【乳化LABO実験レポート】常識を変える簡単につくれるチョコレートテリーヌに挑戦!
今回は乳化LABOメンバーでは全く経験の無いオーブンを使ったチョコレートテリーヌに挑戦しました。ガトーチョコラやチョコレートテリーズは非常に濃厚な味わいと滑らかな舌触りが魅力のチョコレートケーキですが作るのが難しいといったイメージではないでしょうか? それを、クローザーの乳化を使うことで、簡単に家庭で作れ、カカオの味わいを最大限に引き出す基本レシピ試作を重ねました。チョコレートテリーヌの一般的なレシピはチョコレート、バター、生クリーム、卵、砂糖など材料的にも濃厚さありますが、今回挑戦したレシピはチョコレートと卵にお湯を加えるだけといった、”ライトでヘルシーだけどで非常に濃厚な味わいと滑らかな舌触りを感じる”といった新たな領域のデザートが出来ました。試食会では子供も喜んでくれメンバーも大満足でした。写真漫才の実験レポートになっていますので、是非、ご一読ください。
1.今回の試作目標
以下の実現可能性をクローザーを使って検証する。
① 簡単に家庭で作れる。
・材料を湯煎なしで混ぜる。
・細かな温度調整を無くす。
・使う容器をなるべく少なく
② 複雑な管理を無くし、失敗しない方法・条件を探す
③ 濃厚な味わいと滑らかな舌触りを感じる
2.使用材料
チュコレート、卵それとお湯だけで作ります。
・チョコレート(カカオ65%)・・・80g
・卵(Mサイズ) ・・・1個
・お湯 ・・・80ml
3.作り方:サマリー
<材料を乳化する:3ステップ>
<オーブンで焼く:3ステップ>
4.作り方:詳細(手混ぜvsクローザー)
今回の実験では、”手混ぜ”と”クローザーで乳化”したチョコレートテリーヌを比較するために、同じ条件で同時平行で調理しました。
① 卵を混ぜる
卵は冷蔵庫から出し常温に戻しておいてください。クローザーに入れて30秒ほど回すと、卵黄と卵白が均質に混ざり、卵白の粘り気がなくなりトロトロの液体になります。
同時に容器の中で30秒、手混ぜし卵も準備しました。
②チョコレートにお湯で溶かす。
チョコレート80gにお湯80mlを加えスプーンで混ぜてチョコレートを溶かします。(手混ぜ用とクローザー用で同じ条件のものを作ります。)
お湯は80~90℃と熱湯に近いものを注ぐと、チョコレートと混ぜた材料の温度は約50℃となり、卵と混ぜても卵は固まらない適度の温度になります。
③ クローザーで乳化
①でトロトロに混ぜた卵が入ったクローザーに②の半量(約80ml)注ぎ1分間回します。その後、残り(約80ml)も加えクローザーを3分回し乳化させます。
一方、手混ぜ用は手混ぜした卵をお湯で溶かしたチョコレートの容器へ注ぎ、スプーンで一生懸命混ぜます。(約1分程度)
注:ここでオーブンの余熱を開始してておきます。
④ 材料を型に注ぐ
③で準備した手混ぜした材料と、クローザーで乳化した材料をパウンドケーキ型(型は百均Seriaで売っているステンレス製のパウンドケーキ型を使用しまそた。また、離形しやすくするためにクッキングペーパーを内側に敷き、ペーパーが浮かないように周囲を固定しました。)に全量(約220ml)を注ぎます。
その後、80℃程度のお湯を下に敷いた角パットに深さ2cm程度注ぎます。
湯煎焼きを行うことで、焼きムラなどを無くし、材料全体をゆっくりと加熱でき、熱の伝導バラツキによる焼き方の失敗を減らせます。
つづいて、下に敷いた角パットのへ80~90℃程度のお湯を深さ2cm程度注ぎ、型にアルミシートで作った蓋(アルミホイルでも良いですが、今回は約条件のバラツキを無くすために手作りしました。)をかぶせます。
