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不幸だからしょうがない(アドラー心理学12)

はじめに


アドラー心理学って聞いたことありますか?色んな自己啓発本やらなんやでも紹介されているので名前だけは知っているって人は結構多いと思います。
有名なのは「嫌われる勇気」でしょうか。真面目な日本人に多い、人間関係に悩むそこの貴方、一度読んでみるのもありかもしれません。

今回参考にしているのは、小池直己氏による『英語で楽しむアドラー心理学 その著作が語り語りかける、勇気と信念の言葉』で、その内容にいくつか補足や私見なんかを添えて紹介していきたいと思います。興味のある方はこちらの方も是非。

どちらも、専門書ではなく自己啓発本や多読本に近いので読みやすいと思います。

ざっくりアドラー心理学


まず、アドラー心理学とは、文字通り心理学者のアルフレッド・アドラーの考えをもとにした心理学で、その特徴は「目的論」を基礎としているところだそうです。他にも4つ基礎的な考えがあって、それらを合わせて5つの前提があるのですが、アドラー心理学の講義をしたい訳じゃないので、必要なときに必要なだけ説明することにします。

「人間の悩みの基は、ぜんぶ人間関係だ!」的な考えがあって、その解決や対応について多くのおすすめの考え方が存在するのが魅力ですね。

本文

不幸だからしょうがない

前回前々回と自分ではなく知り合いの自慢をする人のお話でした。今回は別の自慢、「不幸自慢」についてです。

「お金がないから成功できない」「時間がないから練習できない」「体調が悪い気がするからなにもできない」など「○○だから■■できない」という理屈は大人になってもよく耳にするものです。中には自分の不幸なエピソードによるトラウマを出来ない理由として挙げる人もいるでしょうし、事実その通りなのかもしれません。

しかしアドラーはこのような不幸自慢もある種の劣等コンプレックスで、優越コンプレックスだといいます。

前回、劣等コンプレックスの本質は「劣等感を理由に現実と向き合うことから逃避していること」だという考えを紹介しました。その意味で不幸自慢またこの類だということでしょう。

小池直己氏いわく、アドラーはこのようなロジックを「見せかけの因果律」と呼び、これらを口実に人生の課題から逃避することを「人生の嘘」と呼んでいたようです。そしてこの人生の嘘はアドラーが最も嫌悪するものだったと言います。

劣等感は普遍的に人間誰しもが持ちうるものです。ただしその捉え方は一つではありません。それを人生の課題から逃げる口実にする人もいれば、自身の目標を達成するための向上心とするかは人それぞれです。私から「こうしなさい、ああしなさい」と諭すようなことはしませんし、もし仮に誰かに急くよう言われても自分のペースで咀嚼して、飲み込んでからでも遅くはないと思います。

また優越コンプレックスに関連して、小池氏いわくアドラーは「他者はあなたが思っているほど、あなたの存在には頓着していない。どうでもよいのです」と述べていたようです。四六時中あなたのことを考えているのは、良くも悪くもあなただけなのかもしれませんね。この主張も捉え方次第という気がします。

自分は誰からも注目されない無価値な存在なのかと捉えるか、じゃあ自分のなりたいように振舞おうと捉えるのか。

まとめ

・見せかけの因果律は必ずしも人生を諦める理由にはならない
・人生の嘘
・劣等感との向き合い方はあなた次第

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