見出し画像

初めてのホームジムでのコンペ

Before everything else, getting ready is the secret of success.
和訳:成功の秘訣は、何よりもまず、準備すること。

Henry Ford

 昨日、私のいつもお世話になっているホームジム「Friction Freaks」さんでオープン1周年記念コンペが開催されました!いつも穏やかな時間が流れるジムとは打って変わって、多方から集まった熱きクライマーおよびケンケンさんをはじめとした運営の方々の手によって白熱した最高の空間ができあがっていました!
 なんだろう、ボルダリングコンペにおける経験は本当に浅いのですが、やっぱコンペっていいなぁって思っちゃいますね笑

 やっぱり、ジムがオープンして、そこでボルダリングに出会って、1年通い続け、そしてそこでコンペが行われる…となったら勝ちたいじゃないですか!!!いやもう勝つことがホームジムへの恩返しなんじゃないかとまで思ってたほどです(これは恥ずかしくて誰にも言えてなかった)。

 で、コンペ経験がまだGRAVITY RESEARCH新潟の閉店コンペしかない私がどうやってコンペで勝つかを私なりに本気で考えてコンペに臨んだわけですよ。それを今回の投稿に書きます。色々長くなりましたがそれが今回のメインです。

結果(リザルト)

 色々述べる前にまずは私のコンペの結果を紹介します。
 私はミドルクラス(主として3~2Qを登る人向けのクラス)に出場して、予選は16課題中14課題を完登し19人中3位タイ、決勝は私含め6人出場で5位でした。

リザルト

1週間前〜3日前の私

 まずボルダリングにおける「1週間前〜3日前の私」はめちゃくちゃホームジムで登ってました。具体的にどのように登っていたかというと、I.限界グレードをひたすら叩く、Ⅱ.同じグレード帯を登るクライマーとセッションする、Ⅲ.
フィンガーボードと向き合う、が主な登攀スタイルでした。

Ⅰ.限界グレードをひたすら叩く

 2級をどの傾斜でも打ち込めば落とせるようになってきた(と言いたい)私は、1級と初段に打ち込んでいました。
 このようにしていた理由はただ一つ、高グレードを打てば身体がそれに順応して短期強化を見込めるのではないかと思ったからです。浅はかですね笑。結果として初段を1本完登することができました!!!!…というのは従属的な結果であって、本質的な結果(高グレードを打てば身体がそれに順応して短期強化を見込めるのではないか、という推測に対する結果)はイマイチでした。「保持力が1週間前とコンペで明らかな違いがあった!」とか「体が逞しくなった!」とかはなかったです。そりゃそうですよね。この結果を望むならば少なくとも1ヶ月前くらいからの追い込みが必要だったかもしれないと反省しています。
 しかしながら、精神面でコンペで余裕を持つことにつながりました。コンペで取り組む課題より強度がある課題に取り組んでいるわけですから、コンペではもっと肩の力を抜いて登れると思ってましたし、実際肩の力を抜いて登れました。やはり緊張が絡む局面でそういった安心材料があることは大きな違いになったのではないでしょうか。

Ⅱ.同じグレード帯を登るクライマーとセッションする

 これをしていた理由・目的は主に二つありました。一つはその中に同クラス出場者が多く居たためお手並み拝見すること、もう一つはセッション方式のリハーサルをすることです。
 前者で、私と同じクラスにいる人がどれくらい強いのか、どれくらいコンペで頑張らなければいけないのかを測っていました。結果的に超頑張らなきゃいけないことがわかりました笑。紙課題でセッションしていたのですが、私より先に落とすクライマーがたくさんで絶望していました。「やっぱ俺ってよえ〜なぁ強くなりてえなぁ」って思いましたね。
 後者の方がもちろんコンペにおいては本質的で、セッションではどのように立ち回るべきなのかというのを直前ながらも学ぶことができました。たとえばムーブをパクるだったり、登攀からヒントを得るだったり…。これは予選で余裕を持てた要因の一つと言えます。

Ⅲ.フィンガーボードと向き合う

 これはこれからもジムに来た時の日課にしようと思うのですが、帰る前30分〜1時間前はシューズを履いて壁を登るということはせず、フィンガーボードでトレーニングしていました。
 具体的なトレーニング方法は割愛しますが、これをやっていた目的もⅠと同様、短期的に増強するためです笑。「そんなんで増強できてたらジムのフィンガーボードエリアに行列できてるわ!!」と言われかねないですが、上で引用したヘンリー・フォードの格言のもと準備できることはやるだけやっておきました。

3日前〜前日

 この章は、ボルダリングと飯に分けて書きます。

ボルダリングはした?しなかった?

