【私が来た】強くなり続けるイルカ
最近は箸休め感覚の記事が少なかった気がします。
そんな中で、少し気が早いですが新弾絡みのお話を。
少しずつ明らかになる「超電ブレイカー」のカード達。
ポケモンex達が目を引くのは当然として、
それに負けず劣らず注目を浴びるカードをご存知のはず。
「グラビティーマウンテン」は現在競技で見ない日は無い、
強力な2進化ポケモン達に対して一泡吹かせる事が出来る
少し珍しいタイプの対策系スタジアムとして話題です。
発表されてすぐに、アレができるコレができると
多くのプレイヤー達の探究心を刺激している様子です。
中でも、最もストレートな使い道として考えられるのが
あと少しが足りない中打点に実質30の火力バフとして
ワンパンラインを整えるために運用するというもの。
同時に出た「ピカチュウex(ステラ)」の300ダメージなら
「リザードンex」のHP330に丁度というのが有名な例です。
さて、ここで記事のサムネイル画像を思い出して下さい。
そう、「イルカマンex」でしたね。
「変幻の仮面」から登場したあのヒーローポケモンも、
このマウンテンの出現を強化として受け取っています。
特性を経由しないと場に出せないという性質の代わりに
ひとたび場に出れば2進化での最高峰にあたる高HPと、
1エネ250という破格の大技を披露してくれる個性派で、
魔境のエクストラレギュレーションにおいてすら、
一部のビルダー達の関心を引くほどのポケモンです。
そんな「イルカマンex」ですが、実際の戦い方としては
非常に素直な真っ向勝負を想定しているポケモンで、
殴って受ける、をその高ステータスで行うことで
相手を押し切ることが出来れば勝てる、という形です。
しかしながら、登場当初よりこれには一工夫必要で、
特にその250という攻撃力は、決して低くはないものの
進化系ex達の300前後のHPの前にはわずかに届かず、
ワンパンを実現するには様々なアシストが必要です。
エーススペックに「マキシマムベルト」を採用したり、
同時に登場した「スグリ」を火力補助として使用するなど
「イルカマンex」にとってこうした要素は必須級です。
先述の「リザードンex」のような310~330ラインの相手を
ワンパンするとなるとこれだけする必要がありました。
となると、強力なエーススペックは仕方ないにしても
そのターンのサポートまで指定してようやく、
というのはやはり条件としては苦しい部分があり、
デッキとしての難しさが現れていたことは確かです。
そんな中で、どうぐでもサポートでもなく、
スタジアムとして登場したマウンテンはまさに理想!
これまで使用していたどちらの要素とも被ることなく、
完全な追加要素として、「イルカマンex」デッキに
新たな世界を見せてくれる相方となりそうです。
そも250という火力ラインにはかなり惜しい部分があり、
それが後+30さえあれば280ラインに届く、というもの。
これは「ピジョットex」や各種「VSTARポケモン」などで
現在ではよくみるHPラインの1つになっています。
この内「VSTARポケモン」に関しては、来年に訪れる
レギュレーション変更により消失するため今だけですが
やはりこの辺りのHPくらいは上手く倒したいもの。
元々そのために「スグリ」を使ったり、どうぐとして
「まけんきハチマキ」などを使用するなどしていました。
それ自体は今後も必要に応じて出番はあります。
しかしながら「まけんきハチマキ」は使用に条件があり、
またどうぐではどれか1体の「イルカマンex」だけに
火力を与える事に留まり、若干動きが不自由になります。
いくつか不自由さの例を上げるとすれば、
まずワザ「ギガインパクト」は強力な代わり連発できず、
入れ替えの工程を挟むことがこのデッキでは必須です。
このため、元々バトル場にいる「イルカマンex」が
どうぐを持って攻撃した後の状態を想定してみると、
もう一度強力な攻撃を行うためには2回の入れ替えをし、
ベンチに下げた上で出し直す、ということが必要です。
(これは有名なテクニックです、覚えておこう!)
