうな分は他のポケモンに
好きに振り分けられる、と柔軟性についても◯。
運要素は気になるもののこの枚数はやはり大きな魅力、
他によくあるわざでのエネ加速は2枚付けるもので、
その差は非常に代えがたいものがあります。
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これも確かに加速ではあるのですが、流れで見ると
「シャリタツ」にエネルギーをつけ「したじゅんび」、
これで「コイキング」には水エネルギーが2枚。
次の番で「ダブルターボエネルギー」を付けてもここに
更にもう1枚の水エネルギーを別で必要としています。
つまり更に1ターンの準備、または別の助けを必要とし
わざを使って加速役のポケモンを危険にさらした割には
満足な結果は得られずじまいとなってしまいます。
それと比較すると、不発に終わる可能性が半分とはいえ
成功さえすればそれで終わる「あわふらし」には
十分採用される理由があると言えるでしょう。
この際0枚と2枚なら大差はないと割り切るわけです。
と、まずはこれでエネルギーが集まれば上々、
もっともハズレには注意する必要はあります。
相手もゆっくり動くなら2回目に挑むのも一手。
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どうしてもこの加速を成功させたい場合は、
2ターン目で「キングラーVMAX」へ進化を行えば
同じことをコイントス無しの「あわまつり」で可能に。
ただしこちらはかかる時間が増えていること、
VMAXは後で倒されるとサイドを3枚も取られることなど
リスクも高いため、どうにもならない時などに。
②第二の初動
最初の運任せで全てが決まるようではデッキとしては
勝ち筋に難がありますし、そも「キングラーV」をすぐに
バトル場へ出せるとも限りません。
代わる手として重要なのはもう片方のポケモンex、
「ウミトリオex」となるでしょう。
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こちらのわざ、中でも「トリコロポンプ」は先と真逆、
必要なエネルギーは1枚だけと素早く撃てるわざです。
加速が出来なかった後の保険として魅力的な軽さのため、
可能であれば「なかよしポフィン」を使うなどして
「コイキング」と「ウミディグダ」を同時に準備しておき
後で好きな方を繰り出せるように備えておくとベスト。
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こちらは場のポケモンではなく手札のエネルギーを要求し
手札から使ったエネルギーの枚数でダメージを与えます。
このわざはそれだけでなくベンチも狙えるおまけつき。
普通の1進化ポケモン、「ネオラント」や「イキリンコ」
などのHPが低いV、exなら倒すことも可能であり
相手にとって重要なポケモンを撃ち抜けることも。
ただしここで課題もあり、このデッキはエネルギーを
山札から手札に持ってくる手段は現状乏しく、
いきなり2ターン目でこのわざを活かすのは少々困難。
そのため追加の採用候補のカードとして、グッズで
基本エネルギー2枚を引ける「大地の器」があります。
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使った時点で「ウミトリオex」に付けるための1枚と、
最低でも「トリコロポンプ」60ダメージ分になる1枚の
水エネルギーを用意できるため強力なカードです。
特にこうした「グッズ」のカードを入れておくと
水タイプで強力なサポートの「カイ」で引けるため
あるかどうかの違いが大きく影響するものです。
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水なら進化ポケモンすら引けるサポートでもあるため、
「カイ」の枚数を増やしておくのもよいでしょう。
後攻なら合わせて「なかよしポフィン」を引いて
しっかりたねポケモンを揃えることにも役立ちます。
主に1~2ターン目の間にこれらの中でできる動きをとり、
その後の大きな攻撃に繋げることが目標となります。
加えて「災いの雪山」を置けると「ギャラドスex」の
「タイラントテール」の条件を満たす助けになるかも。
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最近は「スタジアム」の枚数を減らしているデッキが
増えてきたこともあり、張り替えられる可能性が落ち
最低限の仕事はしてくれる、かもしれません。
なお相手も水ポケモンデッキだと効かないのは御愛嬌。
③初動から繋がること、中盤
さて、ここまでは2つのエースは別々に行動しており
単に一緒のデッキにいる、というだけな雰囲気でした。
ここからは少しずつ両者の動きを繋げていき、
タッグらしさが出せる要素も考えていきましょう。
まずは加速が成功し、「ギャラドスex」が動ける場合。
こちらは分かりやすく暴れるところから始めます。
仮に条件を満たしていなくとも「タイラントテール」は
180ダメージを与えるわざ、それなりではあります。
あるいは一部エネルギーを「キングラーV」自身に回し、
倒されなさそうならそのまま少し攻撃させることも。
狙うかどうかは相手を目ざとく確認しておきましょう。
「タイラントテール」を狙う場合は相手の場を見て、
特に強力なポケモン、または進化してそうなりそうな所に
「ルチャブル」の「フライングエントリー」で
ダメカンを置いておくと条件を満たすことができます。
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「ボスの指令」と組み合わせればしっかり決まることと、
「ダメカンはないが元々弱いポケモン」と、
「強いがダメカンが乗ってしまったポケモン」とで
相手のベンチを揃えることで、「ライム」を使ったときに
どれを出されても倒すことが出来る、という形にも。
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他には悩んだ末採用を一旦見送ったカードとして
バトル場へもダメカンを置くことができるポケモンは
いくつかおり、「スターミー」などがその候補に。
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問題としてはこれもまた進化ポケモンであることで、
