Gowther
本書は,clotext と呼ぶ新奇の概念によって既存の哲学的諸問題を再構成,あるいは解決してゆくことを目的としております。
暗駁とは,ひそかに対象のアバターを捉え,その論駁をすること。本書はその為の技術を著す。
タイトルは「草稿」となっているが,アナウンスなどもここで行う。基本的に,無料で公開できることはこちらに掲載してゆく予定である。
突然ですが,「特に通したい自分の主張が明確にあるわけでもないし,相手の主張が通れば困るわけでもないが,こいつを言い負かしてやりたい!」と感じることはありませんか? 今日では,いわゆる論争や口喧嘩なる事態を避けようとする人も少なくありませんが,このような諸事態は,そのコミュニティが進化してゆくための有効なプロセスであり,またそれに勝利して論敵を負かすことは,ときには望む立法を,あるいは慣習を醸成するなどして,永劫に他者を支配し続ける威力さえありうる程のものです。このような
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「カント哲学」といっても本頁で取り立てるのはその感性概念(sinnlichkeit),悟性概念(verstand)そして理性概念(vernunft)の3つであり,これらを ICLM によって次のように定位する。 感性は Ct に無作為に描かれてしまう事情として理解され,その作為的なものが悟性の働きであり,Ct を鳥瞰する能力が理性となる。
諸事象によって全体が形成されるという事情は理解し易い。ところで,逆はどうかを本頁では考える。 ここで「諸事象によって全体が形成される」とは,つまり <Fa1,Ga1>,<Fa2,Ga2>,<Fa3,Ga3>,…,<Fan,Gan> というような関係をそれぞれ持った a1~an の n 個の個体から普遍関係 ∀x(Fx→Gx)(或は ∀x(Gx→Fx) )を導くような事態(いわゆる帰納法)を言っているが,この逆とはその普遍関係に矛盾する事象 <Fan’,¬Gan’>(或は <
本項は,アーギュメントの主体となるアバターについて,その古典的機能を概観し,それらを ICLM によって再構成する。
Abstract 本項は,Clotext(以下 Ct)という特殊な像体系を利用した認知モデル(以下 ICLM)の視座から,ホーリズムと還元主義を再構成することで両者の関係を再解釈し,それぞれの現場を明瞭化することを目的とするものである。
本書に登場する予定のある諸造語の基本的用法を,この頁に概説する。 志向共同体(Goal-community):そのときに志向される様相をもった共同体。諍いはこれを実現する為の一つの手段として理解される。 指示領域:指示対象の領域。 シニフィアン緊張:異なったシニフィアン構造X,Yが重なった(共通した)指示領域を持つときの関係。能記緊張と記すこともある。この緊張を感じられなければホーリズムは理解されない。また,ヴィトゲンシュタイン哲学における〈要素命題の相互独立性〉との微