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#海での時間、は すれ違う時間

       以下、半分ホント。
    の エッセイ、のようなものです。

 その昔、ボーイフレンドと白浜大浜の海に行ったことがある。彼は、始めたばかりのサーフィンに夢中で、車を出して(あれは、いったい誰の車だったんだろう)、伊豆に向かった。
 大浜に着いて、即 着替え、ボードをもって海に入る彼。なんだか、ご機嫌だなー、嬉しいんだろな。と、微笑ましく思った。
 その彼が、パドリングして沖に向かい、振り返ったときには、見て!見て!俺を見て!モード全開に。「どうしたものかなぁ」と考えつつ、こちらは「あなたから目を離してません」アピール(若かったからね)で応えた。

 …しばらくして。

 あまり興味をもてないネタ = 波に乗れた瞬間を、絶対見逃さないでくれ!というエゴ(こちらに余裕さえあれば、エゴじゃなく、可愛らしさだよね!)に対して、興味深々を装うのは、かなりしんどく、ついには持参した文庫本を広げ、ほんのときどき、波の向こうに目をやることにした(どっちが勝手なんだか)。

 すれ違ったのは、たぶん、あのときから。
海での時間は、ふたりの距離をきっぱりと、わかりやすく遠ざけた。

 あのときの風、あのときの匂い。心地よさを存分に味わっていたはずなのに。ありふれた出来事にすぎないけれど、海での時間は、くっきりと心に焼きついている。

#海での時間
#すれ違い
#エッセイ 、のようなもの

☆ヤマハ発動機さんの企画の応募作品です。

 これは、わたしの #海の時間 の
ほんの一部です。
下書きしたあと、投稿はやめようと思いましたが、
本日の ヤマハ発動機のMNさんの
記事を拝読し、
刺激され、
やっぱり海が愛しくなり、
公開することにいたしました。


ありがとう🤎ございます。お気持ち、大切にします。これからも、ぜひ、お立ち寄りください。