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LARPのトリセツ。 1-1:LARP用語の基礎の基礎 - これだけは知っておきたい基本用語
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2025年、新たな年が始まりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて、この度、新シリーズ「LARPのトリセツ」をスタートさせていただくことにいたしました。
近年、「LARP(ラープ)」という言葉を耳にする機会が増えてきたと感じている方も多いのではないでしょうか。我々、体験型LARP普及団体CLOSSも、有難いことに今年で活動開始から9年目を迎える事になります。昨年行われたゲームマーケット2024秋(幕張メッセ/㈱アークライト)において、LARP体験ブースを運営いたしました折には「あっ、前から興味があったLARPがここで出来るんだ!」とお声を頂くことも多く、地道な活動が実を結んできつつあることを実感しております。
この記事で初めてLARPを知ったという方もいらっしゃる可能性がありますので、念のためにLARPについてを軽く説明させていただきます。
LARPとは、Live Action Role-Playing(ライブ・アクション・ロール・プレイング)の略称で、参加者自身が物語の登場人物になりきり、現実世界を舞台に、即興で行動し、物語を紡いでいく、体験型のゲーム様のコンテンツであり文化的活動です。
2012年にLARPに出会い、魅了され、それ以来、LARPと向き合ってきた筆者にとっても、「LARPとは何か?」という問いは、未だに一言では答えられない、奥深いものです。なぜなら、LARPという言葉が示す意味は、今この瞬間も、世界中で更新され続けているからです。
だからこそ、この「LARPのトリセツ」では、2025年現在のLARPを、初心者の方にもわかりやすく、丁寧に解説していきたいと考えています。本シリーズが、皆様にとっての「LARPの取扱説明書」となり、LARPの世界への扉を開く一助となれば幸いです。
さて、LARPは、「全年齢に対応可能なごっこ遊び」であり、「遊び」を通じて「学び」を得ることができる文化的活動です。そして、その根底にあるのは、自分の精神と肉体を活用して、仮想の出来事に没入していく「没入性」です。この「没入性」こそが、LARPの醍醐味であり、他のエンターテインメントに勝るとも劣らない、特別な体験を生み出すのです。
本シリーズでは、LARPの基礎知識から、実践的な遊び方、さらにはLARPが持つ教育・芸術・社会問題への啓発といった、多様な可能性まで、幅広く掘り下げていく予定です。また、ただ情報を伝えるだけでなく、「その日1日を充実したものにする」という積極的な姿勢でLARPを楽しむためのヒントも、皆様に共有していきたいと考えています。
LARPのトリセツ 1-1:LARP用語の基礎の基礎 - これだけは知っておきたい基本用語
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LARPの世界に足を踏み入れるにあたり、最初に立ちはだかるのが「専門用語」の壁。「GM」「PL」「NPC」…聞きなれない言葉に、戸惑うこともあるでしょう。
でも、大丈夫。この記事では、LARP初心者なら必ず知っておきたい、基本の用語を厳選し、わかりやすく解説します。……そのまえに↓
なぜLARP用語を学ぶ必要があるの?
LARPには、円滑なゲームプレイと参加者間のコミュニケーションを促進するための、特有の専門用語が存在します。これらの用語は、LARP文化に特有の概念やルール、慣習などを表現するために用いられ、LARPを深く理解し、楽しむためには、これらの用語の習得が不可欠です。
初めてLARPに触れる方にとって、説明なく専門用語が多用されることは理解を妨げる障壁となり、LARPへの参加を躊躇させてしまう要因となります。とはいえLARPで使われる用語は、決して難解な暗号ではありません。だからこそ、ぜひこの機会に用語を知っていただき、あなたが参加する事になる楽しいLARPシーンに繋げる一助としてください。
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LARP基本用語集
ここからは、LARPの世界で頻繁に使用される基本用語を、詳しく解説していきます。
LARP(ラープ) [Live Action Role-Playing]
定義: ライブ・アクション・ロールプレイングの略称。参加者が現実世界で身体を動かし、役割を演じることで物語を体験する、体験型ロールプレイング型コンテンツの総称。より、ゲーム的な要素を持っているコンテンツはライブ・アクション・ロール・プレイング・ゲームと表記する場合もある。日本では類型として、ライブRPG、リアルRPGなどと呼称されることもある。
