見出し画像

ムキムキ野郎とホームジムよ、ありがとう。

 そうそう、俺はちょうど一年前、ウインタースポーツシーズンが終わる頃、スノボに変わる趣味が欲しいとか嘆いてたっけか。部活でやってたサッカーやバドミントン、個人でやってたパルクール以外に打ち込みたいものがあれば…のような具合に。

ホームスタジアムの猪苗代スキー場

 一年前の趣味に浮浪する自分が出会ったボルダリングとそれを続けるにおいて重要なポジションを担っていたホームジムについて以下の二本立てで執筆してみたい。

ボルダリングとの出会い

 ボルダリングっていうスポーツの存在はもちろん知っていた。
 高校1年生の頃、同じクラスの超ムキムキだったヤツが「人数集めてボルダリング部を作ろう」と話しを持ち出してきたことを思い出す。彼はRock You!というジムに通っていたらしく、当時見学に来ないかと誘われたし、俺も俺でボルダリングがどういうルールでどういう面白さがあるのかと聞いていたっけか。

 が、全くそそられなかった(笑)

 なんで壁を登ることにそんな喜びを見出せるの?やるまでもなく、壁を登って、イェーイって言うんでしょ?そんなもんでしょ?……世のクライマーたちには大変失礼極まりないが、当時の俺はボルダリングをそう捉えていた。

頭の中で考えていた当時のボルダリング

 月日は流れ大学3年生の俺。なんと上で述べた高校1年時代のボルダリングするムキムキヤロウとはずっと友達で高校3年間クラスは全て同じで、大学は学年はもちろん、学部まで同じだった。もちろん、スポーツや旅行を共にするまでの仲だった(今もそう)。
 俺は彼とスノボに明け暮れた冬を背に、冒頭で綴ったように嘆いていた。
 そんな俺に彼は「4月下旬に大学近くでボルダリングジムがオープンするんだけど行ってみない?」…そんなふうに誘ってくれた。

 俺は、そのボルダリングジムの門を叩くことにした。

 彼は俺と出会う前から今までボルダリングをずっと続けてきたわけだし、なんかそこに俺が知らない面白さがきっとあるんだろう。俺も運動不足解消したいし、ついでに春夏秋の趣味も探したい…というようにかなりぼんやりした理由でやってみることにした。

 行く前はけっこう嫌だった。なぜなら、ボルダリングジムにいる人はみんなムキムキで凶暴で、そんな人たちの前で登って失敗して邪魔したらヤバいじゃん?!みたいな予想を抱いていたからだ。

 だがもちろん、そんなのは杞憂だった。

ホームジムがあってのボルダリングライフ

ホームジム“FRICTION FREAKS”

 初めて今のホームジムに訪れた時、刺激驚きのパラダイスだった。

 まず、ジムオーナーが見たことある人だった(笑)一度ボルダリング体験したことがあって、その教えてくれた人がまさにジムオーナーだったのだ!なんて接しやすい!

 次にそのムキムキ野郎。お前重力無いのかレベルで自由自在に壁を行き来している。お前そんなにすごいヤツだったの?!頭文字Dで言えば俺が樹でそのムキムキ野郎は藤原拓海。そんなすごいヤツと俺は一緒にジムに来てしまって良かったのか…?とまで思った。

ムキムキ野郎

 そしてジムにいるクライマー。一つの課題でみんなでワイワイ楽しんでいる。それもワイワイキャッキャの方の楽しみ方で。また、俺が登ってる時も「ガンバ」「ナイス」と初対面なのに応援してくれる。まさに予想と正反対だった。

 このような感じで俺のボルダリングライフが始まったわけだが、今もなお通うホームジムに感謝していることが大きく3つある。

 まず一つ目は、ボルダリングの面白さを伝えてくれたことだ。
 上で綴ったように、最初は本当にボルダリングは何で続けられるほど面白いのかが全く理解できなかった。しかし、自分が頑張ってクリアした課題に出会えた時、パラダイムシフトが起こった。「あ、嬉しい、面白い、もっとやりたい!」まさにCSじゃないか(笑)
 そんな具合にボルダリングの面白さを初めて体験できた。ジムHPに書いてある通りボルダリングはまさに体のチェスであり、パワーを使わずとも足と手の順番、場所で簡単になってしまう、そんなところも面白いと感じられた。

 続いて二つ目は、クライマーとの交流の場を形成していることだ。
 ボルダリングにハマり始めて1週間〜1ヶ月くらいはボッチな時ばかりであった。が、今ではジムに行けば顔見知りや話したことがある社会人の方々、そして大学の友達がいる(いらっしゃる)。この、人との関係というのはホームジムなしでは本当にあり得なかった。なお、4年になった今、探検部に所属できたのもホームジムありきの話である。

 最後に三つ目は外岩の面白さを伝えてくれたことだ。
 これは多分都会のジムに通っていたらあり得なかったかもしれないと思って自信なさげに書く。
 傲慢な予想かもしれないが、俺のホームジムはおそらく“室内ボルダリングは外岩のための練習場、リハーサル”みたいな課題コンセプトを持っていると思う。
 この予想は半分、オーナーが岩好きであることに基づいているが、俺が塩原の後悔3級を敗退して1週間経たずに仮想後悔がジムの垂壁に誕生したことから多分当たっていると信じている(本当にお気遣いありがとうございます)。
 岩ベースの課題はあまり都会のジムでは見られないような気がする。バチバチの動的なムーブが流行りすぎててクラシカルな岩のような課題がなかなかないような…。
 岩コンセプトを持つホームジムに通っているからこそ外岩に行った時、「これが岩でできるようになってる!」って思えるし、外岩からジムに帰ってきた時、「これできなかったな、練習しよう」ってなれる。つまり、練習・実践・反省のサイクルを担ってくれているのだ。
 

まとめ

 俺がボルダリングを今もこんなにも打ち込むことができているのはそのムキムキやろうが友達でなかったら起こり得なかったし、ホームジムの居心地の良さがなければ有り得なかったわけだ。本当に感謝したい。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?