デッキに別種の進化ポケモン達が多すぎてしまうことや、
単にそれだけポケモンを入れる枚数が増えていき、
他のカードを入れる余裕が無くなることがあります。
「ギャラドスex」にとってはいいパートナー候補ですが、
この連合軍にあっては極力簡単に済ませたかった枠です。
他にもわざを使えば相手全体に対してダメカンを乗せる
ポケモン候補がいたりはするのですが、そちらは
「キングラーV」の前後にそちらのわざを使うとなると
準備が更に長くなってしまうのでこちらも断念。
ただし次の動きとなら同居する方法もあります。
それが「ウミトリオex」から動き始める場合。
仮に「キングラーV」の代わりに全体を削るわざを
使えるポケモンから始める動きを取り入れても、
「ウミトリオex」の方は次の手張りだけで攻撃できて
攻撃の流れが止まることは避けられます。
ということで一応代案も紹介したところで
元々の「ギャラドスとウミトリオを繋げる」話ですが、
ギャラドス始動の場合は暴れ尽くして倒される時に
大量の水エネルギーがギャラドスと共にトラッシュへ。
または弱ったところで「にげる」場合も似た結果に。
エネルギーを山札から取り出す、ということ自体には
この時点で成功しているため、そこから
「スーパーエネルギー回収」を使うことでそのまま
「ウミトリオex」のわざ準備が完了します。
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他の理由で落ちているエネルギーもあれば余分に拾えて、
「トリコロポンプ」をフルパワーで撃てるだけの
エネルギーを一手に抱えることに繋がります。
「ギャラドスex」のための加速に集中したあとでも、
手張りだけでわざが撃てる「ウミトリオex」ならではの
スムーズな繋がりだと言えるでしょう。
これで「ギャラドス→ウミトリオ」の順に繋がりました。
次は「ウミトリオ→ギャラドス」の番です。
「ウミトリオex」から始める場合には別途、
ある程度エネルギーを引く努力が必要となるため、
こちらはトレーナーズや「かがやくゲッコウガ」など
手札を整えられるカードの力を借りてから始めましょう。
「トリコロポンプ」を使ったあと、トラッシュには
先ほどと似たように水エネルギーが少し貯まっています。
そこで出番となるのは「パルキアVSTAR」です。
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強力なVSTARパワー「スターポータル」により、
この水エネルギーを「ギャラドスex」に集めましょう。
対戦でこの一度限りの切り札となりますが、
ここで付けられるエネルギーの最大枚数は3枚。
そこに「ダブルターボエネルギー」が揃えばちょうど、
「タイラントテール」の必要エネルギーに到達します。
特にこちらの動きを狙う場合には山札を引くことに
ある程度力を注いでいるため、枚数の少ない
「ダブルターボエネルギー」にも結果として
繋がりやすくなっているのがポイント。
また「パルキアVSTAR」自体、早くて強いアタッカーを
兼ねられるポケモンであることも相性はよく、
エネルギー加速の余りを渡す先としても便利なため
採用枚数を増やしたいのは悩みどころとなっています。
やはりこの状態でも既にポケモンの枚数はギリギリで、
ギャラドスexも2枚にすべきか、キングラーVMAXを
入れなければなんとか……うーむ。
④その後の展開、および補足
以上の動きを前半で繋げる形で戦うことで、
どちらのexから始めても相互に繋がる道を用意して
サイドを取り合う中盤までを戦っていきましょう。
その後に改めて加速わざを撃つ余裕はないため、
わざを手早く撃ちやすい「ウミトリオex」の2体目や、
「パルキアVSTAR」を次のアタッカーとして育てて
決着を目指します。
「スターポータル」は特性としていつでも使えるため、
取って置けるならこの中盤から使ったり、時には
「かがやくゲッコウガ」を加速先に選び、
「げっこうしゅりけん」を放つ水タイプ王道の動きも
取るべきかしっかり見極めましょう。
あまり長期戦ができるデッキではありませんが、
順当にVとexのポケモンを繋げて戦っていくため、
「全てが倒されるとき=サイドを取られ負けるとき」
くらいに割り切れるのはある種救いと言えるでしょうか。
ちなみに「水タイプにおけるエネ加速」といえば
「パオジアンex」における「セグレイブ」が
現状有名どころと言えそうですが、
ここまでを読めばお察しいただけるかと思いますが
相性はよくない、というのが現実です。
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課題は以下の通りで
2進化ポケモンを入れるのが窮屈すぎる
エネルギーを集める力が強くないと活かしきれない
だからこそ相棒がパオジアンexになっている
ギャラドス向けの性能でウミトリオとは特に…
と割と散々なためこのデッキでは席がなさそうです。
加速なら何でもいいわけではないのがよく分かりますね。
▷終わりに
癖のあるデッキへの挑戦ということもあり、
普通のデッキよりむしろ筆が走ったかもしれません。
冒頭の通り「全力で組んだ60枚と言えるのか」、は
そもそもNoと言うべき状態ではあります。
とはいえ総合的に「やろうとしていること」は
概ね表現しているため後はブラッシュアップ、
枚数調整や強力なカードとの差し替えなどが主でしょう。
一応この構築は特定の方に向けたものという特別版ですが
せっかくなので共有性のあるnoteを使うことで
別の誰かにも参考にしてもらえるようにと思っています。
あるいはこの「カードとカードを繋ぐ感覚」という点を
全く別のデッキに対してアプローチするときの参考に
できる……かもしれませんので、よろしければ。
気付けば夜分遅くの仕上がりとなってしまったので
X(Twitter)での共有時には日中にもリポストしますか…。
これは元々挑戦した方あってのデッキ案であり、
そうした独自の構築への挑戦意欲というものはどうあれ
非常によいものだと楽しくなりました。
筆者も昔からカードゲームの醍醐味だと思っています。
実際ベースはほとんど変えておらず、あらためて
「こう動かせればデッキとして成立するのではないか」
という流れを筆者なりに汲み取った物を言語化しました。
ご本人の手で調整したものが後日の楽しみですね。
それでは、また。