【外食からIT業界へ】「現場の知見×デジタル」でお客様を成功に導く。多様な人材が集まり新たな価値を創出するCSへ
SaaSにおけるCS(カスタマーサクセス)は非常に大きな役割を担っています。当社のCS部はサービス業の現場経験者が多く、お客様に対する解像度の高さが強みになっています。
今回は、CS部のCSMチームを率いるマネージャー・安藤に、仕事への考え方、今注力していること、多様な人材が所属するCS部の強みなどについて聞きました。
「店舗」という枠を飛び出し、より広く自分の価値を発揮したいと思った
――安藤さんは2016年に入社されていますが、なぜClipLineを選んだのですか?
安藤:新卒で大手焼肉チェーンの会社に入社して店長とSVを経験し、もう1社で高級焼肉店の店長を経験しました。外食業界自体は楽しかったですし、お客様に喜んでもらうことへの自分の価値も、一定感じられていました。ただ経験を積むうちに、「外食の1店舗」を飛び出して、もっと広い世界で自分の価値を見出せないかと思い始めたんです。
そうしてまず最初に思い当たったのがコンサルタントでした。SVで店舗マネジメントをしてきた経験が生かせるのではないかと思ったのですが、実際はそんなに甘くなかったです(苦笑)。そこで少し考え方を変えて転職活動をしていたときに、ITサービスの提供を通じて店舗マネジメントを支援するClipLineと出会いました。
当時SaaSという言葉もそこまで普及していませんでしたし、デジタルツール自体、特にサービス業にはそこまで広く行き渡っていなかったので、当社の事業は私にとっても新鮮に映りました。「こんなツールを武器にすることで、自分の知見を世の中に生かしながら、より多くの人に喜んでもらえるかもしれない」と思い、飛び込んだんです。
――入社してからは一貫してCSを担当されてきたのですか?
安藤:基本的にはそうです。入社当時は全社で20名くらいの規模だったので、CS部という部署はなく、コンサルティング部の中で、ABILI Clip(当時はClipLine)の導入支援をしていました。
導入支援とは、お客様とミーティングしながら利用の目的や方法、体制などをすり合わせたり、それをお客様の現場に落とし込んだり、継続的に活用できているかモニタリングしたりしながら、定着の支援を行うことです。
私は外食業界から入ったこともあり、そもそもこういったツールの導入支援の方法や思考方法がわかっていませんでした。そこで最初の1年は、マネージャーや役員がフロントでお客様と話を進めていく裏側で、手を動かして作業しながら、導入支援のノウハウを学んでいったんです。
その後、自分がメインで導入支援を行うようになり、今後CS部の人数も増えていくと想定される中で、効率化と再現性を担保しなければならないフェーズに入ってきました。そこで次に、「型化」を行いました。導入支援のプロセス、資料の種類や見せ方、伝え方などをある程度パターン化、標準化していくことを、自分が2~3年目の頃には注力していましたね。
チーム・個人・全社の3視点でミッション実現に向けて進む
――今はCS部のCSM(カスタマーサクセスマネージャー)チームでマネージャーをされていますが、CSMとは、どのような役割を担うチームなのですか?
安藤:CS部にはCSM、CSS、CREという3つのチームがあり、CSMチームは、一般的なSaaS企業でいうカスタマーサクセスの役割に近いことをしています。それぞれのメンバーが担当のお客様を持ち、各自がコミュニケーションを取りながら導入支援を行っていくチームです。ツールがお客様の中に定着し、継続して活用してもらうことが一番のミッションとなります。現在は8名体制で動いています。
――安藤さんはマネージャーとして、日々どのような業務をされているのですか?