解説: LARPは、参加者が物語の登場人物になりきり、与えられた設定や状況に基づいて即興で行動することで、物語を体験する文化的活動です。演劇、ゲーム、即興劇、ごっこ遊びなど、多様な要素を内包しており、その形態も多岐にわたります。ファンタジー世界を舞台とした剣と魔法の冒険劇、現代社会を舞台とした人間ドラマ、SF世界を舞台とした未来都市でのサバイバル劇など、様々なジャンル、テーマのLARPが存在します。
なお、LARPの定義については諸説あり「これはLARPか?」などの論争が海外ではしばしば巻き起こっています。体験型LARP普及団体CLOSSは上記の定義に書かれていることに加えて「主催者と参加者が【これはLARPである】と認識していること」を加える工夫をしています。
GM(ジーエム)/ゲームマスター/ オーガナイザー / スタッフ [Game Master / Organizer / Staff]
定義: LARPイベント全体の企画・運営を行う者を指します。オーガナイザー、スタッフと呼称されることもあります。
解説: GMは、LARPイベント開催の責任者であり、イベントの成功を左右する重要な役割を担います。GMの役割は多岐にわたり、イベントの企画立案、世界観やシナリオの構築、ルール設計、会場手配、参加者募集、安全管理、イベント当日の進行管理など、LARPイベントに関わる全ての業務を統括します。
LARPのGMは複数人で行う場合も多く、イベントの規模によってはオーガナイザーとGMの役割を定義化、分離してGMの役割をLARPイベントに関わる業務だけに限定する場合や、GMの業務すら分割して一部の権限を担当するなど、責任や役割を分担する場合があります。
※海外においては、オーガナイザー→スタッフ(内包される中にGM)という役割構造で運営されるイベントも大規模なほど多く、小規模な場合はGMが全て兼ねるという構造が見受けられます。日本においては小規模なLARPイベントが中心なため、定義の様な説明になっています。
PL(プレイヤー) [Player]
定義: LARPに参加する参加者自身を指す用語。ゲーム世界の外、現実世界の存在としての参加者を指します。つまりLARPに参加している、あなた自身や他者のことです。
解説: PLは、LARPイベントに参加登録を行い、参加費を支払い、イベントに参加する個人です。PLは、GMからの指示や説明を受け、自身のキャラクターシートを確認し、イベントのルールや安全に関する注意事項を理解する責任を負います。また、ゲーム外での休憩や食事、着替えなどの準備もPLの役割となります。
PC(ピーシー)/プレイヤーキャラクター/ キャラクター [Player Character / Character]
定義: PLがLARP内で演じる役割、物語の登場人物を指します。キャラクターと略称されることも一般的です。
解説: PCは、LARPイベントごとに、年齢、性別、職業、性格、能力、生い立ち、目的など、詳細な設定が与えられます。ただし、PLは、与えられたPCの設定を深く理解し、イベント期間中はPCになりきって行動します。PCは、物語の中心人物として、他のPCやNPCと交流し、様々な事件や問題に遭遇し、自らの選択と行動によって物語を紡いでいきます。衣装、武器、小道具などを活用して外見をPCに近づけることで、ロールプレイへの没入感を高めることが期待できます。
NPC(エヌピーシー)/ノンプレイヤーキャラクター [Non-Player Character]
定義: PC以外のキャラクター全般を指します。シナリオやLARPの設計に基づいて物語世界を彩る背景、群衆、敵対者、協力者など、多様な役割を担います。
解説: NPCは、物語世界にリアリティと奥行きを与えるために不可欠な存在です。NPCは、物語の進行を円滑にするための情報提供、PCの行動に対する反応、物語世界における社会や文化の描写など、多岐にわたる役割を担います。NPCもPLが演じることが一般的ですが、PCとは異なり、物語の展開を大きく左右する役割を担うことは少ない傾向にあります。しかし、NPCの存在によって、LARPの世界は双方向的なやり取りが発生し、結果として予測不能な面白いものになります。多くの場合、NPCがどのような立ち振る舞いをするべきかどうかは、GMから説明され、設定等の資料が配られるため、その設定や資料を踏まえて行動すればよいので、LARPに慣れない人はNPCから参加するという道も存在します。中には、そのままNPCばかりやるようになる人が出るぐらいには、面白い役柄でもあります。なお、NPCやPCの役割や参加の楽しみ方の違いなどについては、提供される内容によっても違いがあるため、多くの場合は説明が告知段階でされます。ただ、NPCがどういうことをする存在なのかは、最終的にはLARPを主宰するGMなどに問い合わせをかけた方が良い場合もあります。
シナリオ [Scenario / plot]
