【異色のSaaS企業】2兆円を売り上げるアトラシアン
1.はじめに
Noteを書き始めるにあたり、「自分自身が個人で何をしたいか?」と考えた時に「企業に効率よく、安価にシステムを提供できる何かをしたい」 と思っています。
IT関係で働かれている方は誰でも思っているのではないでしょうか。私が働いている中で、責任の押し付け合いのようなものもありましたが、僕の根底では「テクノロジーを利用して企業を元気にしたい」と思っています。
noteも 3つめのですので、企業の方に読んで頂くには、いろいろな面で不足していると思いながら書いています。
noteをいくつか書いて自分のnoteを繋げたりして面白いのかなとも思っています。(海外の情報を読み深める深さ、自分の認識、アピール度、影響度など 全部足りません。)
今回、noteでアトラシアンを上げた理由は、理想的なSaaS企業であり「いいものを作ればそれを買う方が現れ、さらにその人たちのためにいいものを提供するエンジニアがいる」という話がありましたので紹介します。
また、企業のグループリーダー、課長、マネージャなど「どうすればグループを効率よく稼働させられるか、コミュニケーションツールがないか?」など検討されている方も一読いただければと思います。
また、時価総額は、2021/6/29時点のものになります。(2021/7/31追記)
2.本Noteの構成
「アトラシアンって会社知ってる?」なんて話が上がったときに触りを少し書いているくらいです。深いところまではきっとまだまだ足りません。
今回は、以下の組み合わせで提供させていただきます。
・アトラシアンの会社概要・ミッション
・アトラシアンの話、2兆円売り上げる強さ
・2021年3Q決算
・どんな優位性があるか
3.アトラシアン社の会社概要
初めにアトラシアンとはどんな企業か?
アトラシアンは2002年にオーストラリアで創業された「コラボレーションツール」を開発するソフトウェア企業です。。
コラボレーショツールとは、チームによるプロジェクト管理やリアルタイムコミュニケーションなどを支援する、協働作業を効率化するためのソフトウェアを示します。
アトラシアンの日本語のホームページはこちら
アトラシアンの英語のホームページはこちら
アトラシアン、IRのホームページはこちら
https://investors.atlassian.com/investors-overview/default.aspx
Sideshare、「アトラシアン クラウドジャーニー
2020年12月23日(水)開催 アトラシアン主催Webセミナー「お客様事例から学ぶ!クラウドサービスを活用した業務効率化 - 株式会社LIXIL」のアトラシアンのセッション資料です。」より
https://www.slideshare.net/AtlassianJapan/ss-240562641
アトラシアンのミッションについてAtlassianのホームページを見ていましたが下記のURLに記載されていました。
2002年豪州シドニーで創業。あらゆるチームの可能性を解き放つことを企業のミッションとし、チームによる作業の整理、議論、完遂を支援するコラボレーションソフトウェア開発を手掛けています。
主な製品はソフトウェア開発チーム向けのオンプレミス及びSaaSプロダクトで、Jira Software(プロジェクト管理)、Confluence(コラボレーション)、Trello(タスク管理)、Bitbucket(ソースコード管理)、Jira Service Desk(ITSM)などを提供しています。日本法人のアトラシアン株式会社(https://www.atlassian.com/ja)は2013年の設立以来、日本語によるお問い合わせ対応や技術サポートの提供、マーケティング等の業務を行っています。
4.企業理念 アトラシアンの価値観
アトラシアンの従業員の価値観 https://ja.atlassian.com/company/values より
■オープンな企業文化、デタラメは無し
オープンであることは私たちの文化の根源にある価値観です。社内において情報はデフォルトでオープンであり、共有することは重要な原則です。そして、自分の考えていることを話すためには、知恵 (何を言うか)、思慮深さ (いつ言うか)、思いやり (どのように言うか) が等しく必要であることを知っています。
■心を込めて、バランスを考えて作る
鳥の巣箱を作る時も「一回切るために二回測る」、ビジネスを行うにしても、これは良いアドバイスです。可能性について注意深く検討する賢さとともに、私たちは情熱と緊急性をもってすべてに取り組んでいます。そして決断を下し、行動に移します。
