見出し画像

2020年2月 読書リレー(後半)

 残り半分。今月は詩とか短歌、韻文系が多かったのもあって、たくさん読めましたね。2月なのに。
 今までのモーメントはこれ↓
https://twitter.com/i/moments/995558573286477824


●遊泳舎編、いとうあつき絵『26文字のラブレター』2019年、遊泳舎 https://www.amazon.co.jp/dp/4909842047/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_pJ-tEbGS50JNA

 Twitterで回ってきて、ずっと気になってた本。これも確か丸善で見つけました。すごいぞ丸善。
 江戸末期から明治にかけて流行した唄の形式「都々逸」。「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」とか有名ですね。基本的には「七・七・七・五」という音数で構成された作品群から、恋愛に関するものだけをピックアップして、イラストと簡単な解説とともに紹介した本。合間には、コラムとして現代作家・アーティストによる都々逸も収録されています。
 昔から都々逸に関して興味はあったのですが、詩や短歌、俳句と違って、都々逸に関する本ってほっとんど見かけないんですよね……やっぱ歌ありきのもの、って感覚が強いんでしょうか。
 この本はとにかく、挿絵がすっごい綺麗なんです……僕はこういうテスクチャざりざりのイラストが、とてもとても好みです。どれも前時代の作品ですが、充分今の感性にも合致するものばかりです。読みながら、「ああ~ッ、エッモ!!!」と語彙力のかけらもない叫びばっかり垂れ流してました。個人的な感覚として、都々逸は短歌とかよりもリズム感が強く、どんなに重たく暗い内容でも、どこか跳ねるような滑稽みを感じる気がします。レトロモダンみというか。普段あんまり耳にしない音数だからなのかな。
 みんな、都々逸ハマろ。

     ↓

●ROLAND『俺か、俺以外か。ローランドという生き方』2019年、KADOKAWA https://www.amazon.co.jp/dp/4046041374/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_UK-tEb9DVCHE8

 今、某友たちとホストクラブの話を日々練っているので、ネタになるかなあと思って(あと単純にタイトルが「強え」と思って)手に取った次第。みんな大好きローランド様だよ。
 現代ホスト界の帝王と呼ばれるROLANDの思想や半生を、自ら綴った本。巻頭には、カラー写真も数枚収録されてます。
 結論から言うと、ネタにはならなかった。正確に言うと、参考にできなかった。あまりにも唯一無二すぎて。
 この本はただただ、読んでてローランドさんの凄さ強さに圧倒されるだけの体験でした。感覚としては、読むたびビカーーーーッって光量MAXのストロボライト正面から食らって、「ふぁああ、すげぇえ」以外の感想が消し飛ぶ感じ。読んでて超楽しいよ。
 章立ても細かくて、名言的発言一つ一つに対して短く言及しているような構成なので、とても読みやすいです。楽しいよ(2回目)
 巻末には、Q&Aも収録されてます。

     ↓

●LUNKHEAD『LUNKHEAD歌詞集』2020年、有限会社直球 https://www.amazon.co.jp/dp/B083CP4JLG/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_4M-tEbJGXJ911

 結成20周年を通過したロックバンド、LUNKHEADのボーカル・小高芳太朗さんがTwitterで「歌詞集出したらみんな買ってくれる?」と訊いてた頃から「絶対買う~!」と心に決めてた本。
 1999年から2019年の20年間のうちに発表された楽曲の歌詞を全曲分+小高さんが描いた挿絵&月刊誌「What's IN?」で連載されていた「小高芳太朗の筆下ろし」より四コママンガを全編収録した超豪華な歌詞集。
 某友に教えてもらって、じわじわハマって、今となっては本当毎日何かしら聴いてるくらいの大好きなバンドになったLUNKHEAD。この間、人生初のライブ参戦もしてきました。
 LUNKHEADは、メロディや音はいざ知らず、歌詞が本当にいいんです。希望に満ちた曲もあれば、鬱屈した苦しみを吐き出すような曲もあり。苦しい時に、寄り添ってくれる曲ばかりです。僕は特に「ギグル」「ENTRANCE」「インディゴ」「花は生きることを迷わない」「誰か教えて」の歌詞が好きです。まだまだ好きな曲はいっぱいいっぱいいっぱいあるけど!
 布教用に2冊目も欲しかったけど、再販した分も完売間際になってたので自重、その後すぐめでたく完売したそうです。今後再販は……無さそうだけど、もしされた暁には、皆さんぜひ買いましょう。
 5/6までは、You Tubeの方に、3/12に配信されたライブ映像も見られます。最高だからみんな聴け~~~~!

     ↓

●谷川俊太郎『はるかな国からやってきた』2003年、童話屋
https://www.amazon.co.jp/dp/4887470339/ref=cm_sw_r_em_apa_i_scPPEb1S3KK4W

 一度は読もうと思って、どの詩集がいいかなと探している時に、綺麗な装丁だなあと思って手に取った本。
 国民的詩人、谷川俊太郎さんの詩の中から、編者(田中和雄さん)が好みの作品をピックアップしてまとめた詩集です。
 読んでみて、谷川さんは対句と反復がきれいな人だなあ、と思います。とても分かりやすい言葉選びで、宇宙のような途方もなく広大な世界を描く、独特の世界観なんですが、個人的には、現代詩をそのまま体現したような作風だなあと勝手に思ってます。
 ちなみに、さっき言及したLUNKHEADの楽曲「インディゴ」の中に、「溶け出した夜の匂いに思わず僕はくしゃみをした」という歌詞があるのですが、これは谷川さんの「二十億光年の孤独」から来ているそうです。

     ↓

 3月への繰り越し本は、
大谷崇『生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想』2019年、星海社新書

 僕の傾倒している作家・三秋さんがTwitterで触れているのを見て、気になった本。哲学系統はあんまり手出したことないんですが、面白いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?