(反省:今回はパットにお湯を注いだ後、型に蓋をしましたが、この手順は逆の方が良いです。テリーヌ材料にお湯が入らないことと、蓋をする際に湯気で手が熱くなります。)
ポイント:テストを重ね、焼き加減は非常に重要だということが分かりました。何度も失敗しましたが、本レシピで失敗しないポイントは型に蓋をすることと、湯煎焼きを行い材料全体をくっくりと加熱することがポイントだと結論付けました。この方法で行うと、焼き加減でのバラツキなくなり失敗しないようになりました。
⑤ オーブンで湯煎焼き
④で準備した各パッドをそのまま余熱をしたオーブンに入れ、170℃で20分間、湯銭焼きを行います。
⑥ 型からの取り出し
20分後、オーブンから取り出し、蓋を開けて型を揺らし、材料全体がプルンプルンと揺れればOKです。蓋をしたままでゆっくり粗熱を取った後、冷蔵庫でしっかりと固まるまで冷やしてください。一晩程度冷やすとしっかりと固まっています。しっかり固まった状態で、蓋とクッキングペーパー押さえを取り、クッキングペーパーをゆっくり引っ張り型からチョコレートテリーヌを取り出してください。固い場合は、ステンレス型の底を少しお湯に浸けて温めると簡単に取れるようになります。
5.出来上がり比較
(1)外観と固さ
手混ぜ品とクローザー乳化品ともに型の底を温めることなく綺麗に離形できた。手混ぜ品(左)はクローザー乳化品(右)比べ、
・色は手混ぜ品の方が濃く、明らかに違いがある。
・固さは、乳化品の方がしっかり固まって固い。
(2)カットした状態・断面
ナイフでカットした状態は、クローザーで乳化たテリーヌの断面は均質で水分の浮きも全く無かったが、手混ぜは柔らかくカットした断面は若干水分の浮きのようなものが観察でき、均質な固まりになっていないように感じられる。
(3)試食した感想
試食メンバー全員4名が美味しいと口を揃えた。それぞれ4名の感想をまとめる以下の通りとなった。
①手混ぜ品:
・チョコレートムースの感覚で美味しい。
・濃厚さもあるが、滑らかさが物足らない。
・チョコレート感は強い
②クローザー乳化品:
・チョコレート感は手混ぜ品より若干より低く、ライトな感覚
・濃厚さもあり、非常に舌触りが滑らかである。
・一瞬、乳製品が含まれているような感触がる。
(4)デコレーション
限られた食材で、メンバー各自デコレーションを行ったので、ご紹介します。
(5)冷凍した場合
今回試作したサンプルをカットした状態で冷凍した後、冷蔵庫内で2時間後と、5時間後で試食を行った。解凍状態は2時間後で半解凍、5時間後では完全に解凍した状態であった。
5時間後の状態は、手混ぜ品は顕著にベトベト感が増えたが、クローザー乳化品は少し柔らかくなる程度で大きな変化がなかった。
また、2時間後の半解凍では手混ぜ品、クローザー乳化品ともに固さは固く、口の中で溶ける感触が楽しめ、個人的にはおすすめです。
6.まとめ
今回の試作でようやく、クローザーを使って簡単に家庭で作れ、濃厚な味わいと滑らかな舌触りのチョコレートムースの基本レシピが出来ました。チョコレートと卵だけあれば作れ、乳製品やバターなど入れないライトでヘルシーな感覚で味わえる新感覚のチョコレートムースに仕上がります。
オーブンへ入れるまでの材料準備は10-15分程度でできます。
また、お湯の代わりに牛乳でもできますし、この基本レシピに様々な材料を組み合わせも簡単で、広がりも無限です。
今後、乳化LABOでは応用レシピについても実験して、レポートを上げていきたいと考えています。
長いレポートを最後まで読んでいただきありがとうございました。