あるいは、その高いHPを活かして攻撃を耐えたあと、
更に別の元気な「イルカマンex」に切り替えることで
相手に倒されないよう強く攻め続けたい、と考えた時にも
どうぐの単体強化は新たに付けないとならない、など。
これらの状況はスタジアムによる強化なら解消できます。
誰が攻撃する場合でも、等しくマウンテンの効果は
発揮され続けているため、火力補助として見る場合には
全ての「イルカマンex」にその恩恵が働いています。
これにより、まさに「ピジョットex」のように
2進化のポケモンを相手する上では、例えるなら
常に「スグリ」分の効果がかかり続けているように
戦うことが可能になったという訳です。
これによる最も大きな影響としては間違いなく、
サポートが空いたことで「ボスの指令」が使えることです。
ベンチで対戦を支え続けてくるようなポケモン達に対して
こうした呼び出しカードは戦局を左右するものです。
この動きを場の全ての「イルカマンex」が共有できる、
これはかなり革命的な要素と言えるでしょう。
あるいはこの部分は「カウンターキャッチャー」などにして
サポートでは「ナンジャモ」などを使い更なる妨害も行う、
というアクションも選択肢として取りやすくなっており、
動きの柔軟性がかなり向上したことが分かると思います。
話はこれに留まらず、純粋な火力補助の話の延長では、
エーススペックが使えないような状況になっても、
「マウンテン+まけんき」などの合計60分の補正があると
「サーナイトex」のような絶妙なラインの2進化exなら
合計310の火力で倒すことが出来るようにもなります。
こうしてかなり劇的な強化を受けた「イルカマンex」、
当人は1進化扱いであることからも、マウンテンを
相当上手く使えるポケモンの1体であることは確実、
これを機に改めて考えてみるのも良さそうです。
(ピカチュウに弱点で吹き飛ばされるのはご愛嬌、惜しい)
時にこのポケモン、実はその登場以来の各パック商品で、
常に何かの強化を受け続けていたのはご存知でしょうか。
まず「ナイトワンダラー」はその看板ポケモン、
「モモワロウex」はそれなりの相性でした。
「イルカマンex」は入れ替えが鍵という話をしました。
「モモワロウex+逃げられる悪ポケモン」と組み合わせると
自由自在に攻める「イルカマンex」を操れるのです。
一度場を作ってしまえば各ターン追加のカードがいらず、
全ての手札を他の用途に集中出来るというコンボです。
とはいえ欠点はあり、「モモワロウex」がHPの低い
格好の的として狙われたりするのは難しい点でした。
続いては「ステラミラクル」、ここでは地味ながらも
「ハイダイ」は意外といい仕事をしてくれるカードです。
「イルカマンex」はその出し方の都合で、当の本体は
山札に居てくれないといけない、という問題があります。
そのため、万が一手札に来てしまった時の対処方法を
デッキ内に一定数用意することが望ましいのですが、
サポートを使うとはいえ、「ハイダイ」は比較的スマートに
この要求を満たしてくれるカードの1枚となっています。
トラッシュを経由して「すごいつりざお」を使ったり
「ナンジャモ」でざっくり戻すことも出来ますが、
手札の質を効率よく高められる選択肢の1つです。
ついでに元々【ハイダイデッキ】が想定されており、
そのコンセプトが「少ないエネで効率よく攻撃」であり
見ようによってはこの2つは合わさることも……?
……少し難しくはありますがやれないことはないのかも。
ともあれ次は現行最新の「楽園ドラゴーナ」で、
今回もサポートですが「サーファー」は分かりやすく便利。
このデッキでは入れ替え回数を稼げるだけでも価値があり
なおかつドローまで行えるのなら中々の良カードです。
しかもルールでも便利な判定を貰っており、
「サーファー」のドロー部分と、「イルカマン」の特性進化、
これが同時に起こる場合には順番が選べるとのことです。
しっかり進化を果たしてからドローが出来るので、
変なリスクを負わずに済んで頼もしい裁定です。
加えて「カキツバタ」も更に地味な雰囲気ではありますが、
今でこそ強力な「カイ」がいなくなった後を考えると
案外スポットライトが当たる、かもしれないカードです。
そして本題の「グラビティーマウンテン」が次弾、なので
競技的には今一歩活躍しきれなかったとしても、
デッキとして内容が良くなり続けてきているのは
素直にいい事だと言えるのではないでしょうか。
加えて今だからこそ、というカードも存在しており、
「アクロマの執念」は今後検討されるかもしれません。
「グラビティーマウンテン」の登場により、
スタジアムサーチの部分が火力補助に直結することになり
かなり使用感が変わってきそうなカードの1枚です。
このデッキにおいてはエネルギーサーチも十分強力で、
単に枚数をあまり増やしたくはない水エネを拾ったり、
入れ替えにも「ジェットエネルギー」で貢献できます。
現状は「カイ+入れ替え」で成立している安定感も
今後欠ける可能性を考えれば、こうした新たなルートの
開拓はデッキにとって非常に重要な点になりそうです。
「ノココッチ」に付ける事で何度も使いまわせるのも
ただの入れ替えには出来ないメリットになります。
付いているカードを一緒に山札に戻せる性質は
このコンボでも強く働いてくれそうです。
マウンテンだけでなく、これらの展開と相性がいい
「ボウルタウン」をアクロマで拾えるのも好相性です。
天敵の登場と合わせて、なのが大きな壁ではありますが
着実に強くなり続けている「イルカマンex」。
常に鍛錬を重ね続けているのはさながらヒーローの鑑?
案外いきなりユーザーと当たる可能性は低くないのかも。
箸休めというには長い記事になりましたが、
これに限らず、日陰で強くなり続けているデッキは
探せばそこかしこに隠れているはずです。
それだけ新カードの影響とは想像を超えてくるものです。
なお「イルカマンex」から見て、もう一方の新スタジアム、
「エキサイトスタジアム」は厄介な相手側になりそうです。
「たねexポケモン」を主体としたデッキに活用されると、
絶妙に攻撃を耐えられる可能性が出てくるため、
張り替えるための意味でも、各種スタジアムの採用は
「イルカマンex」にとって重要になってくるでしょう。
密かにレギュレーション変更の影響についても
少しずつ触れ始める、そんな小話でした。
皆さんも最新弾での刺激的なデッキビルドをお楽しみに。
それでは、また。