ロシア文学講読を受けました。
私は、かれこれ20年以上放送大学の学生を続けています。最初に入学したのは、20年以上前のことで、その頃は病気もしていなくて、最初の2、3年で90単位くらい取ってしまったのですが、その後、乳がんとうつ病、果ては統合失調症と診断されます。
放送大学は一度取った単位が消滅することはないので、何度も入退学を繰り返し、現在101単位取得、あと23単位で卒業というところにこぎつけました。
今学期は、放送授業1科目と面接授業1科目を受けることにしました。減薬をはじめることにしたのと、去年から夫の仕事が変わり、私も仕事をしなければならなくなり、生活が厳しくなったからです。
でも、所属する文京学習センターはいいところなので、面接授業に行ってきました。
まず、今回の講義室は、2階の4でした。ここで問題となるのは座席です。
私は精神疾患他持病があることを大学側に伝えていて、そのための特別な配慮をいただいています。授業の際に過敏性大腸でトイレに行くことがあるかもしれないので、出入り口に一番近いほかの方の迷惑にならない場所に席を取ってもらうことにしました。授業履修が決まると、何も言わなくてもセンター側から連絡が来るのです。(ほんといい学校です)
そして、今回の講義室4は、なんと唯一の出入り口が教室の前側でしたw
入り口入って一番手前の席に、予約席と書かれたカードが置かれていました。怯んではいられないので、そこに座りカードを伏せます。
講義は、先生が18世紀ロシアの文学的背景の解説を織り交ぜながら、代表的な作家とその作品について学んでいくものでした。
シラバスには、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフの名前がありましたが、他にカラムジンというはじめて聞いたけれども晩年に「ロシア国家史」(未完)を書いた作家で、ロシアではどの家庭にもカラムジンの書籍が置かれているという話が興味深かったです。
しかし、授業のスタイルは、パワーポイントを使いながら、講師が延々としゃべるというスタイルで、これがかなり眠気を誘います。
当日もお腹が不調だったため、9時50分開始の授業のために朝7時に家を出て車で最寄り駅に送ってもらい、各駅停車に乗って座ってラジオを聴きながら、大学に向かいました。
ここで、NHKFMのウィークエンドサンシャインでリクエスト曲がかかり名前を呼ばれるという幸運に出会い、初日はなんとかメンタルを保ちつつ、でも体は不調で、乗り換え駅に着くたびにトイレに寄りながらなんとか家に戻りました。
講義二日目の冒頭で、先生が居眠りしてもいいですよと言っていたので、耳は傾けつつ、途中船をこぎながらなんとか講義も終了。相変わらずお腹が張って体調はいまひとつでしたが、なんとかレポートを提出して終了。
これで、買ってあったトルストイの「復活」がやっと読めます。
内容に触れるのかと思い読み直していたドストエフスキーの「罪と罰」やトルストイの「アンナ・カレーニナ」には少ししか触れずに、全体的に当時の文学を取り巻く状況が解説されるという授業でした。
それはそれで面白く、特に、ドストエフスキーがどうして流刑にされることになったのか(ユートピア社会運動への傾倒)などがわかると、作品名は忘れてしまったけれど、ビラを刷ってまくような社会活動についての記述などを思い出して、すべて小説に書かれたことの背景がその人生にあったのだということや、ドストエフスキーは書簡、トルストイは日記をベースにして生活をしていたというライフスタイルの違いが作品の色合いを変えていることなど(違うとわかってはいたけれど)がはっきりと理解できて面白かったです。
そして、二学期の講義では、今回取り上げなかったゴーゴリやツルゲーネフなどを中心にするといっていたけれど、ゴーゴリもツルゲーネフもあまり好みの作家とはいえないので、とりあえずロシア文学についてはこれで終わりにしようと思います。好きな作家の作品を楽しむにはこの講義だけで十分でした。
しかし、減薬の離脱症状なのか、過敏性大腸の再燃なのか、悩ましい日々は続くのでした。