子どもの名前を200個以上考えた末に決めた旅のメモ
こんにちは.先日待望の第一子が産まれて浮かれている Keeth こと桑原です.
ソフトウェアエンジニアとして,毎日何個も何個も,ファイル名をはじめ変数名や関数名など,名前をつける人生を送ってきたと言っても過言ではない(過言です)ので,名前を付けることに関しては一定鍛えられたと自負している,と思っていた時期が僕にも有りました.
人の名前,特に子どもの名前は難易度が全然違った.かれこれ100時間は優に超えた.また世の世界中のお父さん・お母さんの凄さを痛感している.え,名前考えるの難しすぎない?そんなサクッとつけられている方,尊敬します.人によっては「産まれた赤ちゃんの顔見たらすぐに決まった!」という事例も耳にするが,自分の場合はそんなことはなかった.
ということで,このブログは子どもの名前を考えるにあたって考えたことや,気にしている事,観点などを書き残してみる.誰かの参考になれば幸いです!
観点一覧
まずは,名前の決め方としてググったら出てくる色んな観点や,考え方があり,それをまとめてみる.
読み(響き,実際に口で呼ぶときの印象)
漢字(漢字には意味や印象が含まれており,ここから探す人が多いのでは)
姓名判断(いわゆる画数.これについては後述する)
自分たち親の名前から一文字ずつ渡す(昔の武将の名付け方感あるが,これはこれで一つの文化だと思っている)
他の人の名前にあやかる(著名人・有名人・偉人や,漫画やアニメのキャラクターの名前を参考にする)
他にもあるかもしれないが,自分はこれ以上増やすと更に袋小路に入り込むことが分かっているのでやめておく.
前提
まず最初に,名前を夫婦のどっちが付ける?という話がある.うちの場合,妻が「私(夫)が付けていいよ」と言ってくれていたが,やっぱり子供の名前は私だけでなく妻もたくさん呼ぶことになるし,お互いが納得した名前が良いなーと私は考えているので,今も都度相談しながら考えている.名前決め会議も何度も実施した.何なら,ご飯食べながらだとまた違った考えが浮かぶかも?という思いつきでくら寿司で考えたこともある(笑)もちろん妻はなるべく魚のネタは食べてなかった.
続いて姓名判断・画数.自分は仏教徒であり,自分の人生は自分で切り開くものだと思っているので,このような診断は信じていない派(貶すつもりはない)で,妻は大事にする人だった.ただ,会社のHRチームの先輩から
このような助言をいただき,自分ではなく子どもがどう思うかを考えて,やはり考慮することにした.ノブさん貴重なご意見ありがとうございます.この辺,身近に相談できる存在がいる環境のありがたさよ🙏
続いて,そもそもの性別.もし男の子だったら実はほぼ決まっていた.私がこういう名前をつけたい,という妄想をしており,2,3個に絞られていた.ちなみに候補は
一心(いっしん):漫画のキャラクターから.ただ考えたらこれやっぱりいい名前だなと
一聖(いっせい):私の名前の一文字を渡した
仁(じん):これも私の名前を一文字渡した
(色々調べたり考えて出てくるものがあれば枠)
「一」の文字は使いたいと思っていて,自分の信じた道をまっすぐに貫いてほしいという気持ちを込めて.「仁」の文字も使いたく,人生は人と一緒に生きていくので,慈しみや思いやりを大事にしてほしいなと.
続いて「子(こ)」という止め字.これは自分も妻もちょっと古い印象が強く,あまり付けたいと思えなかったし,今も変わらない.ところで皇家の名前には必ず止め字が入っていることは皆さんご存知だと思う.男性は「仁(ひと)」で女性は「子(こ)」がつく.そういう解釈をすれば「子」も悪くはないと頭では理解はしている.
最後に,誰かに決めてもらう or 誰かに名前をいただく,というもの.人によってはありえない!と思う方もいらっしゃると思うが,私の身近にはもはや「文化」と言って良いくらい,そういうケースを耳にする.ただ私はやっぱり自分の子の名前は自分達で決めたいので,これも選択しない.
実際に決める旅に出る
名前を決める前に妻と色々話したのでいざ考え始めた.我が家はなかなかスパッとは決まらず,考えては少し離れて,という波を繰り返している.もっぱら私だけかもしれないが.その波ごとにこんな事を考えていた,というストーリーを書く.
第一期:漢字から
だいたい4月の中旬から考え始めた.ご多分に漏れず,私達もまずは漢字から入った.使いたい漢字の候補と込めたい思いは以下.
和:人の和を大事にしてほしい
仁:私の名前の一文字.慈しみや思いやりを大事にしてほしい
可:文字通り可能性をどんどん拡げてほしい
葉:女性感と生命感.自然な自分で生きてほしい
一:自分の信じた道をまっすぐに貫いてほしい
ぶっちゃけると,全然女の子の名前に付ける漢字が少ない(笑)このあたりからわーっと思いつく限り名前の案だして,notion データベースにひたすら書き込む.この時点では2,30くらい出てきた.
最初の候補
妻と最初にこれだ!と感じた候補が「和仁(わに)」だった.実は妻のご両親にも聞いてみたが,良い悪いどちらの意見もいただけた(お義父さんには好評だった).一応検索してみたらこの漢字と読み方で付けている事例はなさそう(少なくとも女の子では見つからなかった).懸念としてはやはり動物のワニ🐊を彷彿とするため,小さい頃は弄られたりバカにされたりする可能性がどうしても拭えず,どこまで思いを込めても子どもが嫌な思いしないか?という問いに自信が持てず,保留中.
その他の候補
これ以外の候補としては「和可(わか)」「和華(わか)」「一葉(かずは)」「和葉(かずは)」「仁可(にか・じんか)」「萌香(もか)」など.
