嫉妬の行方(アドラー心理学13)
はじめに
アドラー心理学って聞いたことありますか?色んな自己啓発本やらなんやでも紹介されているので名前だけは知っているって人は結構多いと思います。
有名なのは「嫌われる勇気」でしょうか。真面目な日本人に多い、人間関係に悩むそこの貴方、一度読んでみるのもありかもしれません。
今回参考にしているのは、小池直己氏による『英語で楽しむアドラー心理学 その著作が語り語りかける、勇気と信念の言葉』で、その内容にいくつか補足や私見なんかを添えて紹介していきたいと思います。興味のある方はこちらの方も是非。
どちらも、専門書ではなく自己啓発本や多読本に近いので読みやすいと思います。
ざっくりアドラー心理学
まず、アドラー心理学とは、文字通り心理学者のアルフレッド・アドラーの考えをもとにした心理学で、その特徴は「目的論」を基礎としているところだそうです。他にも4つ基礎的な考えがあって、それらを合わせて5つの前提があるのですが、アドラー心理学の講義をしたい訳じゃないので、必要なときに必要なだけ説明することにします。
「人間の悩みの基は、ぜんぶ人間関係だ!」的な考えがあって、その解決や対応について多くのおすすめの考え方が存在するのが魅力ですね。
本文
嫉妬の行方
嫉妬したことはありますか。嫉妬という感情はかなり厄介なもののように思います。ときに素直に人や功績を認めることを妨げたり、鬱屈した精神状態を作り出したりします。
このような嫉妬に対してもアドラーの主張が存在します。ここでまず紹介しておきたいのは、アドラーは「envy」を「羨望」と訳し、「jealousy」を「嫉妬」と訳して区別したということです。
辞書なんかで調べても類義語と扱われていたり、「妬み」の項目では共に紹介されていたりなど強く意識なければ特に区別することなく用いられてしまう単語なのかもしれません。
しかし小池氏いわくアドラーは「羨望は有益になり得るが、嫉妬は危険な心的態度であり有益になり得ない」としていたといいます。
この一見すると大差のないように思われる両者について、羨望は相手を目標として自分もその人の長所を吸収し、一歩でも近づけるように努力するという動機付けに繋がる可能性がある、いわば「自分の目標とする人物像」を持つことだとしています。すると、羨望の対象となった相手も悪い気はしないでしょう。
一方で嫉妬はネガティブな感情で、「相手を引きづり下ろしたい」や「失敗して欲しい」などのマイナスな思考を孕んでいるとしています。これは自己を高めることなく、相手を落としめることで自身を相対的優位に立たせようとする、本質的には誰も得をしない構造です。
このような感情も優越コンプレックス、つまり強い劣等感の現れであると考えているようです。
以上のような点からアドラーは「嫉妬はするな(超意訳)」という主張をしています。
余談
「嫉妬はするな」と言われてしまった訳ですが、だからといって「分かりましたもうしません」とはなりません。嫉妬を防ぐためには具体的な対策が必要になるでしょう。
私は普通に俗物なので嫉妬する心未だに持ち合わせています。そんな嫉妬の当事者から見た比較的に有用そうな対策をいくつか見つけて来たので共有してみたいと思います。
1.他者との比較をしない
2.何かに没頭する
3.正しい自己評価をする
彼氏彼女に嫉妬しない方法なんかも見当たりましたが微妙に性質が異なるように思ったので省きました。
なかでも有用そうなのは2か3ですかね。1は理想的ではありますが一朝一夕では難しそうです。
まとめ
・羨望は活かして嫉妬はしない