定義: LARPにおける物語の粗筋、脚本を指します。物語の導入、展開、クライマックス、結末など、基本的な流れが記述されています。
解説: シナリオは、LARPイベントの物語の骨格となるものであり、すべての参加者にLARPの全体像を予測させ、参加意欲を高める効果があります。シナリオには、物語の背景、主要な登場人物、事件や問題、目的、制限時間などが記載され、参加者は開示されたシナリオの一部を参考に、自身のPCをどのように演じるかを考えます。LARPの種類によっては、シナリオが詳細に作り込まれている場合もあれば、最低限の情報のみが提供される場合もあります。なお、「プロット」と呼ばれることもあります。
世界観 [Worldview / Setting]
定義: LARPの物語の舞台となる、架空の世界の設定を指します。歴史、地理、文化、社会、政治、宗教、魔法や特殊能力の有無など、多岐にわたる要素で構成されます。
解説: 世界観は、LARPの物語にリアリティと奥行きを与える、重要な要素です。詳細に作り込まれた世界観は、参加者の没入感を高め、ロールプレイの質を向上させます。世界観は、GMやシナリオ制作者、ルールブック製作者によって完全に創作される場合もあれば、既存の小説、映画、ゲームなどの世界観を基に構築される場合もあります。
キャラクターシート [Character Sheet]
定義: PCの詳細な設定が記述された書類、またはデータファイルを指します。
解説: キャラクターシートには、PCの名前、年齢、性別、職業、能力値、技能、性格、過去、目的など、ロールプレイに必要な情報が記載されます。PLは、キャラクターシートに記載された情報を基に、自身のPCを演じます。LARPイベントによっては、キャラクターシートが事前に配布され、PLが事前にキャラクター設定を読み込むことが求められる場合もあります。
ハンドアウト [Handout]
定義: LARPイベント中に、GMからPLに配布される、追加情報や指示が書かれた資料を指します。
解説: ハンドアウトは、物語の進行に応じて、GMからPLに配布されます。ハンドアウトには、新たな情報、秘密の指令、追加のルール、アイテムの説明など、様々な情報が記載されており、物語の展開に影響を与えます。ハンドアウトは、物語にサプライズや戦略性を加えるための、効果的なツールと言えるでしょう。
ロールプレイ [Role-play]
定義: 設定されたキャラクターになりきり、そのキャラクターとして発言し、行動することを指します。
解説: ロールプレイは、LARPにおける最も重要な要素であり、LARPの醍醐味と言えるでしょう。PLは、自身のPCの性格、能力、目的などを深く理解し、そのキャラクターになりきって、他のPLやNPCと交流し、物語を紡いでいきます。ロールプレイの質は、LARPの楽しさを大きく左右するため、PLは、積極的に、そして創造的にロールプレイを行うことが求められます。
メタ [Meta]
定義: ゲーム内のキャラクターではなく、PL自身が持つ知識や視点、ゲームシステムに関する情報などを指します。
解説: LARPでは、メタな情報をゲーム内に持ち込むことは、一般的に「メタプレイ」と呼ばれ、非推奨な場合が多いです。例えば、他のPLのキャラクターシートを盗み見たり、過去に開催された同系統のLARPイベントの情報を元に、物語の展開を予想したりすることは、メタプレイに該当します。メタプレイは、物語の自然な展開を阻害し、他のPLの楽しみを奪う行為であるとされます。
◆コラム:メタプレイって、具体的にはどんな行為?
メタプレイは、LARPの世界観や物語の流れを壊してしまう、非推奨行為です。ここでは、具体的にどんな行為がメタプレイに当たるのか、例を挙げてみましょう。
例1: あなたのPCが、初めて会う相手のPCの秘密を、なぜか知っているかのように振る舞う。(PLとしては、事前にキャラクターシートを読んで知っていたとしても、PCとしては初対面のはずです。なので、秘密を知っている行動をするのは不自然。)
例2: GMがまだ説明していない、部屋の隠し扉の存在を、あなたのPCが知っているかのように話す。(PLとしては、過去のイベントで同じ部屋が使われたことを知っていて、ギミックがそこにあることを知っていても、PCとしては知らないはずです。)
例3: 敵の弱点が「火」であることを、ゲーム開始前から知っていたかのように、最初から火属性の攻撃ばかりを繰り出す。(PLとしては、イベントの事前情報で知っていたとしても、PCとしては、戦ってみて初めてわかる情報のはずです。)
このように、PLだけが知っている情報を、PCが知っているかのように振る舞うことが、メタプレイの典型例です。メタプレイをしてしまうと、他の参加者の楽しみを奪うだけでなく、自分自身のLARP体験も、つまらないものになってしまいます。常に「PCならどう考え、どう行動するか」を意識して、ロールプレイを楽しみましょう!
