2019年5月 読書リレー
モーメントの仕様が変わってめちゃめちゃに使いにくくなったので、これからは毎月noteに、読書記録をまとめてつけていけたらなあと思います。気になったらみんなぜひ読んでね。Amazonとか通販のページもあったら貼りますんで。
今までのモーメントはこれ↓
https://twitter.com/i/moments/995558573286477824
●フランツ・カフカ著、原田義人訳「変身」1915年(初出)、青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001235/files/49866_41897.html
実は僕、カフカ先生と誕生日が同じでして。その親近感から、頭木弘樹さんの『絶望名人カフカの人生論』『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ』『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』等々を読んで人となりに惹かれ、満を持して読んだ「変身」。某人とGWに激混みの瀬戸芸、直島に行く道すがら、電車と船の中で一気に読んでしまいました。
一言で言ってしまえば、なんの救いようもない話、でも本当に繊細でかなしくて優しくてつらい話。グレゴールの状況が自分に刺さる刺さる。僕は常々、一人っ子だから死ねないと豪語していますが、本当は、感情さえ脇に置けば、僕が死んでも家族は問題なく生きていけるんです。両親は僕なんかよりずっと高給取りで、生活もしっかりしてるから。朝夜と、家族の用意してくれた食べ物を食べ(中には、全然手をつけないものもままある)、家にいる時はほとんど自室のベッドか床の上に這い蹲って。今の僕は、グレゴールと何が違うというんでしょう? 働いてはいても、僕は家計にほとんど貢献していない。……まぁあ、そんなことを考えてしまって、息が苦しいったら仕方ない。
やはり僕は、カフカ先生の星のもとに生まれた人間のようです。先生についていきます。また他の作品も読もう。
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●野々上慶一『中也ノオト〜私と中原中也』2003年、かまくら春秋社 https://www.amazon.co.jp/dp/4774002437/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_fJO8Cb78GWBA2
中原さんの処女詩集『山羊の歌』を発行した文圃堂店主、編集者だった野々上さんの中原さんについての評伝。「お前まだ読んでなかったんか」とか言われそうだけど、少し前にTwitterでこの本に関するツイートが回ってきて、これを機に引っ張り出してきて読みました。
もう、ネタの宝庫かというくらい中原さんの人となりというか面白エピソードというかが散りばめられてる。かわいすぎる。本当にどうしようもない人だなあと思うけど、それを含めて大好きなんだなあ(もはや信仰対象なくらいに)。ぜひみな読んでくれ。
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●竹内薫『住んでみたい宇宙の話』2016年、キノブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4908059330/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_nKO8Cb12PPDNW
地球以外の星に住むとしたら、どういう対策が必要かとか、どういう家を設計すればいいかとか、そういったことを至極科学的、大真面目に書いた本。職場のある市の図書館に初めて行って見つけた本。館内で一気に読んでしまった。
めっちゃ面白い。それぞれの星で生活する際の問題点が違うから、全く別の生活様式になるのが面白い。挿絵があって、文章もわかりやすいから読みやすいと思う。個人的にはタイタン(土星の衛星)の海中都市の話がすごく興味深かった。その発想は本当なかった。
紹介ページみたいなのがあったので気になる人はぜひ。実際の本の内容はこんな不動産屋みたいな感じではなかったけど↓
http://kinobooks.jp/lp/sundemitai/
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●大槻ケンジ『リンウッド・テラスの心霊フィルム―大槻ケンジ詩集』1990年、思潮社 https://www.amazon.co.jp/dp/4783703272/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_QKO8CbDB3AAJZ
言わずと知れた筋肉少女帯ボーカル・大槻ケンヂの処女詩集。「ケンヂ」ではなく「ケンジ」表記なのは、誤字ではなく本人の希望だそう。岡山の古本屋「ながいひる」で買いました。筋少はほとんど聴いたことないんですが、前々から「モーレツア太郎」の
「狂えばカリスマか!?
吠えれば天才か!?
死んだら神様か!?
何もしなけりゃ生き仏か!?」
って歌詞が大好きで大好きで、それもあって他のも読んでみたくて。
……読んでみたけど、正直にいうと「よく分かんなかった」です。気だるさと狂気と嘲笑を含んだ空気感は結構好き。ただ、言葉選びが合わないなあ……と思ってしまった。けど、「星の夜のボート」と「ビッキーホリデイの唄」、あと付録の栞、大塚英志「大槻ケンヂ論 笛吹き男のいいわけについて」が好きだった。大人になっちまったんですかねえ。全然上手く生きられてないのに。
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6月への繰り越し本は、
フランツ・カフカ著、原田義人訳『城』1966年(1922年初出)、角川文庫
半分以上は読み進めたけど、何が何だかあんま分かってない。とりあえずみんな主人公に辛辣すぎてつらい。今からでも、先になんか解説なり簡単な論文なり読んだ方が楽しめるかなあ。
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