最後まで気が抜けない、校了日
本作りの中でも一番緊張するのが、校了の時間です。
校了は「校正終了」という意味で、もう間違いはないので印刷してもかまいませんということで、印刷会社さんにデータをお渡しすることをいいます。
これを過ぎればあとは見本を待つばかりとなるわけですが、
それだけに間違いがないように注意して白焼きを確認します。
私が必ずチェックするポイントは、次の四つです。
これだけは、どれだけ時間がなくても確認します。
ゲラ(校正紙)の赤字は、白焼きにきちんと反映されているか
カバー、表紙、扉、奥付に入っているタイトルと著者名に間違いがないか
目次と、実際のページで見出しやページ数の間違いはないか。
ページ終わりの文章と、次ページはじめの文章はつながっているか
3は、1ページから最終ページまで、1,2,3と通っているか、目次の見出しと実際の見出しは統一されているか、目次の指定する位置にその見出しはあるかという確認です。
4は、たとえば「ありがとうござ」で、文章が終わっていて、次のページの頭に「いました」と、つながっているかどうかです。
基本的に白焼きが出るまでに、通常は2回から3回、ゲラを出して、誤字脱字や表記の統一はもちろん、難しい言葉にルビを振ったりします。そのため、間違いはないはずなのですが、それでも赤字が出てくることはあります。
ここで出る赤字には、ポジティブな赤字と普通の赤字があります。ポジティブな赤字というのは、この本を読まれる方により深く著者さんのメッセージが届くように、と考える中で生まれる赤字です。
というのも、自分が手を離すまでは、その本がさらに読みやすく、心に響くものになる可能性があるわけです。ですから、はじめに原稿をいただいた時点、入稿する時点、ゲラが出た時点と、数回にわたって、ブラッシュアップを重ねていきます。
そして最後の最後、1ミリでも読書と著者を近づける工夫はできないかと、考えるのが校了の時間です。
聞いた話ですが、ある出版社の編集長さんは、校了のとき、白焼きをはじめから最後まで音読するそうです。確かに、音読すると言葉のリズムがつかめますし、読むのにつまってしまうようなところは、文章のリズムが少しずれているかもしれません。本のクオリティを上げるのに役立ちそうです。
今日は私も校了日。いい本にするために最後までがんばりたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
よい一日を!
ただいま4刷 構成を担当した書籍が発売されました!