本屋と街の関係とは
下北沢に行くときに必ず寄るところがあるんです。小田急線の地下化によって誕生した再開発エリアにある本屋と東口にある本屋です。
2店とも本をいちメディアとしてではなく、総合的なエンターテインメント、そしてコミュニケーションツールとして利用していて、どちらも従来の本屋とは一線を画す店です。
再開発エリアにあるほうは従来の「小説」「ビジネス書」「医学書」などの分類ではなく、テーマを独自に設定してそれに合わせて本を並べています。
一方、東口にあるほうは棚ごとにオーナーがいて、いわば本のセレクトショップみたいなものです。
ここで考えたいのは「街にとって本屋とはどういった存在なのか」ということです。私が住んでいる街には駅前に1軒、歩いて20~30分くらい離れたところに1軒、ちなみに隣の駅には本屋が1軒もありません。
「ネット通販や電子書籍の台頭で本屋の売上がガタ落ち」であるという事実は間違いないでしょうが、果たして本屋は必要のないものでしょうか。
買いたい本を買えればそれでいいのかもしれませんが、そのまわりにも興味の源泉とも言える、ある種の縁や可能性が並んでいるわけです。
実際に並んでいるところから見つけ出すことによる未知との遭遇、からの衝動買いが本屋にある最大の醍醐味かつ最大のメリットではないでしょうか。
また、本屋の多さは文化の成熟度を表す一種のバロメータになるはずなんです。下北沢の様子を見てみればよくわかります。
東京23区の東側に住んでいる私にとっては、文化の中心が東側、特に山手線の東側にできるといいと思っています。東側のどこかが下北沢化するのもいいのでは?
などと書いてみました。
おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?