版ズレ。昭和な、言の葉
先日、箸袋のことを書いたら、
【版ズレ】という言葉が、頭をよぎった。
この言葉を、
よく使う仕事をしていた、ことがあります。
カラーの印刷は、4色刷りで、
C:cyan シアン=青、
M:magenta マゼンタ=鮮やかな紅紫色
Y:yellow イエロー=黄
に スミ = 黒の4色の版を重ねて、
色を表現している。
ので、
印刷するときに
それぞれの色の版がぴったり合わないと、
おやまぁ、あれれっ、どうしましょ、
となります。
文字がぼやけて見えたり、
色の境界部分にすき間ができたり。
ズレ具合によっては、
見ていると、
酔いそうだ ってなことも ありました。
そんなわけで、
版ズレ は、質の悪い印刷物、
みたいに思われることも多いです。
たしかに、
合わせるとこは合わせ、
ピシッと決めて、完成としたい。
仕事だとしたら。
でも、
精度が高い=すべて正解 では ないよね、
と 別のわたしが言います。
とくに、雑誌は、
ズレてることの面白さも含めて、
「雑」誌 と受け止め、
楽しんでいたような。
文字が読みづらくて、
しょーがない ほどでなければ、
よしとする。面白がっちゃう。
版ズレは、ハズれではない。
雑誌の1ページ、1コマを、
丁寧に、それはもう 丁寧に 読んでいた時代。
寛容さ、おおらかさが
余裕を生み出していたみたい。
昭和の名残りをポケットに忍ばせながら、
決めゼリフのごとく、
「版ズレなおす!」
と書いていた日々をもつだけに
なお いっそう、
版ズレ の味わいが懐かしく、
愛おしく思えてくるのです。
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できれば、写真や絵、
音や映像の力は借りず、
筆一本(つまりは、左の親指)で綴りたい。
#cloudy009
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✴︎ 雲間から薄日がさす朝です。
今日は、少し暑くなりそう。
皆さま、よい一日を!