安藤:私の業務は大きく、「チームマネジメント」「プレーヤー」「他部署連携」の3つに分けられます。
「チームマネジメント」は、各メンバーの担当案件に対するレビューが大半を占め、隔週で1on1の形で行います。1on1ではレビューだけでなく、個人のキャリア展望の話などもします。それとは別にチームミーティングを月次で設けていて、CS予算に対する達成状況や次月の注力事項などについて共有・確認しています。
その他、個々の特性を見極めて、誰にどのように任せるべきかを判断して、チームとしてのミッション達成に向けて適切に人員配置することも私の仕事です。
「プレーヤー」としては、個人でもメイン担当のお客様を持っているので、私が中心となって案件を動かしていくこともしています。
「他部署連携」というのは、全社的な方針に合わせて、他部署と随時コミュニケーションを取りながら連携していくことです。他部署と力を合わせて自チームも動かしながら、会社の目標達成に向けて進めていっています。
――元店長の鼎談(ていだん)では、メンバーが毎日日報代わりにABILI Clipを使ったレポート投稿を行っていると語っていました。これは安藤さん発案だったとのことですね。
安藤:現場視点だけでなく、様々な視点で日々の業務における自分の行動を振り返る習慣をつけてほしいと思ったんです。1日の中でうまくいったこと、いかなかったことを振り返って、俯瞰して見る習慣をつけてほしいと。
それをテキストではなく、ABILI Clipの投稿で話して伝えるようにすることで、考えを整理して話す練習にもなる。意図してそういう時間を作ることで、自然と「考えて」1日を過ごすようにもなります。2か月間実施したところ、最初に比べて最後の方は投稿の質がぐっと上がっていましたね。
実は私も入社間もないころ、そういう時期があったんです。私の場合は投稿ではなく、毎日スプレッドシートに振り返りを書いて、それに対して毎日社長がコメントしてくれるというスタイルでした。その時期は大変でしたが、今考えると振り返って改善につなげる習慣づけになったという成功体験があったので、同じような傾向にあった彼にも行ってみたということです。
そんな風に、1人1人の個性や特徴を見て、マネジメントの仕方は変えています。
現場目線と利用データの両面から開発に生かせるのがCS部の強み
――現場出身の安藤さんは現在マネージャー職にキャリアアップされていますが、他にはどのようなキャリアパスがありますか?
安藤:営業からCSに移ってきたメンバーもいますし、CSにいたメンバーが、よりプロダクトを進化させる方に注力したいということで、「エキスパート」として役割を変えたような事例もあります。もっと事業が成長してお客様が増えれば、活躍できるポジションは増えるし、新たなキャリアパスもできてくると思います。
入社してからの8年間でかなり組織の形は変わったので、これからも大きく変わっていくでしょう。その中で新しいポジションが生まれるかもしれない。自分が経験してきた知見を生かせる道すじを作ろうと思ったら作れる環境です。キャリアは、自分たち次第で大きく変わると思います。
――ClipLineのCS部にはどのような強みや特長があると思いますか?
安藤:みんなコミュニケーション力があるので、対お客様もそうですし、対会社、他部門にコミュニケーションを自分から取りに行って、つなぎ役になることも多いと思います。
それと、あまりメンバーの経験やバックグラウンドが重なっていないので、多様な知見・多様な視点から意見が出ます。天才はいないのですが、それぞれが知見を持ち寄れば“集合天才”になって、新たなアイデアや価値が生み出せるんじゃないかと私は感じます。
当社のCS部には、データ分析を担うCREチームも包含されているので、現場起点の意見もあれば、データ起点の意見もあって、それを掛け合わせることができるのは強みだと思いますね。
私たちCSMが現場からの声を上げ、CREチームはそれを聞きつつ、実際の利用データを見ながら、開発に生かしていく。定性・定量両面で改善活動をすることが重要だと思います。
――チームが連携して改善活動を行うことは、今期のテーマとして特に注力していることでもあるそうですね。
安藤:はい。過去に解約につながってしまった案件の傾向を分析して、解約要因を分解し、ボトルネックを見つけ出し、最適なアクションを取捨していくというプロセスを今進めています。案件ごとの規模や損失金額など、様々な観点で把握していっています。
また、近年は「ABILIブランド」という形で、サービスが増えてきたことに伴って、サービスを組み合わせてご利用いただくことも増えています。すると、サービスによって利用状況にバラつきが出てきます。そこをバラつきなく実行してもらうために、「こういうときはこのサービスをこういう風に使ってもらう」といったユースケース、型をたくさん作っていく必要があります。今はこの2軸で注力していますね。
お客様の背景を想像し、ひたむきに努力できる人が活躍する職場
――最後に、ClipLineのCSで活躍できる人、一緒に働きたいと思う人について教えてください。
安藤:まず一つは、お客様の成功を一緒に喜べるかどうか。これはBtoCでもBtoBでも変わらないなという実感があります。
お客様のために動ける人は、やっぱり活躍していますね。当社のサービスは価格が安いものではないですし、業務プロセスや組織の在り方を変えていく覚悟を持って導入いただいていることがほとんどです。私たちはそういった背景をきちんと理解して、成果創出に向けてお客様と一体になり取り組まないといけません。
当社のバリューに、Ownership(ジブンごと)というものがありますが、まさに自分ごととしてお客様に向き合えて、そこへの努力をいとわない人。足りない知識があれば勉強して、フィードバックをきちんと受け止めて振り返り、自分のものにしていく。そういう人が活躍できる場所だと思います。
私が長年支援を続けている外食企業のお客様は、人としても会社としても信頼してくださっていて、こちらから何かお願いした時も、「外食業界の役に立つなら協力するよ」と言ってくださいます。人とのつながりが大切な仕事でもあるので、そういったところを意識して仕事ができる人と一緒に働きたいなと思います。
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