この中で「萌香(もか)」だけはちょっと特殊で,私と妻が出会ったのが,妻が当時開いていた「IT勉強会グループ『酒がないとプログラム書けない!』」というエンジニア勉強会.
今見てもなんちゅう名前なんだと(笑)まぁ実態としては単なるビアバッシュなので一致はしている.さておき,この勉強会のテーマが JavaScript フレームワークに関するトークであり,JavaScript の最初の名前が "Mocha" であるということで,2人の結晶が JavaScript からというダブルミーニングでもある.
第二期:漢字 + 姓名判断
引き続き漢字から考えつつ,姓名判断の結果を重視するようにした.ちなみに,ググってみると無料の姓名判断のサイトはいくつもあり,どれも似たりよったりだったので,漢字・読み・名字との相性の3つの検索方法が備わっている良運命名さんを主に使っていた.
後は,良いなと思っていた候補の名前と,使いたい漢字から読み方的に無理ないものを全種類組み合わせ,全網羅テストのごとく片っ端から姓名判断にかけていった.追加でこれも良いなと思った漢字は以下.
奏:自分の思うように生きてほしい.「叶」だと直接的すぎるので.後,音楽は人生を豊かにすると信じているので
湊:聡明で,かつかっこ良い印象
翔・羽:文字通り空を翔けるが如く,自分の人生を羽ばたいてほしい
夏:妻の名前から一文字.出産予定日も夏だったことがある
佳:美しさ,素晴らしさを兼ね備えた女性になってほしい
月:美しさ,凛とした感じの女声になってほしい
数えてないため正確な数字はわからないが,ここで一気に候補は100を軽く超えた.
第三期:読み方や響きから
ぼちぼち臨月が見えてくる6月くらいから,そろそろ名前問題も猶予がなくなってきたことを自覚しつつも,決まらない日々を送っている.この辺りで180は超えた.埒が明かないので違う観点から探してみようと.
読み方のアイディアは妻の発案で,後にも言及するが妻が名前として大事にしているものだった.名前は毎日呼ぶもので,声に出すとき感じはあまり意識はせず,響きや呼びやすさ,聞き取りやすさの方が QoL が高いだろうと.これは自分も納得で,良いアイディアだなと.
ここで案を出すことから,絞っていくことも同時にするようにした.絞らないと,タイムリミットに間に合わない気配がしたのと,全然収集が付かない流れだったので(笑)絞るためにも,見方を変えて縦書きにしたり,候補の名前を実際の紙に一覧出力して見比べたり,色々試行錯誤してみた.
第四期:赤ちゃんの顔を見てから
赤ちゃんの名前決めでよく聞くのが,「赤ちゃんの顔を見たら決まった」というものがある.正直私はこのことは懐疑的だった.その感覚は大いに想像できるが私には当てはまらないだろうなと.だからこそ,羨ましいとも感じた.人生でそう経験できるものではないものだから.
で,いざ生まれて我が子の顔を見たら,最有力候補が1,2個浮かんだ.浮かんでしまったのだ.いやぁ驚いた.頭での理解なんてそんなものだなと言うのと,物事は人間の想像の斜め上を行くことがあり,人生は本当に面白い.
最終期:名前確定
最後の最後まで名前決めは妻と私で揺れた.お互いに大事にしているもの,どうしてもこれは譲れないものが異なっており,それだけなら良いのだが,バッティングするものだからだ.
私:漢字,意味や想いを込めたい
妻:読みやすい(読み間違えを避けたい),呼んだ響き
私は付けたい漢字の読み方を考えると,妻のものとバッティングして,しまい,どちらかが譲る事になってしまうので,はてさてどうしたものかと.結論的には,妻が大事にすることから決めていった.すなわち読み・呼び方の響きから,僕が付けたい漢字・想いを込めた.
実は読み方は意外とすぐに決まったのだが,最後の最後で「選ぶ漢字」で揉めた.ちょっと口論するくらいに.理由は2つ.
読み辛い/読めない(自分は「燈」の字を使いたかったが,常用漢字ではない)
読み間違いの可能性がある(私は気にしないが,間違えると呼ぶ方も呼ばれる方も良いことがお互いにない)
子供には書き辛く,名前で苦労する(「燈」という字は画数が多く,小中学生の頃は特に大変だろうと)
紆余曲折はあったが,最終的にお互いが納得する名前が決まって一段落.実に産まれてから9日目に役所に出生届を提出し,名前決めの旅は終了.大仕事を終えた…いや,肩の荷が下りた感触だ(笑)ちなみにどういう名前にしたのかは内緒で😁
終わりに
振り返って思うことは,ぶっちゃけ疲れました(笑)物凄い色んなことを調べたり,色んなことに気を使ったり,ときには妻と口論したり,親に意見をもらったり…とにかくエネルギー消費量が凄まじく疲れました(2回目)
という言葉もあるように,名前は本当に大切なもの.そして,人生で最初のプレゼントであり,よっぽどのことがなければ一生背負っていくものでもある.それだけに名付ける親としての責任もとても大きい.
だからこそ,お互いがしっかり考え抜いて納得の行く名前を付けてあげるのが良いと心の底から感じた.
また,人の名前を考えてから改めて自分自身の名前を見つめ直してみたら(ついでに親にどういう気持ちを込めたのかも確認した),自分の名前やっぱり好きだなと.私達の子供も,自分の名前を好きになってくれたら良いなぁ,というのが,名付け終わった今心から願うことだ.
ではでは(=゚ω゚)ノ
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日々感じていること・思っていること・考えていること
Keeth Kuwahara が日々の業務・生活の中で, twitter でも facebook でもつぶやかない思っていること, 感じて…
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