歯医者に通うのは危険!?
大前提からお話しすると、歯医者に通う患者さんは、お口の病気(むし歯や歯周病など)があっても、体は健康であることがほとんどなので、歯科医院にいる方は、みんな「健康な方」ばかりです。咳が出る方は、そもそもお口の治療やケアが難しいからです。しかし、新型コロナウイルスのように無症状でウイルスを保有している人がいるかもしれません。でも、ご安心ください。全ての方が、病気や感染症、細菌やウイルスがいるという前提で、感染予防処置を行うこと、スタンダード・プリコーションを行っているのが、歯科医院でもあります。これは、コロナ禍以前から変わらず行ってきているものですので、飛沫防止のアクリル板や空気清浄機なども追加設置はしていますが、基本的には、感染予防対策は、ずーと行ってきているのが歯科医院であり、歯科医師をはじめとする歯科医療従事者なのです。だから、歯科医院は、比較的安全なところといえるでしょう。
顔が近いというリスク
とは言え、顔と顔の距離はとても近いですよね。さらに、お口を開けているわけですから、怖がる気持ちはよく分かります。でも、よくよく考えると、怖いのは、我々、医療従事者ですよね。お口の中で、削ったり、風をかけたり、することで、患者さんのお口の中にいる細菌やウイルスが、飛沫し、我々に飛びかかるわけですからね。それを、マスクやゴーグルで防御しているわけです。さらに、お口の中の水や唾液を吸う、あの音の大きな掃除機みらいなものバキュームも感染対策に活躍しています。
そもそも感染とは?
お口の2大疾患である「むし歯」と「歯周病」は感染症です。つまり、病気を引き起こすそれぞれの細菌が、お口の中にいて、それが何かをきっかけに病気を引き起こします。聞いたことがあると思いますが、むし歯菌は、2〜3歳頃にお口の中に住み始めます。この時に、むし歯菌が住み着かなければ、他の細菌が住むので、むし歯になりにくくなります。母子感染という母親から子供にむし歯の菌が感染するという話です。なので、同じ食器を使わないとか、母親は特に気をつけています。両親のお口の中を清潔に保つこともとても重要です。たまに、「この間、旦那が自分の箸で、子供に食べさせていたんです〜。もうショックで。。。」という悩みを抱えたママがいました。やはり、一度でもこういうことが起きると、みんな感染を心配するのですね。お口の中に細菌が定着するかどうかは「質と量」によります。感染の窓と呼ばれる1歳半から3歳までの間に、多くの頻度でむし歯菌がお口に入ることにより定着するリスクが上がります。一度や二度、機会があったからといって、必ず定着するとは言えないのです。
また、細菌が住み始めるのと発症することとは異なります。ある種類の歯周病菌は、思春期頃に住み着くそうですが、すぐに歯周病になるわけではありません。40~50歳頃に発症することが多いと言われます。となると、体に細菌はいるけれど、病気になっていないということが起こりうると言うことです。ウイルスも同じです。体の中であっても、例えば、鼻穴とか口とか手とかにウイルスがいたとしても、症状がない。いわゆる病気、症状がないことが往々にして起こりうるということです。PCR検査で陽性なのは、ウイルスがいるだろうという証明。その中でも、症状がない人は、ウイルスがいるけれども、感染していないということです。
鼻うがいが効果的!
飛沫により自分の鼻や口に入った細菌やウイルスは、どうしたらいいのでしょうか。感染する前に洗い流してしまえばいいですよね。お口の中は、うがいや歯磨き、そして歯科医院でのケアで管理していくことが大切です。通常は、呼吸は鼻でしていますから、鼻の中も洗い流したい。そこで、登場するのが鼻うがいです。写真にあるような製品は、初めての方でも簡単に鼻洗浄をすることができます。これは、細菌やウイルスだけじゃなく、花粉などのアレルゲンも洗い流してくれるので、花粉症やアレルギー性鼻炎の方もオススメです。お口や鼻に入ってしまった細菌やウイルスを、早めに除去することが「感染」しないためには必要です。さらに言うなら、鼻呼吸をできるようにしなくてはいけません。鼻には、細菌やウイルスに対する防御機構が整っています。我々は、マスクに慣れていますからマスクをしていても鼻呼吸ができますが、意外とみなさんはマスクをすると息苦しくて、口呼吸していませんか?子供なら尚更ですね。普段からきちんと鼻呼吸できていれば、体に備わった防御機構と鼻うがいで、細菌やウイルスに抵抗できるかもしれませんよ。
最後に、最も大切なのは、免疫力!
ウイルスや細菌が感染すると、体の中では防御反応が起こります。私たち人間は、常にその危険の中で生活しています。新型コロナウイルスが特別ではなく、祖先も同じでした。なるべくなら感染症にはかからず、健康に生活したいものです。歯科医院では、相互感染に十分気をつけているため、患者さんから患者さん、医療従事者から患者さんへの感染がないように、前述のように全ての人に感染対策(スタンダード・プリコーション)を講じています。基本的なマスクやゴーグルなどの感染防護は、大切です。そして、もっと大切なのは、感染してしまうことを考え、「免疫力」をあげておくことが大切です。普段の生活を規則正しくすることで、免疫力を上げることができます。昔から、風邪には、ビタミンCが効果的と言われています。最近の研究では、ビタミンDがウイルス感染に対して効果的だとも言われています。ビタミンDは、日光に当たることで体内で生成されます。外出自粛により、屋外に出ることが少なくなると、ビタミンDが少なくなり、免疫力が低下する恐れがあります。
またの機会に、外出できない時にでも栄養素を補給できるサプリや点滴療法のお話をしますね。
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