■顧客をないがしろにしない
顧客は私たちにとって血液のように不可欠です。顧客が幸せでなければ、うまくいきません。そのため、顧客の視点でトータルに考えることが何よりも重要なのです。
■チームとして働く
私たちは職場でたくさんの時間を過ごしています。したがって、「働いている」とは感じない時間が多いほど良いのです。マジメに考え過ぎない程度に、私たちはマジメになれます。チームにとって適切なことを第一に優先します。それは、会議室でもサッカーフィールドでも同じです。
■自分自身が変化の原動力になる
すべてのアトラシアン社員は変化を起こす勇気と能力を持っています。製品、同僚、職場を良くするため、変化を起こします。継続的な改善は皆がもつべき責任です。アクションは、だれでも起こせます。
■海外のサイトは以下になります。
5.アトラシアン社について(inside intercom)の和訳メモ
そのうちの1社にアトラシアンという企業があり、2年前のinside intercomの記事を和訳してみました。本noteは、 株価を追うものではなく、SaaSの一つとしてとらえていただければと思います。
また、見苦しくないように、原文から以下の処理は行っています。
・DeepL翻訳ツールに1回通す
・くどい表現を削除
・日本語の補記(です、ます調でそろえる)
・タグ付け、見出し付け (note機能で目次になるからいいですね)
6.異端なビジネスモデルのアトラシアン
マイクロソフト、オラクル、IBMなどの企業の販売方法は、長い提案活動の末に、ほとんど使用しない機能も付いたソフトウェアを購入しているのが通常の慣習でした。
アトラシアンは、異なるビジネスモデルで拡大してきました。JiraやHipChatなどの大ヒット製品を生み出し、最近ではTrelloを買収したアトラシアンは、現在12万5,000人以上の顧客を抱えています。
アトラシアンの提供するソフトウェアは、今までのソフトウェアメーカのようなセールスプロセスを経ていません。成長中のSaaS企業としては異例のことです。
一般的な成長企業は、顧客獲得のために営業活動に巨額の投資を行い、獲得した顧客から受注し初期構築などにより費用を回収できることを期待します。
アトラシアンは別の方法でソフトウェアを提供しています。IPOの時点では、売上高のわずか19%が営業・マーケティングに費やされており、同規模の他の企業に比べてほんのわずかです。
自社の製品を導入するための営業費用がその他の企業と比べて圧倒的に低いのです。それは、理想的なSaaS企業の形だと考えられます。
アトラシアンが売り上げに対する営業費用が、19%なのに対して、Workday(人事、財務管理、プランニング)が倍の37%、ServiceNow(ワークフローの企業)が50%、BOXは80%と圧倒的に低い営業費用で受注しています。
この話を聞いて、「営業費用が掛からないモデルは話がうますぎる」と思われるかもしれません。
アトラシアンは同業他社のような営業やマーケティングにかける費用を省いた一方で、異なる流通モデルに多額の投資を行いました。
アトラシアンの社長ジェイ・サイモンズに、その仕組みを聞いてみました。ジェイの見解は以下になります。
6-1.「すべては優れた製品から始まる」
口コミが成長の原動力であることはよく知られています。あまり理解されていないのは、セス・ゴーディンの言葉を借りれば、「人々が口コミに出すものは優れた製品でなければならない」ということです。
アトラシアンも提供する製品が優れていることが重要な要素になります。 製品、マーケティング、エンドユーザーの間に緊密なフィードバックループを構築することで、アトラシアンはビジネスを推進するための高効率な流通のフライホイールを生み出すことができました。
6-2.ロータッチセールスモデルがSaaSモデルに有効
現在のB2Bでの購入は、10年前とはまったく異なる方法でソフトウェアを購入しています。どのようにソフトウェアを購入しているかというと、グーグルで調べたり、友人に聞いたり、同僚に相談したりと、購入方法を考えてみてください。
供給が限られていて、サプライヤーが需要をコントロールするサプライヤーの世界から、「SaaSでは、買い手がすべての権限を持つ無限の供給の世界」へシフトしています。買い手が、あなたの製品や会社について多くの情報を持っています。
このような状況では、先手を打つための最良の方法は、彼らに無理やり売るのではなくできるだけ早く製品に触れ、価値を実感できます。
6-3.アドラシアンのFlywheelとは
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