Word Designのお仕事①
三輪田学園学校案内パンフレットの場合
東京都千代田区にある三輪田学園中学校・高等学校は、大変歴史のある中・校一貫の女子校です。クラウドボックスでは2018年から毎年、「学校案内パンフレット」を制作してきました。
参照:クラウドボックスWebサイト
三輪田学園からは、レイアウトデザインはもちろん、コンセプトメイク、テキスト、印刷までトータルでおまかせいただいています。
クライアントによっては、テキストを支給していただくケースも多々ありますが、こうしてすべてをおまかせいただける場合、ワードデザイナーの出番となります。
コンセプト(テーマ)はプロジェクトの道標
三輪田学園学校案内パンフレットのミッションは「他校のパンフレットと一線を画すもの」であること。いかにターゲットを惹きつけ、共感させるビジュアルやキャッチコピーを創れるか。クラウドボックスの腕の見せ所となります。
2022年に制作したパンフレットのコンセプトは「道」。
「これから歩む道を自分で決め、前に進んでいく」という、受験を控えた世代へのメッセージもこめて決定。このコンセプト案を出すのも弊社ではワードデザイナーの仕事です。企画書も書きます。
コンセプトが決まったら「道」を感じさせるレイアウトデザインのアイデアやギミック、メインコピーのアイデア、メインビジュアル、印刷の用紙や特殊加工について、担当のフィールドを問わず、チームでアイデアフラッシュをして、徐々にブラッシュアップしていきます。
クラウドボックスのアイデアフラッシュの流儀は、出てきたアイデアを否定しないこと。実現が難しそうなものでも、面白ければ、どうしたら実現できるのかを、まず考えてみます。けっこう楽しい作業です。
コンセプトが決定すると、そのプロジェクトの進む方向やビジュアルイメージがぐんと見えるようになります。見通しがよくなる感覚です。こうなると軌道に乗れるので、言葉もスラスラと出てくるようになります。頭が整理されるのだと思います。
メインビジュアルがすでにあって、コンセプトが固まっていく場合もありますし、逆もあります。
今回は、コンセプト、キャッチコピー、メインビジュアル(イラストレーターさんの決定)の順に決まっていきました。
枝葉を伸ばすように細部までコンセプトを落とし込んでいく
大枠が決まったら、各ページのタイトルコピーや記事の執筆です。レイアウトを担当するデザイナーと連携して、文字数や各ページのイメージを膨らませ、今回だったら「道」というコンセプトを色々な手法で表現しながら書き進めていきます。このフェーズはビジュアルデザインと、ワードデザイン二人三脚の作業。お互いこのパンフレットでコンセプトをどう表現していきたいのかを共有しながらの作業は難しさもありますが、自分が書いたテキストの意図を「深く理解してくれてるな」って思えるデザインがあがって来た時は、ニヤニヤが止まりません。嬉しくなります。
三輪田学園の学校案内には毎年、校長先生へのインタビューや、先生方・卒業生・生徒さんたちへのインタビューも多数掲載されます。
質問が予め書かれたコメントシートを渡して答えてもらい、インタビュー仕立てに編集して掲載することもありますし、実際に対面でお話を伺うこともあります。その際は「今年のテーマは「道」です」とまずインタビュイーの方に伝えます。そうすることで、テーマに沿った言葉を意識してアウトプットしてくれます。
まるで一冊の本を執筆したよう
学校案内パンフレットのページ総数は48ページ。けっこうな大作です。学校の資料などテキストを支給してもらう部分もありますが、一通り書き上げたときは達成感もひとしおです。
今回は表紙から展開する連作のビジュアル(イラスト)にイメージコピーをつける作業もしました。この展開案のアイデアもワードデザイナーから出したもので、我ながらとても気に入っています。イラストレーターさん(かりやひとみさん)に、イメージどおりのイラストを描いていただけたのも大きかったと思います。
このように、ワードデザイナーの仕事は、冊子内のあらゆるテキストすべてを作り込んでいく、かなり膨大な作業なのですが、完成した「作品」をお客さまに喜んでいただけた時は、こちらも心から嬉しくなります。ワードデザイナーは、そんな幸せなお仕事でもあります。