 まず、3日前〜前日はホールド洗い・テープ外しのお手伝いをしにジムに行ったことを除き、ジムに行ってボルダリングするようなことはありませんでした。すなわち、この3日間はレストしていました。一応、前夜に買い物ついでにいつも車で行くところを歩いて行くくらいの運動はしました。これは、この期間に登ると当日に少なからず疲れが残ってしまうことを前回のコンペで学んだため実践しました。
 結果はおそらく成功。指皮、前腕をはじめとした筋肉、そして気分どれをとっても当日は好調で、自分の全力をコンペに注ぎ込めたと断言できます。リザルトを見ても他責することはなく、全て自分の位置情報を正確に反映していたと言えます。

ご飯は?

 続いてはメシについてです。私は普段、朝昼晩欠かすことは許さず、普段、すき家とか松屋、丸亀製麺といったチェーン店に行く時は必ず大盛りにします。
 そんな私はこの3日前〜前日、いや、1週間前からか。なるべく少量で済ますようにしていました。どれくらい少量にするかというと、朝か昼かどちらかは抜くか、サラダチキンバー(セブンイレブンで130円くらいのやつ)1本で済ます、夜はチェーン店に行くことがあっても並盛以下で済ませるようにしていました。
 このようにしていた理由は、私が普段ボルダリングをするとき、空腹時の方が調子が出やすく、その状態に慣れておくためです。死んでも減量していたなんて言いません(こんなんで減量できてたらみんなやってるよね笑)。もちろんレストしている時はお腹が空いていることは感じますが、限界グレードを押し上げている時や限界グレードを登っている時はいつも空腹で結果が出せているのです。
 コンペ当日、レスト時間のほうが長いわけですから、レストしている時に腹が減って本番に支障をきたすことがないようにそのようにしていました。
 結果はおそらく成功。コンペ当日の朝はおにぎり二つとバナナで済ませており、普段の私だったら到底空腹に耐えられていないかと思いますが、当日何も気にならなかったということは成功していたのだと思います。

コンペ当日

 私は当日6時に起床しました。
 大手健康食品メーカーのサイトには大抵、「試合3時間前にはご飯は済ませておく」というアドバイスが書かれており、それに従い予選が9時過ぎからなので3時間前のこの時間に起きて朝食を食べました。
 まずは、起きてから1時間内に行なっていたことを時系列順に書いていこうと思います。
6:00~6:15
 起床→身支度→ご飯
6:15~6:35
 最寄りの公園に行ってラジオ体操。
 ラジオ体操後、15分の軽いジョギング。
6:35~6:55
 ピンチブロックで前腕をトレーニング。第一関節までで持つ持ち方からファットピンチまで様々やった。

 とまあ体を起こすためにトレーニングを含めた行動を1時間のうちに行なっていました。それから7時から8時の間はコンペでどう立ち回るかという戦略をたてました。ミドルクラスにはコンペ経験者が多数おり、上位クライマーが「ミドルはコンペ経験が左右するんじゃないか」という噂していたのを知っていたので、コンペ経験が浅い私は入念な戦略で対応してやろうと意気込んでいました。
 まずは、予選課題16課題のグレード及びその課題の傾斜について。まず文に連ねるよりも見てもらう方が早い。以下のメモはコンペ直前にしていたメモです。

メモ

 いかがだろうか。メモの内容には各傾斜におけるミドルクラスが登るべきグレードおよび本数、および待機時間を予測していました。前者においては9割予想が的中していました。が、後者においては全く予想は的中していませんでした。まず、人数が違いました。各カテゴリーのエントリー状況・人数的に、ビギナークラスとマスタークラスが、ミドルクラスとオープンクラスが予選を共にすると推測していたのですが、予選グループの人数を均一にするために人数移動が行われました。そして待機時間が違いました。こちらは予選を共にする他クラスがどこの壁に集中するかを予測できていなかったためです。まあ、待機時間については半分諦めてました。経験がなさすぎてどういうふう壁が混むのか、どういうように並ぶべきか自分なりの考えがありませんでした。
 総合的に、壁とグレードを9割的中させていたのは本番かなりデカかったですけどね笑。