そして、PCの持つ知識、文化的背景、LARP中の出来事から推測でき、行動することが出来たなどが起こり得る事もLARPではしょっちゅうあります。「あなたの行為はメタプレイだ」といった指摘をすることに躍起になり、粗探しばかりをするようなことは、あなた自身のプレイ感を損なうだけですのでもったいないですよ。
没入 [Immersion]
定義: 物語世界やキャラクターに深く入り込み、現実世界を忘れて、ゲーム世界に集中している状態を指します。
解説: 没入は、LARPにおいて、質の高いロールプレイを実現するために、重要な要素です。PLが物語世界や自身のキャラクターに深く没入することで、より自然で、説得力のあるロールプレイが可能となります。GMは、没入感を高めるために、雰囲気のあるBGMを流したり、照明を調整したり、小道具を用意したりするなど、様々な工夫を凝らします。
安全性 [Safety]
定義: LARPイベントにおいて、参加者の身体的、精神的な安全が確保されている状態を指します。
解説: LARPは、身体を動かしたり、感情を揺さぶられたりする活動であるため、参加者の安全を確保することは、イベント運営における最優先事項です。具体的には、怪我や事故を予防するための対策、参加者が安心してロールプレイに没入できる環境を整備するための対策、例えば、ハラスメント対策、同意事項の確認、セーフワードの設定、心理的サポート体制の構築などが挙げられます。LARPイベントの主催者は、イベントの企画段階から安全性を最優先に考慮し、参加者が安心してLARPを楽しめるように、万全の対策を講じる義務があります。参加者自身も、安全に関するルールや注意事項を遵守し、自身の安全に責任を持つ姿勢が求められます。
セーフワード [Safe Word]
定義: LARP中に、何らかの理由でLARPから一時的に、または完全に離脱したい場合に、参加者が使用できる特別な言葉、合言葉を指します。
解説: セーフワードは、LARPにおける心理的安全性を確保するための重要な仕組みです。セーフワードは、心理的な苦痛を感じた場合、身体的な不快感を感じた場合、または単にゲームから一時的に離れたい時など、どのような理由であっても、自由に使用できます。セーフワードが発声された場合、周囲のPLやスタッフは直ちにLARPを中断し、発言者の安全を確認することが一般的なルールです。セーフワードは、LARP参加者に安心感を与え、危険な状況から自身を保護できる手段として機能します。LARPイベントに参加する際は、セーフワードの種類と使用方法を必ず確認し、必要時には躊躇せずに使用することが重要です。なお、セーフワードの代わりに、ジェスチャーを用いる場合もあります。
多くの場合、セーフワードはコマンドとして設定されます。
コマンド [Command]
定義: ゲームシステムで定義される、PLに向けて発される宣言全般を指します。
解説: コマンドは多くの場合複数の種類を持って運用され、それぞれに固有の効果を持ち、GMやPLによって宣言されます。コマンドによっては、GMだけが発することが出来るコマンドや、PLが発することが出来るコマンドなど、制限を設けて運用されます。「LARPの状況を開始する/終了する」「中断」などのLARPの進行に関するものから、「火炎魔法発動!」「対象の動きを封じる!」といった、特定の効果をもった宣言まで、様々な種類があります。多くの場合は、GMからPLに向けて行われる場合と、PLからPLに向けて行われるものが存在し、GMからPLへのコマンドの多くはPLに全体に向けて発される場合が多い反面、PLからPLにむけて発されるコマンドの多くは、キャラクターに影響を与える効果があることを対象のPLに宣言するものが多いです。
どのようなコマンドが使用できるかは、LARPイベントのルールによって異なります。コマンドを使用する際は、明確に発声し、周囲のプレイヤーに聞こえるようにすることが重要です。また、特定の効果を指定して及ぼすコマンドの多くは「直感的にどのような効果か」わかりやすく工夫されている場合が多く(※例1)、逆に全体的に効果を及ぼすコマンドの場合は、あえてLARP中にはあまり発言されないような特殊なワードが選ばれている事が多い(例2)です。
例1:炎の矢を放ち、矢が当たった対象にダメージを与えるコマンド:「ファイヤーアロー」
例2:GMが宣言する、LARPを開始するコマンド:「タイムイン」
ジェスチャー [Gesture]
定義: 特定の意味や指示を伝達するために、体や手を使って行う動作を指します。
解説: ジェスチャーは、声を出さずに、周囲のプレイヤーとコミュニケーションを取るための手段として用いられます。例えば、両手でTの字を表現する「タイムアウト」のジェスチャーは、ゲームを一時中断する必要があることを示します。他にも、手のひらを前に向ける「待機」や、指で数字を示す「ダメージ数値の伝達」など、イベントごとに様々なジェスチャーが用いられます。
