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すべての看護師に知ってほしい”在宅医療の現実”

クローバーホスピタルは、「在宅療養支援病院」として、急性期医療と在宅医療をつなぐ役割と 在宅医療のバックアップをミッションとして患者様やご家族様、地域の方々、そして働く職員からも選ばれる病院を目指し、多職種が連携しチーム医療を推進しています。

在宅医療と入院治療、その両方を行うには、それぞれの現場の実情を理解し、情報を密に共有する必要があります。

病棟看護師は患者さんが退院後にどのような環境で生活をするのか。また、施設との機能の違いを理解し、そこに向けて退院支援を行うことが非常に重要となります。

今回、在宅診療部 石渡医師より病棟看護師に向けた勉強会が実施されましたので、その内容についてnoteにも記したいと思います。




そもそも在宅医療(もっと言うと介護保険)ってナニ?


在宅診療は月2回の定期訪問で、介護サービスとともに患者さんの在宅療養を支えています。診療内容は問診、バイタルチェック、処方箋発行となります。病院では出来ても、在宅では出来ない医療があるなど、病院医療と在宅医療は(技術的、考え方的に)異なる点があります。患者さんはそれを容認して在宅医療を選択(せざるを得ない)しているのです。


在宅医療を選択することで時間の使い方、食事、娯楽なども自由になります。病気があり介護・看護は必要だが、病気の治療がメインではなく、日々の暮らしや生活の中で療養しています。

患者さんの生活や希望に合わせ、試行錯誤を繰り返した上で落ち着いた先のオーダーメイドの医療・看護・介護をしています。


急性期を含む病院での診療の目的は病気の治療(根治療法)ですが、在宅での診療では病気を含む生活の支援(緩和療法)や患者さん、ご家族の希望に沿うことを目的としています。

・家に帰りたいけど、介護はできないかも。不安、どうしよう
・介護は本当はつらい、でもお金がないし仕方ない
・入院は嫌だけど、治してほしい
・苦しいことは嫌だけど、検査して治療してほしい
・治らないと言われたけどなんとかしてほしい
・最期まで家で過ごしたいって言ったけど、やっぱり無理かも
・お母さんは胃ろうや管は嫌って言ってたけどこのまま何もできないなんて・・・それって私が決めなくちゃいけないの?先生にまかせたい

相反する思い、混沌、辻褄や道理にあわない思い、迷いに溢れ、白黒はっきりできていないのが在宅の患者さんや家族なのかもしれません。

様々な介護サービスを知ることで患者さんの先がイメージできる


「介護力があまりないんだから、自宅退院より施設の方が安全だと思う」

もちろん安全や病状の安定を一番に考えると当然、施設への入所がベターな選択かもしれません。しかし、患者さんは自由があるいつもの自分の家に帰りたいと思い、家族は家で看てあげたいと思うのです。
また、経済的理由で施設に入居させたくてもできない人もいます。

介護保険制度では60歳以上、又は40歳以上で特定疾患のある方が対象となります。必要に応じて介護申請し、介護度の判定(要支援~要介護)を受けた後に介護度に応じてサービスが受けることが出来ます。

・訪問介護・看護
・訪問入浴介護
・訪問リハビリ
・福祉用具レンタル
・デイサービス(通所介護)
・デイケア(通所リハ)
・ショートステイ(宿泊型介護)

など様々な介護サービスから利用者とケアマネジャーが相談して決めます。

在宅介護のほか、施設介護もあり、それぞれ長所短所があります。自由だが不安がある自宅、安心だが制約がある施設。そこにいる理由は人それぞれなのです。



ACPで患者さんの思いを知る


ACPにより患者さんご本人は、自分の気持ちを話せなくなった「もしものとき」でも、心の声を伝えることができます。また、それによりご家族などの大切な人が方針決定する際の心理的負担を軽くすることができます。

医療者としては、患者さんの「大切にしていること」や「思い」が見えてくれば、その後の医療・介護の提案や説明をスムーズに、思いに沿って行うことができるのです。

しかし、実際にはその内容は曖昧であったり、「延命はしない」の方針がブレたり、変わったりしてしまったり、白黒はっきりできないのが一般の人の理解と感覚の現実です。ACPの概念としても、変化するものです。

そうは言っても、入院では決めておかなければなりません。
状態悪化や入院を機に、突きつけられることで考え、決めるというのが現実で、日本の高齢者医療、ACP、そして私たち在宅医療者の課題です。



まとめ


患者さんが住み慣れた住まいで長く暮らせるように、在宅医療と介護サービスがあります。私たちの仕事に求められるのは、外来でも病棟でも在宅でも、患者さんの「病気をふくめた暮らし」を、患者さんの希望にあわせて続けるにはどうすればいいか、考えることです。



クローバーホスピタルでは地域包括ケア病棟増床に向け看護師さんを募集しています。是非一度、見学にお越しください。



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