タイムスケジュール

 8時〜9時の間がジムでの受付が開始だったので、私は張り切って8時に行きました。これはおそらく受付を済ませてしまえばオブザベに時間を使えるだろうと考えてました。結果としてオブザベできました。オブザベは同じクラスの優勝候補クライマーと行いました。優勝クライマーが考えていることを共有できれば何かチャンスが得られるのではないかと考えたからです。(余談だが、クライマーというのは自分も含め不思議。コンペではライバル同士なのにも関わらずライバル同士でオブザベで貶め合うのではなく、無論、競技中にもライバルを応援するから。)

コンペ開始

 私は以下のスケジュールのBグループに入っていました。これは予想外だった。同じミドルクラスの中でも4人がどういう選別方法かはわからないが、人数的にBグループに入ることになっていたんです。体が冷えてしまうこと及びツヨツヨクライマーの余裕を見て恐れながらも、観戦しながら自分なりにオブザベの再チェックができたのでこれは幸いといえば幸いだったかもしれない…。


 さて、Bグループの予選が始まった。私がどのように立ち回ったかというと、オープンクラスにいる師匠について回りました。これは立ち回りの正解がわからないから一番強そうなやつについていけば大丈夫だろうというミニオンみたいな考え方です。そもそも、そういうふうにしようと前々から企んでいました。たとえミドルクラスだけで予選が行われようとも、その中でコンペ慣れしてるクライマーを見つけてついて回ることにしていました。結果的に第一回目のセクションだけで見れば成功だったと考えています。なぜならAグループにいたミドルクラスのクライマーよりものぼれた課題の本数を稼げたからです。しかし、第二回目のセクションを含めて見れば微妙です。なぜなら、残っていた課題が垂壁でその垂壁はめちゃくちゃ列ができており、早めにやっていた強傾斜およびルーフが閑散としていたからです。さすがとしか言えないが、ミドルを優勝したクライマーは閑散としていたルーフを第二セクションに残しており、しっかり余裕を持って課題を落としていました。これは結果論でしかないですが、もっと上手く立ち回ることができれば優勝者のように、予選を余裕を持ってこなすことができたのかもしれません。
 予選終了。上にも書いたが16課題中、14課題登ることができました。残る課題の1つは130°壁にあり、こちらは諦めていたのでOK(OKじゃない)。もう一個は164°にある課題で、もう1トライできていれば必ず落とせていたと思います。悔しい。しかしながら私はこの結果にかなり満足しています。上までに連ねた準備が功を奏したと胸を張って言えます。

が、


 決勝のことを考えていなかった笑笑笑笑。もう頭の中では決勝進出が大目標になっていたのかもしれないです。時間配分とかオブザベの仕方とか全く理解していませんでした。時間は一人につき6分与えられていたのですが、私はその6分間、1課題しか頭になかったんです。もう1課題は初手の強度で1トライで諦めました。まぁでも諦めていて良かったと思います。これも結果論ですが、登った1課題をブザービートしたので、もう1課題を触っていたら多分登れていなかったんじゃ…。

決勝の私

まとめ

 と、こんな感じにコンペ1週間前から当日にかけてまで準備してきました。
 それなりに準備した甲斐があったなと自分なりに評価しています。しかしながら反省点も多いです。次回、コンペに出場する機会があれば今回のことを最大に活かし切っていい結果を残したいと思います。

そんなことより

 こんなに自分のことを徒然述べましたが、コンペが良すぎてそれどころではない!ケンケンさん、FISH & BIRDからきたセッターおよび新潟の超有能セッターが何から何まで最高な空間を作り上げていました。冒頭にも同じことを書いたかもしれないが何度でも声を大にして言いたいほど素晴らしい空間が出来上がっていました。本当に感謝しかないです。本当にありがとうございました。またコンペ開催していただけることを期待しています。




いいなと思ったら応援しよう!