知り合いを自慢する(アドラー心理学10)
はじめに
アドラー心理学って聞いたことありますか?色んな自己啓発本やらなんやでも紹介されているので名前だけは知っているって人は結構多いと思います。
有名なのは「嫌われる勇気」でしょうか。真面目な日本人に多い、人間関係に悩むそこの貴方、一度読んでみるのもありかもしれません。
今回参考にしているのは、小池直己氏による『英語で楽しむアドラー心理学 その著作が語り語りかける、勇気と信念の言葉』で、その内容にいくつか補足や私見なんかを添えて紹介していきたいと思います。
どちらも、専門書ではなく自己啓発本や多読本に近いので読みやすいと思います。
ざっくりアドラー心理学
まず、アドラー心理学とは、文字通り心理学者のアルフレッド・アドラーの考えをもとにした心理学で、その特徴は「目的論」を基礎としているところだそうです。他にも4つ基礎的な考えがあって、それらを合わせて5つの前提があるのですが、アドラー心理学の講義をしたい訳じゃないので、必要なときに必要なだけ説明することにします。
「人間の悩みの基は、ぜんぶ人間関係だ!」的な考えがあって、その解決や対応について多くのおすすめの考え方が存在するのが魅力ですね。
本文
知り合いを自慢する
よく「私の彼は東大医学部卒の医者なのよね」や「俺はあの有名人の知り合いだ」などと吹聴する人っていますよね。それが良いとかと悪いとか、そういう話は今回しませんが、アドラー心理学ではこのような人たちに当てはまるような記述があるようなので紹介します。
その該当する主張というのは「自信がない人ほど、虚勢を張って他者よりも優れていることをアピールする」というものです。
割と一般的にも言われていることだとは思いますが、アドラー流の捉え方を見ていきたいと思います。
まず初めにアドラーは普遍的に人間はより優れた自分になりたいという欲求があるとしました。これを「優越性の追求」と呼ぶようです。そして、この優越性の追求自体は、自己研鑽や自己追及の原動力として成功の基となる可能性がある有用なものです。
しかし、そこから一歩道を違えると、自身を高めることではなく他者に対して優越性を示すこと自体が目的となり必要以上の自己顕示欲に駆られ他者を威圧することに執心してしまいます。このような現象は自身に誇るものがないこと、つまりある種の「劣等感の裏返し」によって生じているとして、「優越コンプレックス」と呼びました。
このようにして、他者の威を借る嫌な奴が誕生しているという主張です。自分に自身がない劣っていると思うからこそ、他人を威圧して自分が優位な存在だと誇示したくなるというロジックですね。
実際、私が今まで会ったことがある人にはそれほど多くはないタイプではありますが、何となく納得はできる気がしています。
しかしここで重要なのは、実際にその人が「劣っているかどうか」ではなく「劣っていると思っているかどうか」がキーになるということです。
つまり、本当はちゃんと優秀な人なのに自分に自信が持てず虚飾性を高めてしまっているという可能性もあるように思うのです。だからどうだという話ではないですが。
余談
何となく端的な説明として「知り合いを自慢する」というタイトルにしてみましたが、例えば(ちゃんとした)教師やコーチなどの指導者が自分の教え子が、今は成功して有名になったとか、オリンピックでメダルを取ったなどを自慢するというのもある意味で「知り合いを自慢」している訳ですが、今回扱っている内容とは少し食い違います。
「変なタイトルつけやがって!」と感じた方がおられたらごめんなさい。
まとめ
・優越コンプレックスは劣等感の裏返し