日本のLARPでよく使われるコマンドやジェスチャー
タイムイン[Time-in / opt-in]
LARPに入る合図を「タイムイン」といいます。多くの場合は、LARPの開始、再開をGMが宣言する際に使われます。ルールによっては「スタート」など独自のコマンドが採用されている場合もあります。
多くのLARPでは、GMが「タイムイン」と宣言することでLARPが開始されます。PLは場の状況に合わせてPCやNPCとして振る舞いはじめることになります。
タイムアウト[Time-out / opt-out]
LARPから抜ける合図を「タイムアウト」といいます。多くの場合はGMがLARPの中断や終了を宣言する際に使われます。タイムアウトが宣言されたならば、PLはPCやNPCとしての行動を中断して、PLとして過ごし始めます。
なお、個別にタイムアウトしている状況を周囲のPLに伝えるジェスチャーがあります。例えば、胸の前で手をバッテンにする「クロスハンド」やTの字を手で作るなどがこれにあたります。
フリーズ[Frieze]
LARPにおいて、GM(ゲームマスター)がゲーム内の一時停止や、演出を行う際に使用する合図を「フリーズ」といいます。フリーズが宣言された場合、プレイヤーは全員、目を閉じ、耳からの情報もシャットアウトするためにハミングをするなどして、周囲の情報を遮断します。これは、GMがゲーム内の環境やストーリーを変化させるような、重大なイベントを演出する際に用いられます。
フリーズの目的は、プレイヤーの予断を交えず、目と耳からの情報を遮断した上で、GMが演出や準備を行うことです。フリーズは多くの場合、GMのみが使用できるコマンドです。
ストップ[Stop]
安全性に問題があることを察知したPLが周囲のPLに警告を発し、安全の確保が出来るまでLARPを中断させるための合図を「ストップ」といい、セーフワードのひとつです。ルールによってはPL側がシステム的な処理による参加者間の調整を行うために宣言する場合もあるなど、ルールによってその扱いが広範な用途に使われる場合もあります。
特に安全性に関わるストップの宣言は遠慮なく宣言されることが推奨されます。
メディック[Medic]
PLが自身または他のPLの怪我や体調不良など、現実世界での緊急事態が発生した際に使用する合図を「メディック」といい、セーフワードの一つです。
メディックが発せられた場合、LARPは直ちに中断され、全ての参加者はその場で動きを止めます。
メディックの宣言があった場合、参加者は怪我人の救護に努め、主催者(GM)の指示に従います。
OKチェックイン[OK check-in]
PLが、自身のキャラクターがとる行動が、他のPLの安全性に悪影響を与えそうだ、もしくは、与えているかもしれないと疑念を持った時に、胸の前でOKを示すハンドサインを表示することを示します。
OKチェックインを目視したPLは、そのPLのPCの行動が安全性の上で問題が無い場合はサムズアップをし、問題がある場合はサムズダウンを行います。それを受けてOKチェックインを試みたPLはサムズダウンが示された場合はロールプレイの方針を転換するようにします。
さらにLARP用語を深く知るには
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本稿では、LARPを理解する上で基本的かつ重要だと考えられる用語を厳選して解説しました。しかし、LARPの世界は非常に広く深く、今回ご紹介した用語以外にも、多様な専門用語が存在します。
さらにLARP用語を深く理解するためには、以下の方法がおすすめです。
LARP関連書籍やウェブサイトを参考にする: LARPルールブックを読む、LARP関連ブログやコミュニティサイトなどには、さらに多くのLARP用語と詳細な説明が掲載されている場合があります。
実際のLARPイベントに参加して体験する: 用語が使用される文脈を直接体験することで、用語の意味をより理解できます。
LARPコミュニティに積極的に参加する: LARP経験が豊富な人々と交流し、情報を共有し、質問をすることで、理解を深められます。
おわりに:さあ、LARPの世界へ!
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本稿では、LARP初心者なら知っておきたい基本用語を解説しました。これらの用語が、LARPの世界をより深く楽しむための、一助になりましたら幸いです。
この記事は『アナログゲームマガジン』に連載している記事の一つであり、途中までお試しで読むことが出来ます。月額500円(初月無料)の『アナログゲームマガジン』を定期購読いただくと、我々以外のライターの記事も、購読期間中は読み放題となっております。あわせてご検討ください。
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